2005年12月14日
【思】感情論でなく・・・
「もっと厳しく追及すべきだ」
「責任逃れに怒りを感じる」
なんて評論家の論調や被害者の意見がワイドショーで見られた。
今朝の国会の証人喚問だ。
なんだかおかしいと思う。
この個人を責めて「気が済む」ことにどれだけの意味があるのか。
トカゲの尻尾切りの危険が極めて高い複雑な仕掛けの悪事。
「無知に付け込む」「心の弱さに付け込む」阿漕な商売、
問題が生じてない時は「やり手」で「優秀」などと持ち上げられ
そのやり方でのし上がった奴らが上に居るのだ。
建築士みたいな技術者は文字通りの枝葉末節の建築業界。
ことは構造的なビジネスの在り方まで及ぶヤヤコシイ話。
いっそ、この個人を免責してでも
事案の真相を解明するための手掛かりを得るべきであって
この個人が土下座したとて、誰かの「気が済む」以上の効果は無いはずだ。
質問者は慎重に言葉を選んで、彼の口を開かせなければならない。
「もっと厳しく追及すべきだ」って意見は
拷問でもしかねない時代劇の火盗改め並みのセンスに思う。
公開処刑を求めるなら古い人民中国と同じだ。
大衆が吊し上げを求めるのはありがちだし
視聴率稼ぎのマスコミとしてはありそうだけど
国会での証人喚問は国政調査権の行使、
再発防止のために事実を明らかにして
必要な立法的・行政的手当てを考える前提作業に過ぎない。
反省の言葉を促すような質問をしてる議員も居たが
選挙民へのパフォーマンスじゃないかと疑った。
被害者とていちいち謝罪を求める感情的態度より
事案の真相を明らかにすることを理性的に選択すべき場合なのだ。
上に眠る巨悪を許してはならない。
トカゲの尻尾切りの余地を与えてはならない、
それが最重要課題じゃなかろうか。
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「鉄筋減らせと圧力」 木村建設元支店長名指し
耐震強度偽装問題で、衆院国土交通委員会は14日午前、構造計算書を偽造した姉歯秀次元1級建築士(48)を証人喚問した。姉歯元建築士は、きっかけについて木村建設の篠塚明元東京支店長(45)を名指しして「鉄筋量を減らすよう言われた」と証言、木村建設側の違法な指示が原因と指摘した。
姉歯元建築士は「これ以上の削減は無理と(篠塚元支店長に)何度も伝えたが『予算に合わないからやり直してくれ』と言われた。違法をしてまでもの(要求)と感じた」と述べた。
指示に従ったことについては「仕事の90%を木村建設から請け負っており、鉄筋量を減らさないと仕事を一切出さないと言われた。生活ができない状態となるのでやむを得なかった」と説明した。
また偽造を始めた時期は1998年ごろで、件数は東京都大田区のマンション「グランドステージ池上」を最初に合計60件前後だったと述べた。国土交通省のまとめでは偽造は71件に上っている。
(共同通信) - 12月14日12時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051214-00000093-kyodo-soci
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もともと一人が反省したからと言って
金銭賠償すら能力を超えるのだから。
非難は刑事司法の場で加えられること、
民事賠償とて非難ではなく「損害の公平な分担」を図る場だ。
ムードに流されて「非難しやすい個人」を吊し上げするのは誰か。
大衆を煽るのがマスコミだとすれば
被害者の実名報道規制ももっともだ、
と思わせるマスコミの醜態がそこに有るように思う。
大勢が熱くなるべく煽った方が視聴率は取れるのだろうけど
必要とされる報道機関の在り方ではないように考える。
俺は映像を見て
「へ〜覚悟して出てきてる顔だな」
「身辺整理みたいな空気だね」
「自殺とかしなきゃいいけど」とか感じた。
責めやすい個人に石礫をぶつけて「気が晴れる」
そんな無意味で逆効果なことに躍起になるのではなく
難攻不落の構造的悪事を「イライラしながら」
トコトン追究して大きな悪いヤツを引っ張り出すべきだし
再発防止の法制度や人的制度を考える場合なのだと思う。
マスコミの論調が一方向になってる場合には、
警戒して、もう一度理性的に見直して考えるべきだと考える次第。
--
欠陥マンションの作り方―凄まじい建設業界の裏側
日本の建設産業―知られざる巨大業界の謎を解く
