2009年05月27日

【酒】KIRIN ビールづくり体験教室(生麦ビアビレッジ) 5

キリンビール横浜工場 (KIRIN_キリン横浜ビアビレッジ)で行われている「ビールづくり体験教室」というイベントに参加。

b00外観
b01チラシ

ここは何度か工場見学に来ていて、一昨年来た折もその体験教室の作業風景を見掛けたので気になってたんだけど、4〜6人単位のグループじゃないと申し込めないこと、そして異常なまでの競争率で何年も落選し続けてる人も居るというほどの人気イベントということで半ば諦めていた。

今回、サンケイリビングで抽選のツアー企画が有ったので申し込んだら偶々当たった次第。

「当たった」と言っても有料ツアーなんだけど、もともと4人グループ申込で1人3500円、6人グループで2800円のところ(それは1グループ当たりの仕込量が決まってるから完成品の割り当て本数が違う故の価格差だと思われる)、大差のない料金だったのでやっぱり凄く得した気分でした。

基本的に広報活動らしく採算度外視という感じのサービスイベントのようです。

タイムスケジュール(進行予定)

09:30 ガイダンス(座学)

通常はグループ単位のイベントなので作業チームもグループ毎なんでしょうが、今回は個人参加の団体ツアー扱いと言うことで、6人ずつ6班の班分けが告げられ、オーストリアのビール文化についてのビデオ1本と、後は本日の体験教室のタイムスケジュールの概略説明など。
この体験教室、本来ならグループ毎に造るビールを5種類の中から選べる。
・黒タイプ(濃色系:すっきり、キレ良し/ドイツ・バイエルン地方)
・赤タイプ(濃色系:軽快、口当たり良し/オーストリア・ウィーン地方)
・ボックタイプ(淡色系:コク、喉越し良し/ドイツ・バイエルン地方)
・ピルスナータイプ(淡色系:芳醇、まろやか、喉越しよし/チェコ・ボヘミア地方)
・横浜ビアザケ(淡色系:ボックとピルスナーの中間/チェコ・ボヘミア地方)

なんだけど、今回は見ず知らずのツアー客の寄せ集めということで、製作タイプは全班横浜ビアザケに。

この横浜ビアザケは日本の工業ビールのルーツ、横浜で起業された醸造所「スプリング・バレー」構内のビアレストランの名にもなってるを起こしたウィリアム・コープランドが明治時代に作ったビールを再現したようなもの。前述の構内レストランでも初夏だけの限定生産。
横濱ビアザケ


KIRIN_キリン横浜ビアビレッジ_シーズンビール(販売予定期間:5月下旬〜6月下旬)

横浜ビアザケ

いにしえの文明開花当時の味を再現

●アルコール分:5.0%
●オールモルトビール
●下面発酵淡色ビール

明治時代に横浜で醸造されたビールは「横浜ビアザケ」と呼ばれていました。その当時をほうふつとさせる麦芽香、ホップ香、苦味の効いたオーソドックスなピルスナータイプのビールです。飲んだ直後に感じる強い苦味と、芳醇な味に多くのファンを持っているビールです。
KIRIN_キリン横浜ビアビレッジ_シーズンビール


10:30 仕込み体験(午前の部)
(作業の流れが見えなくなので纏めて後述)
13:20 ランチ、その後工場見学
 この部分は別記事にて。食事代も体験コース料金の中に含まれてチャンと構内のレストランKIRIN_ビアポートで当地限定生ビール「スプリングバレー」とランチセット(今日はハンバーグ)が出された。さすが広報活動の一環と言うべきなのか、とても美味かったです。
 一昨年ここでランチ食ったときより美味かった気がする(笑)。

15:00 仕込み体験(午後の部)
(作業の流れが見えなくなので纏めて後述)
16:00 作業終了&乾杯
6週間後、仕込んだ麦酒が届く
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「横浜ビアザケ」仕込体験

ビール造り体験教室001

実習場の各班には大きな寸胴鍋の掛かったガスコンロが3台、濾過器1台とその他モロモロが置かれています。
 寸胴二つは空っぽ、残り一つには50℃に保たれたお湯がタップリ準備されています。

