山形県

2007年10月12日

【遊】マツタケ狩り初体験 4

先ほど昼飯を食った施設の入ってるよねおりかんこうセンターツアー会社などに向けてプレゼンしてる企画の一つらしい松茸狩り

もともとここ山形県高畠はまほろばの里と名付けて隠れたマツタケ名産地だとか。

にしても今年は異常気象のあおりで不作だって。

バスで山に運ばれて、地元の農家の方々の案内で松林の急斜面に導かれました。

松茸狩り01
松茸狩り02

それなりの面積ですが赤いテープで区切られた範囲、制限時間は1時間なので、ただの「体験」ですが、急斜面に這い蹲って手探りで感触を確かめつつ、で結構というかかなり大変。

「美味しんぼ」で読んだよな、、、シロがどうのとか。。。

なんて思い出しながらですが、ほとんど地雷探しです(笑)。

先ほど食事に出たマツタケも場所こそ違え、このオッチャン、オバチャン達が、まだ暗い朝の3時半頃から山に入って苦労して集めたものらしい。

プロがそんなに大変なんだから素人がそうやすやすと。。。ねぇ(笑)。

でもまぁそこはそれなりにヒキの強いところで2人で行って1本だけはGet!!

松茸狩り03
松茸狩り04
松茸狩り05
松茸狩り06

31人のツアー全体で5本だけでしたから、まぁ上出来でしょう。

★高畠まほろばの里まで松茸&梨狩り★

1. 【旅】マツタケ狩りに山形まで
2.【食】梨狩りというか食べ放題
3.【食】国産松茸づくし膳(山形県高畠)
4.【遊】マツタケ狩り初体験
5.【酒】高畠ワイナリー
6.【食】夕食は郡山の駅弁で



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2007年07月23日

【宿】湯野浜温泉ホテル海山 2

酒田と鶴岡の間にある湯野浜温泉郷

今夜の宿はその中の

ホテル海山
公式HP

ホテル海山00


玄関は山側だが、宴会場は海側に当たって水平線の日没が拝めた。

湯野浜温泉日没00


風呂は7階と1階に有り泉質が異なる。

海辺だと普通は塩化ナトリウム泉だけどそれは1階の古い方だけ。
こちらは多分ここが「湯本館」と名乗ってた頃からのじゃなかろうか。
源泉表示も湯野浜1号〜5号+αだった。
大きな湯船のある一つの浴室を厚手の防水布で仕切って男女別にしてあるところを見ると昔は混浴だったのかな?
7階のはチャンと男女別で海の見える展望大浴場、たしか弱アルカリ泉だったかな。
源泉表示は湯野浜6号だったか。

いずれも激しすぎず緩すぎずの温泉。
考えようによっては個性が弱いかもね。
でも24時間入れるのは有りがたかった。

<夕食>

海山夕食00


まぁ盛り沢山です。
ツアーで取ったから料金やコースは不明。

海山夕食01

ミカンとオクラとモズクの酢の物。
ミカンって。。。

海山夕食02

ツナと高菜の和え物かな。

海山夕食03

前菜盛り合わせ。
茹で海老、ミニ海産物グラタン、帆立の紐の辣油和え、アスパラの生ハム巻、厚焼き玉子ってところか。

海山夕食04

刺身盛り合わせ。

ゴメンネ。
昼間に旨い寿司食いすぎたせいでしょう、きっと。
生魚の評価は激烈に低下しちゃいます。。。

海山夕食05

だだちゃ豆豆腐。
今年の「だだちゃ」はまだ出てないので冷凍物か早生モノの類似品種でしょう。
でもこれは美味しかった。

海山夕食06

酔ってきてますな、ちょっとピンボケですが
海老とトリ貝の酢の物です。
酢は優しくて良いけどチョット水っぽいかな。
まぁ酔ってきてたせいでしょう。

海山夕食07

藻塩鍋。
これはそこそこ楽しめました。

海山夕食08

豚しゃぶ。
この界隈には銘柄豚で有名になってる平田牧場が有って、そこのではないけどそれなりに美味しい豚を仕入れてきてるのだとか。
うん。
これは感心できるぐらい美味しかったです。