「責任逃れに怒りを感じる」
なんて評論家の論調や被害者の意見がワイドショーで見られた。
今朝の国会の証人喚問だ。
なんだかおかしいと思う。
この個人を責めて「気が済む」ことにどれだけの意味があるのか。
トカゲの尻尾切りの危険が極めて高い複雑な仕掛けの悪事。
「無知に付け込む」「心の弱さに付け込む」阿漕な商売、
問題が生じてない時は「やり手」で「優秀」などと持ち上げられ
そのやり方でのし上がった奴らが上に居るのだ。
建築士みたいな技術者は文字通りの枝葉末節の建築業界。
ことは構造的なビジネスの在り方まで及ぶヤヤコシイ話。
いっそ、この個人を免責してでも
事案の真相を解明するための手掛かりを得るべきであって
この個人が土下座したとて、誰かの「気が済む」以上の効果は無いはずだ。
質問者は慎重に言葉を選んで、彼の口を開かせなければならない。
「もっと厳しく追及すべきだ」って意見は
拷問でもしかねない時代劇の火盗改め並みのセンスに思う。
公開処刑を求めるなら古い人民中国と同じだ。
大衆が吊し上げを求めるのはありがちだし
視聴率稼ぎのマスコミとしてはありそうだけど
国会での証人喚問は国政調査権の行使、
再発防止のために事実を明らかにして
必要な立法的・行政的手当てを考える前提作業に過ぎない。
反省の言葉を促すような質問をしてる議員も居たが
選挙民へのパフォーマンスじゃないかと疑った。
被害者とていちいち謝罪を求める感情的態度より
事案の真相を明らかにすることを理性的に選択すべき場合なのだ。
上に眠る巨悪を許してはならない。
トカゲの尻尾切りの余地を与えてはならない、
それが最重要課題じゃなかろうか。
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「鉄筋減らせと圧力」 木村建設元支店長名指し
耐震強度偽装問題で、衆院国土交通委員会は14日午前、構造計算書を偽造した姉歯秀次元1級建築士(48)を証人喚問した。姉歯元建築士は、きっかけについて木村建設の篠塚明元東京支店長(45)を名指しして「鉄筋量を減らすよう言われた」と証言、木村建設側の違法な指示が原因と指摘した。
姉歯元建築士は「これ以上の削減は無理と(篠塚元支店長に)何度も伝えたが『予算に合わないからやり直してくれ』と言われた。違法をしてまでもの(要求)と感じた」と述べた。
指示に従ったことについては「仕事の90%を木村建設から請け負っており、鉄筋量を減らさないと仕事を一切出さないと言われた。生活ができない状態となるのでやむを得なかった」と説明した。
また偽造を始めた時期は1998年ごろで、件数は東京都大田区のマンション「グランドステージ池上」を最初に合計60件前後だったと述べた。国土交通省のまとめでは偽造は71件に上っている。
(共同通信) - 12月14日12時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051214-00000093-kyodo-soci
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もともと一人が反省したからと言って
金銭賠償すら能力を超えるのだから。
非難は刑事司法の場で加えられること、
民事賠償とて非難ではなく「損害の公平な分担」を図る場だ。
ムードに流されて「非難しやすい個人」を吊し上げするのは誰か。
大衆を煽るのがマスコミだとすれば
被害者の実名報道規制ももっともだ、
と思わせるマスコミの醜態がそこに有るように思う。
大勢が熱くなるべく煽った方が視聴率は取れるのだろうけど
必要とされる報道機関の在り方ではないように考える。
俺は映像を見て
「へ〜覚悟して出てきてる顔だな」
「身辺整理みたいな空気だね」
「自殺とかしなきゃいいけど」とか感じた。
責めやすい個人に石礫をぶつけて「気が晴れる」
そんな無意味で逆効果なことに躍起になるのではなく
難攻不落の構造的悪事を「イライラしながら」
トコトン追究して大きな悪いヤツを引っ張り出すべきだし
再発防止の法制度や人的制度を考える場合なのだと思う。
マスコミの論調が一方向になってる場合には、
警戒して、もう一度理性的に見直して考えるべきだと考える次第。
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日本の建設産業―知られざる巨大業界の謎を解く