2005年11月06日

【書】ケータイを持ったサル=考えないヒト 4

「今の若いモンは」とか
「どこもかしこもケータイばっかり」とか
考えてるオヤジ諸兄には是非とも勧めたい本である。

かといって問題は「今の若者」だけではない。

もっと根が深いし、枝葉も広がって、現代日本人全体の問題である。

2冊が続き物と言える。
ケータイを持ったサル〜「人間らしさ」の崩壊〜
考えないヒト〜ケータイ依存で退化した日本人〜


著者は京大霊長類研究所の比較行動学の教授である。
その人が若者を見た時の違和感を
「サル」として見た視点から分析した本で、視点は秀逸だし
分析も鮮やかだ。
ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊

考えないヒト - ケータイ依存で退化した日本人


学者の本らしくデータが多いので
そこは斜め読みするのがコツだが
かなり面白い。

内容については別の記事で触れたのでそちらへリンク

意味ある連帯感を持てなくなった現代人
それは
マスコミの発達によって
情報の受け手であることに慣らされてしまったこと、
消費社会の発展によって
物の消費者であるだけで生きていけること、
つまり時間の切り売りでお金を持てば
それなりの「幸せ」を感じて生きていける。
 これは人間の家畜化だ、と感じていた。
こんな「幸せ」は虚構だ!
って叫んだ映画がマトリックスだと思うし
ここまでの分析は既に様々な音楽や文学、映画で扱われている。
この本はその上に
「ケータイ文化」=意味を持たない繋がりによる連帯
という更なる退化を分析して見せている。

サルが森で他のサルに出会ったときに
「同一集団に属しているかどうか」を確認するために
「きゃっきゃっ」とか鳴き合う。これをチャック・コールと呼ぶ。
それ自体が意味を持って何かを伝えているのではなく
トーンなどによって「同一集団の者には判る」サインだ。
 この本は大して意味のないケータイ・メールのヤリトリ
あるいはケータイで繋がる無内容な会話をこのチャック・コールと捉えている。

サルでも誉めすぎで羊の群れぐらいじゃないか、ってのが
昨今の大学生を相手にしている者の正直な感想だが
ヒトの能力の退化は如何にして起きるか、それを示していることはたしか。

そういえばこの著者は赤ん坊の教育について多くの本を出している。
「どうやったら人間らしく成長するか」は
「どうするとサルに戻るか」と表裏だろうから当然か。

人間をサルとして分析した古典的名著
デスモンド・モリスの「裸のサル」


裸のサル―動物学的人間像


裸のサル―ヴィジュアル版


たしか中学だか高校だかの時代に読んだが
例の「話を聞かない男、地図を読めない女」なんかでもそうだけど
行動学で見る場合に
西欧人と日本人の違いはかなり大きいように感じて
読んでてもシックリ来ない。

その点、この本は日本人に焦点を当てているだけ鋭く感じる。

そもそもi-modeに始まったケータイ・メールのおかげで
諸外国では考えられないほどに無内容のメールが飛び交ってるそうだ。
たしかに今の大学生相手に少し内容のあるメールを送ったりすると
途端に反応が鈍い。下らないメールの方がクイツキがよい。

日本人はおそらくまた独自の方向性を持ってしまったのではないか。

そのキーワードを「ケータイ」に置いて解き明かしている本だ。

ただこの人のクセのようだけど
最終章に入るといきなり専門用語などが飛び交う。
おそらく原稿の制限枚数に納まらない程の主張があって
結論まで行き着くにあたり
「わかりやすく」書いている余裕が無くなったんじゃないだろうか。

そういう部分を割り引いてもオススメであることは揺るがない。

この人は多作なので他の本も読みたくなっているところだ。
父親力―母子密着型子育てからの脱出
人間性の進化史―サル学で見るヒトの未来
二人目の母親になっている日本の男たち
いじめを許す心理

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ruminn_master at 2005年11月06日 23:08 【書】ケータイを持ったサル=考えないヒトコメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加


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