海山夕食09

梅干し粥。
酒ばかり飲んでて自分は断ったのだけどこれ以外にも御飯と味噌汁は有ったので、なんでお粥が、ってのは少々謎ですが、まぁ盛り沢山で御飯は入らない、って人でもこれぐらいなら入るって心配りかも知れません。
たしかに酔っ払いの自分もこれは美味しく頂きました。

海山夕食10

デザート。

う〜ん。
盛り沢山すぎてピントが呆けてる気もします。
でも大きな旅館なので色んな趣味嗜好に一気に対応しようとするとこうなるかも知れません。
個人的には豚しゃぶをメインに据えてコースらしく組み立ててくれた方が有りがたかったけど。

<朝食>

バイキングだし、「ここならでは」も無かったので写真すら撮ってません。
和室大広間の和食バイキング。
ジュースはオレンジのみ。
トマトジュースや牛乳は無し。
御飯とお粥。
スープは味噌汁一種類。
パンは無し。
朝定食向けの一般的なのが数種と、他にはソーセージやミートボールなどは子供向けでしょうか、数点。

これも夕食同様に「ここならでは」の1品が有れば、と思います。

珈琲も無かったので1階のラウンジ(有料)にて頂きました。

--

トータルでは料理や施設などについて、老舗大型旅館にありがちな(コストとの兼ね合いで)「これでいいだろう」みたいなラインに落ち着いている感じが少々気になりました。

 まぁ今回はツアーですから料理はしょうがないかもと思います。
品数が多い=人手を越えた大量の調理処理となれば冷凍・保存・解凍が料理を水っぽくさせますしね、そんなことも感じました。
総じて素材に近い料理の方が美味しかった。

 客が少なかったせいでしょうか、館内のラウンジは営業されませんでした。
カラオケスナックやラーメン屋も兼ねている場所で要望は有ったのですけど。

 同じく客が少なかったせいなのでしょう。「恒例」となってた朝市も開催されませんでした。

 館内の自動販売機などは少ないですね。
風呂を出たところにさえ無かった。もしかしたら皆無かも。

 「夕日の見える宴会場」や「展望露天風呂」がウリなのだと思います。
しかし汚れたままのガラス窓、しかもコーキングしてあったりしてベランダに出たりも出来ませんでした。
最初の方の日没の写真は目張りの甘い廊下の窓をパワーで開けて写したものです。
経費節減なのでしょう。

 難しいところなんでしょうけど。


それでも県民性も有ってか人当たりは良く、全体的に接客は親切で良かったのでトータルで悪い印象ではありません。

たしか以前にも何かのツアーで泊まった記憶。

また立ち寄るかも知れませんな。

是非とも頑張って欲しいです。

ruminn_master at 2007年07月23日 21:06 【宿】湯野浜温泉ホテル海山コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加

【旅】日和山公園と海向寺など(酒田) 4

寿司屋の大将に勧められてタクシーで日和山公園に。

日和山公園マーカー

といってもかなり広い公園、
全部見て回る時間もないので、しばらくの大将に「これだけは見て帰って」って言われたポイントのみとなりました。


まずは日本最古の常夜灯。

常夜灯


そして日本最古「級」らしい木製燈台。

木製燈台

ほとんど酒田観光のシンボルと化してますな。よく写真で見かける奴です。

方角石。

方角石


この辺りは酒田が古くから港湾都市として栄えた証拠だろうね。

ホントに古そうな色んな建造物も残ってる。

金比羅さん

何だか「昔はこんなに素朴でした」って主張してるような金比羅さんです。

ちょっと離れた場所には日枝神社

日枝神社鳥居


ここの山門の天井には「鳴き龍」が居ると教わった。

山門
天井

要は音カラクリだけど、位置を探って柏手を打つと「ビビビィィン」ってな感じの共鳴音。
 近くで犬の散歩をしてた人に話しかけられて「あの鳴き龍は天気によって泣き方が違うんですよ」なんて教わりました。この町の人って昔から「気さく」な印象ですがやっぱりです。


