2008年01月05日
【食】すっぽん料理の大市
今回の京都旅行のメインがコレだった。
年末年始のツアーはいずれも正月料金で馬鹿高い。
ならば安いプランにした上でその分を美味いもんに回そう、と。
「美味しんぼ」でも登場するコークスで炊き上げる○鍋の店がココである。
ずいぶんと昔、親戚が入院して流動食しか入らなかったときに、魔法瓶にココのスープを詰めて病院に持ち込んで飲ました、と母親が昔から語っていた。
メニューは1種類。1人前が2万3千円。
すっぽん料理 大市 (だいいち)
・店舗HP
・食べログ
たった1つのコースの内容は
・先付:すっぽんの肉のしぐれ煮
・本料理(1回目):○鍋
・同 上(2回目、但し1人客だと無し)
・雑炊
・香物
・水物:季節の果実
たったこれだけである。他の酒肴も何も無い。
それで23000円。
追加は「本料理」と雑炊のみ、
つまり○鍋を何回でも出すだけ。
それが9450円〜。
とても強気なお店ですな。
予約してあったので部屋に通されると既にセット済み。
記念品でもあるという布巾を取ると一式。
まぁメニューがシンプルだからね。
正月らしい生け花とか飾られてたけど、部屋の掛け軸やらも全て「すっぽん」、一筋って凄いよね。自信が感じられる。
さて始まり始まり。
・先付:すっぽんの肉のしぐれ煮
ホント京都人ってこういう味好きですな。
ビールにも日本酒にも合います。
・本料理(1回目):○鍋
コークスで煮え立った土鍋が運ばれてきて、1回目は仲居さんが取り分けてくれます。
まず身、というか具。
爬虫類は鳥類と近いから当然だけど、上等な地鶏に近い風味の肉、そして甲羅の縁側のゼラチン質、ふくらみのある味の肝など各部位一式が1人前らしい。
そして何よりも美味いのがスープ。
たしかにこういうのを「筆舌に尽くし難い」味っていうんだと思います。
イイ色だよねぇ。
取り分け終わって仲居さんが引き上げた後には肉が一切れと少しスープが残った土鍋。
「遠慮の固まり」なんかではなくて(笑)、余熱で蒸発するのを見越してスープを残してる訳で、いわば「鍋のため」、一切れの肉は「お愛想」かな。
・本料理(2回目)
今度は持ってくるだけ持ってきて「客におまかせ」です。
煮上がってから持ってきてるのだし、野菜も何も入ってないから、肉とスープを好みで食すだけです。
そうそう、熱燗が合いそうだな、と1枚目が来た時に頼もうとしたら既に1本持ってきてたので、1本はコースの内なのかも知れませんが、仲居さんに勧められるスッポンのスープを熱燗で割るという味わい方は抜群の美味さです。
美味すぎて何杯でも飲める。イケナイ味です(笑)。
・雑炊
これが食いたくてスッポン料理が有るとも言われる「○雑炊」。これも茶碗1杯ずつは取り分けてくれます。
シンプルに一つ白餅が入った卵とじのスッポン雑炊ですが、たしかにとても美味い。
そして「お気持ちは判りますが、おこげはあまりこそげないでください」と念を押されます(笑)。
そう、この店は「鍋が財産」、コークスの熱に耐えられる土鍋、味の染み出るような土鍋に育てるのに「鍋慣らし」から年季が入ってますので鍋を痛めるようなコトは御法度な訳です。
下品な客ならやるだろうな、とか思うと、価格設定が高い(それでも東京のエラソウな店よりは安いみたいだけど)のも「客を選ぶ」ためなのかもと思います。
浜名湖で養殖したスッポンらしいし、素材的にもそこまで高いとは思えないものね。
あと・香の物
上等の「すぐき」です。
そして・水物:季節の果実
そのまんまです(笑)。
これ2人前で2個だから、1人前の内訳としてはミカン1個ね。
まるで落語の「千両みかん」の気分かも(笑)。
以上。
たしかに美味かったぁ〜!