ビール造り体験教室002

ビールはいきなり生麦から造る訳ではありません。

生麦には麦茶に適した六条大麦もあれば、ビールに適した二条大麦もあります。

その二条大麦にも様々有るし、生産国によっても味は違ってきます。

生の大麦に水分を与えて発芽させることで「麦芽」となり、その中に含まれる糖分が酵母菌の働きでアルコールと炭酸ガスへと変わることで「ビール」となる仕組みです。

発芽した「麦芽」を乾燥させる過程の違いが大きな色や風味の違いを生みます。

50℃での低温乾燥設備を「キルン」と言い、このビアビレッジのシンボルになっています。

b02aマーク

その昔はこの煙突から流れる香ばしく甘い香りで近隣の学校の生徒は食欲を掻き立てられたらしい。

既にこの製麦工程は他の工場で一括して行われていてこの横浜工場ではキルン自体は有りませんが、シンボルとして工場のデザインに取り入れられているとのこと。

b02bキルン

低温乾燥のままで80℃ぐらいで乾燥終了したのが、よく耳にする「ピルスナー麦芽」です。

その他乾燥工程の違いで、「ウィンナー麦芽」「クリスタル麦芽」「カラメル麦芽」「ブラック麦芽」となり、220℃で過熱乾燥したものは「ロースト大麦」と呼ばれます。これら高温で乾燥させた麦芽には色とロースト香が付き、それが赤ビールや黒ビールの色と風味の元となっていきます。

ビール造り体験教室003
ビール造り体験教室003b

1.麦下ろし
本日作る「横浜ビアザケ」に用いられる麦芽の配合は
イギリス、カナダ、ドイツの「ピルスナー麦芽」のみ各1400gずつ、合計4200g。
これに50℃のお湯を14リットル加えて均一に馴染ませる行程から始まります。

ビール造り体験教室004

50℃に保って15分。
その後15分掛けて65℃に上昇させます。つまり1分1度の上昇を管理します。

作業は温度管理と時間管理。具体的にはコンロの火加減と掻き混ぜる速度で温度を調整します。

2−a.醪の糖化その1(蛋白休止)
そして65度で5分間馴染ませた後、アルコールを作るための醪と風味を作るための醪に6対4で分離します。

それは酵母がエサに出来る糖類は種類が限られており、それは分子構造として小さいカテゴリーの糖類、そこで、アルコールの元となる=酵母が食べれる糖類を十分に作るためには麦芽に付いてる酵素が十分に働く温度を十分な時間保ってやらなければいけない、他方で複雑な構造の糖類には風味や旨味が多く、それはそれで欲しい。そこで2つに分けるのです。

このやり方をデコクション法といいコクの有るビールを作るのに向いています、他方スッキリしたビールを造る場合にはあえて分離せずに徐々に温度変化させ糖化するインフュージョン法が向いています。

今回の「横浜ビアザケ」にはデコクション法が向いており、だから2つに分けるということです。

2−b.醪の糖化その2(糖化休止)

基本となる醪は酵素の存分に働く65℃を維持して、でんぷんを糖に完全に分解させます。

ビール造り体験教室006

2−c.醪の糖化その3(醪下し、MP煮沸)

醪の一部を高温で煮沸して原料のコク味を十分に引き出すと同時に、酵素を失活させます。

ビール造り体験教室005

2−d.醪の糖化その4(醪移し、糖化終了)

2つに分けていた醪を一つに合わせます。

ビール造り体験教室008

その間に濾過槽の洗浄などの準備が同時進行。

ビール造り体験教室007

3−a.麦汁濾過(一番搾り)

醪を濾過槽に入れ、フィルターを通してポンプで吸い上げます。この過程で出来る麦汁が「一番搾り」で、これだけで作ったのがキリンの「一番搾り」という訳。

ビール造り体験教室009
ビール造り体験教室010
ビール造り体験教室011
ビール造り体験教室012
ビール造り体験教室013

大体の糖度をチェックして次のダンドリを調整します。

3−b.麦汁濾過(二番搾り)