さらにちょっと離れた場所に出羽、庄内文化の特色をなす即身仏信仰で有名な海向寺

海向寺

忠海上人と円明海上人という2体もの即身仏が安置されているある意味庄内を代表するようなお寺ですが決して大きいお寺ではありません。
仏堂01
仏堂02

ウチは真言宗ですし、お参りさせて貰いました。
 即身仏というのは「生きてる」ことになってるんですが、ホント生きてるみたいにリアルです。ガラスケース越しでは有りますが、これほど近くで「会える」のも珍しいと思います。
 定期的に着せ替える法衣の切れ端を入れたお守りを頂いて帰りました。

ここはそもそも湯殿山にある注連寺の末寺とのこと。

お寺01
お寺02

そして明日行くことになる新潟の粟島とも縁のあるお寺だそうで、ツアーの案内には何も書いてないし言われもしなかったけれど、なるほど今回のコース設定の筋書きの要はこのお寺だったんですな。
 ツアー自体は海向寺に立ち寄りませんでしたが自分勝手にコースを離れて正解でした(笑)。

 信心深い人だったら「お導き」とか言うんだろうね。自分は寿司屋の大将の勧めに従っただけですけど(笑)。


 ツアーを離れた自由行動は寿司屋からここまでで、タクシーで山居倉庫に戻ってそこの土産屋辺りでツアーに復流しました。

山居倉庫

毎度ここに立ち寄るたびに食ってる気がします。
お米の入ったソフトクリーム。

ソフトクリーム

たいていここに来る時は「飲んだ後」なので(笑)ここのソフトクリームが丁度いいデザートなんですな。


で、ツアーは土門拳記念館に。

土門拳記念館

何回目だか忘れたけどワリと好きな場所。
建物や庭の造りも見事。
 写真自体は見慣れた感じだけどその時の自分のコンディションによって印象が変わります。

これで今回の酒田観光は終了しました。


今宵の宿は湯野浜温泉です。


ruminn_master at 2007年07月23日 16:28 【旅】日和山公園と海向寺など(酒田)コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加

【旅】飛島(山形県酒田市) 4

山形県酒田市、酒田港から連絡船で1時間半ほど。

ここ飛島は起伏の少ない「平べったい」島だ。酒田市の観光ガイド頁の航空写真を見ると山と呼べる程のものは無いのがよく判る。

平坦故に森林が貯水することができないので水に苦労した島だったが今では9つの貯水ダムを持ち日常生活水は何とかなってるらしい。(トイレは簡易水洗だけど)

それゆえ「見晴らしのイイ場所」というのも限られているのだが、対馬暖流の影響で自然には恵まれ、また縄文時代の史跡や落人伝説などもあって狭いながらも見どころ・遊びどころはそれなりにある様子。

国定公園に指定され、国指定天然記念物ウミネコの繁殖地として保護する島。

飛島00


案内図で言うと下の海岸線の真ん中当たりが港や店の並ぶ町であり、農道が島の真ん中を水平に横切る形になってる。上の方の海岸線には道路はないが日本の渚百選に指定されている荒崎がある。

