2006年09月27日

【食】うなぎの伊勢定(東京大丸店) 4

高野山〜熊野三山〜伊勢神宮という
「ありがたい」神社仏閣めぐりのようでいて、
結局は海鮮を堪能できたという
「ばちあたり」な旅(笑)から東京駅に着いたのが夜の7時頃。

重たい荷物を背負ってあまりウロウロはしたくないので東京駅のエリア内で夕食を、と考える。

肉料理に飢えて居る身、
八重洲地下街でワリとよく行く豚しゃぶ屋「角や」を訪れたが丁度夕食時間帯のためか満席。
〜厳密には別のエリア「キラピカ通り」に属するらしいが、「ラーメン激戦区」に隣接してる〜
(この店って多業態展開のフードチェーンデリシャスリンクの一店なのね)


う〜ん、和洋中だと和食なんだよなぁ、ってクチになってたので散々悩んだ挙げ句、魚は魚でも川魚、鰻屋に行くことにした。

となるとこのエリアだと東京大丸の8階に有る鰻の老舗(といっても支店だけど)。

日本橋 うなぎ 伊勢定(リンク先は本店)
060927伊勢定店舗外観


ここも何度か来てるけど、まぁ美味い方。

でもデパート出店の外店だからなのか
サービスの方は客の回転を上げようとスピード重視の合理性追求の感が有る。

今回も
着席時に生ビールとうざく煮凝りう巻きを注文、
(肝焼、肝煮は売り切れていた)
それと鰻重を頼んだのだが、
う巻きより先に鰻重を持ってきたので少々モメた。

この店は高級店の部類。
自分の頼んだ鰻重は6ランクの上から2つ目、
」で3,990円(肝吸い付)、
同行者は小食だったので一番下の「」だが
それでも肝吸い無しで1,890円する。
肝吸いは鰻重に欠かせないと思うので別注、
つまりは一番安いのでも2,100円する鰻屋となる。
(価格はHP参照による本店のもの。以下同じ)

これだけの値段を取る以上は「真っ当な」店でなければ許されない。

「真っ当な」鰻屋なら
一緒に受けたオーダーの組み立てを読んで、
酒を飲んでる客への鰻重のタイミングは
酒の肴を出して、一呼吸置いてから出すべきだ。


本式なら割き立て・焼き立ての鰻を使う鰻重が一番時間が掛かるので、
自然とそうなるハズが故の鰻屋の心得に思う。
一から割いてるとは思わないけど
それが鰻屋における店と客の在り方だ。

「鰻重は、いつお持ちしましょうか」とか
う巻きに特別に時間が掛かるのなら
(そうとも思えないが)
「先に鰻重をお出ししても宜しいですか」とか聞くのが「真っ当な」接客態度である。

フロアにその疑問を伝え、
鰻重う巻きが出されるまで蓋を閉じたまま一切箸を付けなかった。

ので下の写真は、残念ながら「少し冷めた鰻重」となる。

伊勢定うな重「桜」
060927伊勢定重箱外観
060927伊勢定うな重「桜」


うざく(998円)、煮凝りう巻き(1,260円)も鰻を贅沢目に使っている。
う巻きは少々卵焼きの部分が甘かったが、これは関西と関東の好みの違いとも言えるので、まぁそんなもの。

鰻重のこの鰻もなかなかいい。

伊勢定の鰻はタレが甘過ぎないので素材が生きている。

そのおかげで判ったのが「松」と「桜」の大差。

鰻の大きさの違い+α、
という程度だろうと思っていたが
同行者が小食なため「松」も少し食べてみて驚いた。
まったく別物といえるレベル。

安い「松」の方でも
「普通の江戸鰻の旨い奴」とは言える。
脂が乗っていて香ばしさと膨らみが同居して「いかにも」江戸の鰻料理だ。

しかし

高い「桜」の方は
身が分厚いのはもちろん、
脂は十分に乗っているのだけど脂っこさはあまり感じさせず、
その分、魚としての旨味が抜群に強い。
ふっくらとした白身魚の風味である。
旨味は芯の通った強いもので、脂ではなく旨味で満腹になる。

伊勢定の鰻は養殖物だそうだけど
「松」と「桜」じゃ産地すら明確に区別しているんじゃなかろうか。
違う客層に対する料理のつもりで出しているのだろう。

しかし・・・
こんなに味のタイプが違うのに
メニューに違いを一切書いてないのは不親切極まりないなぁ。。。
(やっぱりそういう悩みを書いてるBlogも有るね)

落語の『目黒のさんま』よろしく鰻料理にとって脂の乗っていることはマイナスではない。
むしろそれを求めて鰻を食べる人間だって少なくないはずだ。
だから
」タイプを
「脂の乗った上質の鰻を熟練の技でふっくらと仕上げました」
」タイプを
「脂っこいのは苦手だけど旨い鰻を食べたい方に」
とか
客が選択する目安になるような宣伝文句の一つでも
メニューの名前と値段の下に書き添えて欲しい気がする。

どっちも美味いけどね。


ユーザーフレンドリーというか、客のことを第一に考える姿勢というか、そういうのがねぇ。。。

東京の高級料理店や老舗にありがちなんだよね、こういう面が欠けてるの。

「旨けりゃいいだろう」とか「判る客だけ来ればいい」なんて店を、低姿勢で甘やかす客が多いのが問題なのかなぁ、なんてことも思う。
(自分みたいにすぐに噛みつくのもどうかと自省はするけど(笑))


まぁ自分は「桜」だったし、味に文句は無いです。

ただ関西の料理屋の末裔からすると、老舗の矜持、あるいはサービス精神が足りないと思えるだけ。

気にしなければ悪い店じゃないよ。

ruminn_master at 2006年09月27日 19:27 【食】うなぎの伊勢定(東京大丸店)コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加


銀座・新橋〜東京界隈 | 丼モノあれこれ

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