一番搾りだけではコクや旨味はかなりの部分醪に残っていますので、さらに湯を足して搾り取ったのが二番搾り。

4.ホップ添加

麦酒の魂ともいうべきホップ。といってもアルコール発酵に関わっている訳ではなくて、あの独特の香りと苦み、そして泡を生み出す素材。

ビール造り体験教室014a
ビール造り体験教室014b

昔は原料の植物のまま投入していたそうですが、手間の掛かる廃棄物が増えるだけなので別行程にされて必要な部分だけが分離されペレット状になっています。

ビール造り体験教室014c

最初にホップを投入するセレモニーを「ホップ添加式」と言って特別なモノだそう。なのでみんなでやったりしました(笑)。

ビール造り体験教室014d

5.麦汁煮沸

麦汁を煮沸させながらホップを小分けに投入して十分に麦酒の風味を作っていきます。

(といってもココの作業は醸造技術員の先生方が我々が昼飯食ってる間にやっといて下さいます。きっと細かい不具合はここで修正されてたりするんじゃなかろうか(笑))

この行程の途中で食事と工場見学から作業場へ戻ってきましたが、発酵瓶などが既に準備されていました。

ビール造り体験教室101

煮沸もかなり進んでいます。

ビール造り体験教室102

他方で麦汁冷却用の装置を準備します。

ビール造り体験教室103

昔縁日で生ビール屋のバイトをしたときにこんな冷却器使ったね。
 これで冷やすと美味いんだ(笑)。

6.麦汁清澄、冷却、糖度調整

麦汁の最終糖度を正確に計って調整します。

ビール造り体験教室104
ビール造り体験教室105
ビール造り体験教室105b
ビール造り体験教室105c

麦汁をかなりの高速で攪拌して不純物を沈殿させ、上澄みをポンプで吸い上げます。

ビール造り体験教室106
ビール造り体験教室107
ビール造り体験教室108
ビール造り体験教室109
ビール造り体験教室110

ココでチョット試飲。

ビール造り体験教室111

もちろんアルコール発酵前なのでただの麦芽ジュースですが、この体験教室では行程の途中で何度か試飲しているので、「徐々に麦酒に近付いている」ということが実感できます。

ビール造り体験教室112


麦汁の上澄みを採った後にはタンパク質など不純物が堆く沈殿しています。

ビール造り体験教室113

キリンビールは環境対策で工場の製作過程ではリサイクルが進んでいるそうですが、さすがにこんな体験教室までは含まれないようで、なんとなくモッタイナイけど捨ててしまうものです。

さて、いよいよアルコールへの道。

ビール造り体験教室114

7.酵母添加

酵母は何度も使える微生物だそうで、以前に働いて沈殿した酵母を集めてまた働かせます(笑)。

ビール造り体験教室115

 この教室で作っているのは低温でジックリとアルコール発酵させる下面発酵なので麦汁の中の糖分を食べてアルコールに変えた満腹の酵母は沈殿して眠っているようなものらしい。

ビール造り体験教室116

この段階になると加熱殺菌は出来ませんから消毒用アルコールで器具などを消毒しながら注意深く作業は進行します。

酵母に十分な酸素を与えるために熱帯魚の水槽に付けるようなポンプでエアレーションして自分たちの目の前での作業はほぼ終了。

ビール造り体験教室117

使った道具を綺麗に洗浄、後片づけします。

でも先生達の方が大変ですな、ここから。

8.発酵、熟成、最終濾過
ここから先は「お預け」しておいて醸造技術員の先生方にやって貰う形になります。

ビール造り体験教室118

 1週間で「若ビール」、その後一ヶ月ほど熟成してから酵母等を濾過して瓶詰めされ手元に送られてくる訳です。


今回の「体験教室」、この後は製品のキリンビールを味わいながらのアンケート記入など。

f01お疲れビールチケット
f02お疲れビール01
f03お疲れビール02

あとは待つのみ。

あ、「認定証」貰えました。

b03認定証

もちろん何か社会で役に立ったりはしませんが(笑)、まぁ記念写真という訳で、ホント至れり尽くせりの体験教室です。

立ち仕事なので足は棒になったけど(笑)、かなり面白い体験。

徒や疎かにビールが飲めなくなりました(笑)。

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<<6週間後、完成したビールのハナシ(追記)>>

2009年07月11日 21:44 【酒】横浜ビアザケ到着

ruminn_master at 2009年05月27日 15:52 【酒】KIRIN ビールづくり体験教室(生麦ビアビレッジ)コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加


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