案内図右下の鼻戸崎地区は本土と港を望む展望台と原生混交林からなる自然保護地区があるエリア。

飛島島内01a
飛島島内01
飛島島内02

展望台への回遊路は植生が多様でよく見ると面白い散策路になってます。

案内図右上の八幡崎展望台の外れからは荒崎が望め(荒崎自体への道は繋がってないらしい)、この辺りは飛島甘草やスカシ百合が咲く森です。

飛島島内03a
飛島島内03



この写真の突端の岬が「荒崎」で、厳密に言うと「日本の渚百選」に指定されたのはその裏側の砂浜みたい。
 まぁ道が繋がってないためもあるのか「日本の渚百選、荒崎」の観光案内板はこの場所に有りました。
 おそらく岬と海岸の全景が綺麗に見渡せる場所がココなのでしょう。砂浜は続いてるしね。

 それにしてもあまり意識せずに「日本の渚百選」には出会ってきたような気がするなぁ。
(参考・日本の渚・百選 Navigate_Site
 今度チェックしてみよ。

飛島島内04

この展望台の後は島を水平の横切って左側から港に。

案内図の左半分は宿の大将の操る漁船での岩礁巡りで外側から眺めました。

岩礁観光01


宿の前の漁港から出港してウミネコ繁殖地や岩礁地帯の烏帽子群島を海から。

岩礁観光00


島内観光は2日目の午前、海上観光は初日の夕方でしたがいずれも快晴。

岩礁観光02
岩礁観光03
岩礁観光04
岩礁観光05
岩礁観光06
岩礁観光07
岩礁観光08
岩礁観光09
岩礁観光10


景色は抜群でした。

 ただまぁ「ウミネコの島」と言われてもねぇ。。。

 ウミネコは要は大型のカモメだし何万羽も居ると正直「可愛い」ものではないです(笑)。だから写真はあまり載せてないけど右にも左にも上にも足元にもヒチコックの『鳥』並みに居ます。漁港でイカの一夜干しを作る場所は全て漁網で覆われて鳥除けをしてました。ある意味ウミネコと共存する方法なのでしょう。
 そういえばネコは一匹も見かけませんでした。

なかなか独特の島でした。

ruminn_master at 2007年07月23日 09:47 【旅】飛島(山形県酒田市)コメント(0)トラックバック(1)  このエントリーをはてなブックマークに追加