悔しいけど高いだけのことはあります。
東京の下町で普通の水炊きにしたスッポンを食ったこともあるけど、あれはちっとも美味しいモノではなかった。心臓とか生き血のワイン割りとか面白かったけどね。
ここはそういう変化球みたいなのは一切有りません。
直球勝負だよねぇ。
ただ「高くて美味いのは当たり前」というのが関西の「才覚」の基準線だと考えると、やっぱり少々引っ掛かるけどさ。
たしかに値段以上の満足感は有るけど、食いモンに常々金を使う自分にしても少々もったいないラインだと思う。
そもそもスッポンが高価なのは精力剤として珍重された歴史という根拠薄弱で非科学的な背景によるのだからねぇ、安くしてもいいんじゃないのかなぁ。
味のワカラン金持ちだけのモノとするには料理文化として完成された芸術品なのだから。
でも・・・
(評価自体が揺らぐのは美味さに負けてる訳で(笑))
一度はここのを食った方がいいと思います。
味の判る(という自信のある)人だけだけどね。
--
ふぐの調理技術すっぽんの調理技術
料理屋の鍋もの
年末年始のツアーはいずれも正月料金で馬鹿高い。
ならば安いプランにした上でその分を美味いもんに回そう、と。
「美味しんぼ」でも登場するコークスで炊き上げる○鍋の店がココである。
ずいぶんと昔、親戚が入院して流動食しか入らなかったときに、魔法瓶にココのスープを詰めて病院に持ち込んで飲ました、と母親が昔から語っていた。
メニューは1種類。1人前が2万3千円。
すっぽん料理 大市 (だいいち)
・店舗HP
・食べログ
たった1つのコースの内容は
・先付:すっぽんの肉のしぐれ煮
・本料理(1回目):○鍋
・同 上(2回目、但し1人客だと無し)
・雑炊
・香物
・水物:季節の果実
たったこれだけである。他の酒肴も何も無い。
それで23000円。
追加は「本料理」と雑炊のみ、
つまり○鍋を何回でも出すだけ。
それが9450円〜。
とても強気なお店ですな。
予約してあったので部屋に通されると既にセット済み。
記念品でもあるという布巾を取ると一式。
まぁメニューがシンプルだからね。
正月らしい生け花とか飾られてたけど、部屋の掛け軸やらも全て「すっぽん」、一筋って凄いよね。自信が感じられる。
さて始まり始まり。
・先付:すっぽんの肉のしぐれ煮
ホント京都人ってこういう味好きですな。
ビールにも日本酒にも合います。
・本料理(1回目):○鍋
コークスで煮え立った土鍋が運ばれてきて、1回目は仲居さんが取り分けてくれます。
まず身、というか具。
爬虫類は鳥類と近いから当然だけど、上等な地鶏に近い風味の肉、そして甲羅の縁側のゼラチン質、ふくらみのある味の肝など各部位一式が1人前らしい。
そして何よりも美味いのがスープ。
たしかにこういうのを「筆舌に尽くし難い」味っていうんだと思います。
イイ色だよねぇ。
取り分け終わって仲居さんが引き上げた後には肉が一切れと少しスープが残った土鍋。
「遠慮の固まり」なんかではなくて(笑)、余熱で蒸発するのを見越してスープを残してる訳で、いわば「鍋のため」、一切れの肉は「お愛想」かな。
・本料理(2回目)
今度は持ってくるだけ持ってきて「客におまかせ」です。
煮上がってから持ってきてるのだし、野菜も何も入ってないから、肉とスープを好みで食すだけです。
そうそう、熱燗が合いそうだな、と1枚目が来た時に頼もうとしたら既に1本持ってきてたので、1本はコースの内なのかも知れませんが、仲居さんに勧められるスッポンのスープを熱燗で割るという味わい方は抜群の美味さです。
美味すぎて何杯でも飲める。イケナイ味です(笑)。
・雑炊
これが食いたくてスッポン料理が有るとも言われる「○雑炊」。これも茶碗1杯ずつは取り分けてくれます。
シンプルに一つ白餅が入った卵とじのスッポン雑炊ですが、たしかにとても美味い。
そして「お気持ちは判りますが、おこげはあまりこそげないでください」と念を押されます(笑)。
そう、この店は「鍋が財産」、コークスの熱に耐えられる土鍋、味の染み出るような土鍋に育てるのに「鍋慣らし」から年季が入ってますので鍋を痛めるようなコトは御法度な訳です。
下品な客ならやるだろうな、とか思うと、価格設定が高い(それでも東京のエラソウな店よりは安いみたいだけど)のも「客を選ぶ」ためなのかもと思います。
浜名湖で養殖したスッポンらしいし、素材的にもそこまで高いとは思えないものね。
あと・香の物
上等の「すぐき」です。
そして・水物:季節の果実
そのまんまです(笑)。
これ2人前で2個だから、1人前の内訳としてはミカン1個ね。
まるで落語の「千両みかん」の気分かも(笑)。
以上。
たしかに美味かったぁ〜!
悔しいけど高いだけのことはあります。
東京の下町で普通の水炊きにしたスッポンを食ったこともあるけど、あれはちっとも美味しいモノではなかった。心臓とか生き血のワイン割りとか面白かったけどね。
ここはそういう変化球みたいなのは一切有りません。
直球勝負だよねぇ。
ただ「高くて美味いのは当たり前」というのが関西の「才覚」の基準線だと考えると、やっぱり少々引っ掛かるけどさ。
たしかに値段以上の満足感は有るけど、食いモンに常々金を使う自分にしても少々もったいないラインだと思う。
そもそもスッポンが高価なのは精力剤として珍重された歴史という根拠薄弱で非科学的な背景によるのだからねぇ、安くしてもいいんじゃないのかなぁ。
味のワカラン金持ちだけのモノとするには料理文化として完成された芸術品なのだから。
でも・・・
(評価自体が揺らぐのは美味さに負けてる訳で(笑))
一度はここのを食った方がいいと思います。
味の判る(という自信のある)人だけだけどね。
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ふぐの調理技術すっぽんの調理技術
料理屋の鍋もの