2010年01月30日

【映】おとうと初回上映と初日舞台挨拶 5

「ディアドクター」でも「演技っちゅうよりキャラやん」とか思ったけど(笑)、「あのキャラ」が自然に活きるシナリオや演出もやっぱり凄いんだし、素直に出せる鶴瓶師匠も立派、というかやっぱりだんだん上手くなってきてますな(笑)。

思えば鶴瓶さんの師匠、六代目松鶴師匠がテレビ「どてらい男」に出てたのを子供の頃見てたけど、今思い出しても、というか思い出せるほどに「あのキャラ」が活きていた、「あのキャラ」が愛される、それが「笑福亭」のある意味「お家芸」なんじゃないかと思います。

舞台挨拶には吉永小百合さん、蒼井優ちゃん、石田ゆり子さん〜この「さん」と「ちゃん」の使い分けは何ででしょうね(笑)、なんとなく雰囲気で。〜といった女優さんが並ばれてましたが、何を置いても吉永小百合さんはお美しい。ずいぶん昔に早稲田での平和集会で詩の朗読に出てこられたのをお見かけして以来ですが、オーラだけでなく可愛さもある不思議な大女優さん。
 石田ゆり子さんは背が高くてすらりと美しい華。蒼井優ちゃんは旬の命の可愛さですな。

上方落語の「らくだ」を思わせるような大阪で言う「ごんたくれ」、腹立たしいほどの行状の数々、それでいてどこか憎めない部分の残る「おとうと」鶴瓶を懸命に庇い赦す小百合姉を通して描かれる社会と家族と人の心。

これ以上の映画の中身はネタバレになるので最後の方にチョコッとだけ。

でもある意味「家族」の日常を描いただけとも言える2時間程の上映時間が長く感じないほどに丁寧な情感描写はさすがの山田洋次監督作品、「面白い映画」というよりやっぱり山田洋次監督作品ならではで「笑わせておいて最後に泣かせる」ような日本的な「いい映画」だと思います。


「映画の日」(映画ファン感謝デー)に見ようかと思っていた笑福亭鶴瓶と吉永小百合主演の映画「おとうと」、初日初回の舞台挨拶のチケットが入手できたので朝イチに丸の内ピカデリー1へ。

おとうと00

映画「おとうと」公式サイト
『おとうと』初日舞台挨拶が行われました! | インフォメーション | 映画『おとうと』オフィシャルチャンネル - オフィシャルチャンネル
吉永小百合「監督を胴上げしたい」 山田洋次監督、日本人3人目のベルリン映画祭特別功労賞受賞
1月30日12時50分配信 オリコン

 『男はつらいよ』シリーズの山田洋次監督が10年ぶりに手がけた現代劇、映画『おとうと』が30日、公開初日を迎え、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで主演の女優・吉永小百合、落語家・笑福亭鶴瓶ら主要キャストが登壇して舞台あいさつを行った。そこで、山田監督がドイツのベルリン国際映画祭で特別功労賞(ベルリナーレ・カメラ)を受賞したことが発表され、山田監督に花束を渡した吉永は「監督を胴上げしたい」と興奮。鶴瓶は「できないって。いや、意外と吉永さん握力強いのでいけるかも」と笑いのツッコミで、山田監督を祝福した。

 同映画祭は、ドイツ・ベルリンで毎年2月に開催されるFLAPF(国際映画製作者連盟)公認の国際映画祭で、カンヌ、ベネチアと並ぶ世界三大映画祭のひとつに数えられるビッグイベント。今年は2月11日から21日まで開催され、映画『おとうと』は映画祭の大トリを飾る、クロージング作品として現地時間2 月20日に上映される。特別功労賞は映画界に多大な貢献をした個人、団体に授与されるもので、これまでに2007年にクリント・イーストウッド、日本人では2000年に市川崑監督、2001年に熊井啓監督が同賞を受賞しており、山田監督は日本人で3人目。

 山田監督は受賞の喜びを「この映画は市川崑監督の『おとうと』という作品がなければできなかった。感謝と尊敬の念を持っている市川さんと同じ賞を受賞できて、生きていらっしゃったら報告しに行って、喜んでもらえるのになと思っています。長年支持してくださったみなさん、スタッフ・キャストの代表として受け取りたい」とコメントした。

 映画『おとうと』は、東京で堅実に生きてきた姉と、大阪で何かと問題ばかりを起こしてきた弟を中心に、家族の絆を描く。ターミナルケアなどの現代的な問題にも触れた山田監督の真骨頂といえる作品。

舞台あいさつには、ほかに蒼井優、加瀬亮、石田ゆり子、小林稔侍が登壇した。

<山田洋次監督作品 ベルリン映画祭出品歴>
●1989年 『ダウンタウンヒーローズ』 コンペティション部門出品
●1994年 『学校』 パノラマ部門出品
●2003年 『たそがれ清兵衛』 コンペティション部門出品
●2005年 『隠し剣 鬼の爪』 コンペティション部門出品
●2007年 『武士の一分』 パノラマ部門 オープニング作品、特別部門出品
●2008年 『母べえ』 コンペティション部門出品
●2010年 『おとうと』非・コンペ部門出品

【関連】
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最終更新:1月30日13時58分
吉永小百合「監督を胴上げしたい」 山田洋次監督、日本人3人目のベルリン映画祭特別功労賞受賞(オリコン) - Yahoo!ニュース