2007年07月22日

【宿】沢口旅館(飛島) 4

飛島に渡って港沿いに5分少々ぐらい歩いたところが飛島の今夜の宿。

港から歩く道すがら、遠くからでもその白い建物が目立つ比較的大きな旅館。

沢口旅館
旅館HP

飛島の宿01

水事情は貯水ダムなどの建設で改善されたとはいえまだまだ不自由らしく、トイレは共同でしかも簡易水洗。そんなところに島旅らしいなぁ、と感じさせられる。

宿に着くなり宿の大将の操縦する漁船で岩礁巡りに出掛けたが、それはまた別記事。

旅の一番の楽しみはご当地ならではの食事です。

さて

夕食

飛島夕食00
飛島夕食01

雌株だけど味付けが甘いです。

飛島夕食02

山菜の小鉢。

飛島夕食03

トビウオの腹子煮。
この島のトビウオの漁期は初夏1ヶ月程でちょうど終わったばかり。
これは「ご当地ならでは」ですな。
ネットリとした食感が面白くて美味しい。

飛島夕食04

飛島甘草とキュウリの酢の物。

食べた時は「もってのほか」、新潟でよく出る菊のお浸しかと思いましたが固有種の飛島甘草だとか。

飛島甘草00

翌日に島内観光した折の山の中のアチコチに自生していました。

飛島夕食05

棒鱈かと思ったらホッケの干物の煮付け。
なかなか意外性で面白いです。

飛島夕食06

イカの一夜干し。
飛島と言えばイカってぐらい有名だし、港からの道すがらも道路で鳥除けの網の中に天日干しされてました。
小振りだけど美味いです。

飛島夕食07

焼き魚。何だっけな?名前忘れた。

飛島夕食08

サザエの壺焼き。

飛島夕食09

イカの細造り。

やっぱり海産物が旨いね、この島。

飛島夕食10

タコの刺身と鯛の刺身。

鯛は地物で小振りだったためか少々水っぽかったけど松笠造りで仕事してあります。
タコの刺身は甘くて旨くて抜群。

飛島夕食11

デザートはメロン。

一夜明けて・・・
窓の外を眺めると飛島名物の海猫がアチコチ。

飛島の宿02


さて

朝食

飛島朝食00
飛島朝食01

枝豆とモズクの酢の物。
これも甘いです。

飛島朝食02

烏賊の塩辛。
飛島名物ですな。

飛島朝食03

海草と水母の和え物。
なんて海草だっけ?東北で良くある奴です。

飛島朝食04

どうやらモロヘイヤの和え物。

飛島朝食05

魚と野菜の唐揚げ盛り合わせ。
朝食にしては珍しい気もするけど軽めでイイ感じ。

飛島朝食06
飛島朝食07
飛島朝食08

どうやら自家製の漬け物に味噌汁で御飯。
デザートはスイカです。

海産物がさすがの島です。




ruminn_master at 2007年07月22日 23:53 【宿】沢口旅館(飛島)コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加

【旅】酒田港から飛島へ 4

今日から3泊4日で島旅2つ。

まずは山形は酒田の飛島

新幹線と特急いなほで酒田入り。

さかた01


酒田に入って突き当たりの港から船に。

さかた02


鳥海山と風車に見送られて晴天の海路。

さかた03
さかた04


快適に1時間半ほどで飛島に到着です。

さかた05


さて何食わせてくれるかな。


ruminn_master at 2007年07月22日 13:50 【旅】酒田港から飛島へコメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加

2003年02月06日

【酒】道中道楽(水鳥版)第1回原稿より 5

道中道楽
第1回:酒の道にハマった日

今回の道友:『出羽桜』澱酒


(2003年2月6日に書いた原稿を2005年8月23日に少々手直ししました)


※注意※
 下に紹介したお店『龍馬』は現在は市ヶ谷に移転しております。


------------------------------------------

1、もう十数年前。忘年会だか新年会だかの後。
 新宿の安居酒屋で散々飲んだ後でした。
大学の体育会系サークルの飲み会の流れ。
帰るのにはまだ少し早い。
 安い「ポン酒」に少しウンザリしてて、
何か旨い酒飲みたいなぁ、なんて何となくみんな思ってた気がする。
 でも、自分も含めて基本的には毎日酔えりゃいいなんて頃だし、金も無いし。
 歌舞伎町を抜けて新宿駅へ向かう細い道。
そう熊本ラーメン『桂花』の有る通りにその店は有る。

 「いわし料理と銘酒の店『龍馬』」 

 後輩の一人がその看板にしがみついて「飲みたい!」

 まぁ人数居たからまぁ財布かき集めれば何とか少しは飲めるかな、
ってんでみんな笑いながらエレベーターで3階へ。
 格子戸を開け暖簾をくぐる。BGMはJazz。
オヤジさんは酒蔵の前掛けしてるしオカァチャンもエプロンしてる。
店の作りは畳敷の大きな座敷も有るし、テーブル席3つにカウンター席。
ちょっと凝った程度でまぁ居酒屋なんだけど・・・
何となく美味そうな雰囲気。壁際の冷蔵庫には酒瓶が並ぶ。
3つ程の業務用冷蔵庫に並ぶ酒瓶。一つとして同じ酒が無さそうである。
 知ってる酒より見たことも聞いたこともない酒が一杯。
聞いたことはあるけど「高い」ってことも知ってる酒がたくさん。

 壁に貼ってある「今月の酒」はたしか1合700円。3種類。
それぐらいなら何とかなるだろう、ってんで席に着いた。
 今月の酒は3つとも試したんだよなぁ、たしか。
でもって肴は、
キノコおろし、カボチャのサラダ、イワシの刺身ぐらいだったかな?