映画賞自体の価値は門外漢には判らないけれど、受賞を聞いた監督の横で小百合さん嬉しそうでした。

吉永小百合と笑福亭鶴瓶が夫婦役で再共演!?山田洋次監督は前向き!『おとうと』初日舞台あいさつ
2010年1月30日 14時00分

 [シネマトゥデイ映画ニュース] 30日、東京・有楽町マリオン9階の丸の内ピカデリーにて、映画『おとうと』の初日舞台あいさつが行われ、吉永小百合、笑福亭鶴瓶、蒼井優、加瀬亮、石田ゆり子、小林稔侍、山田洋次監督が登壇した。「今、日本で一番有名な姉と弟です」との紹介で二人一緒に登場した吉永小百合と笑福亭鶴瓶。「長いこと映画に出ていますが、初日の前の日は、胸が躍って、不安で、眠れません。昨日もそうでした」と語る吉永に対し、「僕は昨日遅くまで飲んでましたので、帰ったらすぐに眠れました」と対照的なエピソードを披露したが、二人で「次は夫婦役で」と山田監督にお願いし、吉永ファンのタモリや西田敏行が怒りそうな仲にあることがわかった。山田監督は「とてもいろんなイメージが膨らみますね、この夫婦は」と実現に前向きだった。

 また、山田監督が2月11日から21日まで開催される第60回ベルリン国際映画祭にて特別功労賞(ベルリナーレ・カメラ)を受賞することが発表された。この受賞に「ベルリンにお供して監督の喜びをそばで受け止めたい。監督を胴上げしたい」と喜びを表現した吉永に対し、「けっこう握力であるのでできるのでは」と鶴瓶はベルリンでの挑戦をうながしていた。この賞は、映画界に多大な貢献をした個人、団体に授与されるもので、日本人では過去に市川崑監督(2000年)、熊井啓監督(2001年)の2名が同賞を受賞している。

 映画『おとうと』は、東京の郊外で生きてきた姉と、大阪で芸人に憧れいつしか年を重ねてしまった弟との再会と別れを優しく切々と謳いあげる、笑いと涙の物語。日本映画界の巨匠・山田洋次監督10年ぶりの現代劇で、市川崑監督の映画『おとうと』をヒントに作った作品。

映画『おとうと』は1月30日より全国公開
吉永小百合と笑福亭鶴瓶が夫婦役で再共演!?山田洋次監督は前向き!『おとうと』初日舞台あいさつ - シネマトゥデイ

『母べえ』では鶴瓶さんは叔父さん、今回は弟、で、次回作が夫婦なら三部作になりますな。実現したら面白いね。

さて映画の中身(少々ネタバレ注意)。

既に宣伝段階で「最後は癌で死ぬ」ぐらいのことは告知されてる訳ですが、

15kg壮絶減量の鶴瓶に、吉永小百合が「もうやめて」 - MovieWalker

その描かれ方は「幸か不幸か」それはまるでリドルストーリー


本日の舞台挨拶でご本人も仰ってましたが、「左に吉永小百合、右に石田ゆり子、足元に蒼井優、こんな幸せな死に方おまへん」ってことですし、加藤治子さんの演じた小百合さんの少し痴呆気味の姑さんの台詞がけっこう鍵で、あえてここでも中身は書きませんが、映画の冒頭からラストシーンまで見終わるとこっちまで気持ちが温かくなる。

小百合さん演じるお姉ちゃんだって単純に優しい人というのではない。一人一人の心は当たり前のように単純じゃない訳ですが、それが丁寧に描き出されてる作品だと思います。

そして本日の舞台挨拶の〆として監督が仰ってたこと。
鉄郎はとても不幸な男でしたが、最期は幸せでした。でも、あれは映画だからなんですよね。

現実には、独りで寂しく死んでいく方もいますし、毎年、3万人以上の方々がこの国では自殺しているそうです。「そういった問題を私たちはどうすればいいのだろう?」と、家路に着く皆さんの頭の中でそういう思いが浮かんだとしたら、作者として嬉しいです。
『おとうと』初日舞台挨拶が行われました! | インフォメーション | 映画『おとうと』オフィシャルチャンネル - オフィシャルチャンネル

鉄郎の最後を看取る舞台と成った介護ホスピス、劇中では大阪新世界の愛隣地区にある「みどりの家」でしたが、そのモデルと成ったのは東京の「特定非営利活動法人(NPO) きぼうのいえ」。そこにはそういう現実も厳然と横たわる訳です。

自分も独り身でそうならないとも限らないわね。

山田洋次監督作品は昔から「排除された側」への優しい視点があるように思います。
 綺麗な服を着ていたら酔っぱらいを助けることに躊躇する心も生じるでしょうし、それは人の性ですが、疑問は持っていたいですね。
 セキュリティの整ったビルで働きオートロックのマンションで安穏と暮らす人々の暮らしは「自分の価値基準に合わない人」を排除することでなりたっています。そしてそこでは「排除される側の痛み」に鈍感にならなきゃ生きてはいけないでしょう。
 でもこういうのは「排除される側」からすれば殴りかかられるのと同じ。そうした原始的暴力に対して社会的暴力と言いますが、その暴力にさらされたが故にさらに屈折した悪辣な人間を生み出すことがあるのも否定できません。そういう悪辣な人間から我が身を守るためにまたセキュリティを強化しなければならずさらに強度の排除が生まれるという悪循環もまた不可避。
 単純に優しいだけでは我が身を危険にさらすだけで何の解決でも無いけれど、少なくともそういう社会が健全では無いことは忘れちゃいけないんだろうなと。社会が単純多数決で無自覚にそういう方向に流れていこうとする時には疑問を持てる、できれば歯止めを掛けうるような人で居たい。

そんなこともあらためて思います。

いい映画でした。


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