で、
アレコレ店主ご夫妻と喋ってたら気に入って貰えて
「美味い酒がちょうど有るよ。高いけど」
それが出羽桜の澱酒だった。「春の淡雪」のことではない。
あんまり世間に出てないので知られてないが限定品の薄濁りが有るのである。
1合5000円とかだったと思う。貧乏学生の身には天上の酒。
でも飲みたかった。どうしてもね。

で、
1合だけ貰って4人で舐めるように確かめるように飲んだ。
美味い!気持ちいい!
 学生居酒屋の安酒に慣れた舌と鼻と喉とには正に甘露。
今思えば、この瞬間が入り口だったような気がする。酒の道のね。


2、「1年間、毎月飲みに来たら出羽桜の蔵元紹介してやる」
 たしかそんな風に言われた。貧乏学生と知っての上である。
 金があるから飲むんじゃなくて、
 酔っぱらいたいから飲むんじゃなくて、
 本当に酒が好きかどうか、旨い酒が飲みたいのかどうか、
 そんな気持ちが試されてたような気がする。

 それから本当に毎月通ったよ。貧乏学生。金貯めてね。
大体決まった4人で。金の無い時は6人とか8人とかで。
 今月の酒を各自頼んで、肴は色々。僕の定番は「キノコおろし」。
天然キノコと大根おろしの和え物。吟醸系にはこんなのが一番好き。
安いしね。
 各自の酒は互いに味見。銘柄を手帳に書き留めたりもしてた。
で、
仕上げには山形天童直送の限定手打蕎麦を出して貰ってたな。
この蕎麦がマジで美味い。

で、
最後にね、1合だけ旨い酒を、高い酒を頼むの。
それをワリカンにして少しだけを舐めるようにして味わった酒たち。
あの旨さ、ありがたみ。
「自腹で飲まなきゃ酒の味なんて覚えない」
なんて昔から言われることだけど、
本当に大事に大事に1合にも満たない酒の味を舌に身体に刻みつけてた。

 あの頃があるから酒の味覚が鍛えられた気もする。
あれから十数年、数千銘柄を口にしたけど、
今じゃ色んな酒を美味い不味いなんて気楽に口にしてしまうけど、
あの頃の感性は忘れたくないと思う。
 イイ酒にも色んな味がある。好みに合うのも合わないのも。
どれも造ってる人は真剣でしょう。イイ酒ならマトモな酒ならね
 だから大事に飲みたいね。楽しく飲みたいね。

 ともかく、1年間続けたんです。
金の無い時も有ったよ。借金して飲んだことはないけど、
何日間か何食か抜いて済ませて飲み代作って真剣に酒の味を覚えてた。


3、でね、本当に絞りの時期に出羽桜に行かせて貰ったの。
 『龍馬』(りゅうま、って読むんだよね)の店主ご夫妻の、
大将の方は元役者さん、それで全国で美味い味を覚えたんだって。
オカァチャンの方は天童の有名なオウチの人だって。
 そう、だから天童の出羽桜に本当に行かせて貰えたの。
今じゃインターネットでワリと気軽に酒蔵見学なんてやってるけど、
(でもってアチコチで酒蔵に迷惑掛けてるみたいだけどね)
当時じゃ料飲店でも酒販店でも無い一般人がなかなか行けない、
というか行けると思ってないレベルの時代。

 行きましたよ。空から雪がちらつき、足元には雪の積もった天童に。
山形県天童市。将棋の駒。人間将棋。駅前には将棋の駒のオブジェ。
そう『出羽桜』はこの町の蔵元さん。

 着くなりまずは昼飯兼ねて「水車生そば」で手打ち蕎麦体験。
「チカラじゃないって!」
そう全ての繊細な職人芸は「リキミ」が有ってはダメなんですよね。
蕎麦を捏ねるのも切るのも初心者にはどうにも上手くいかない。
 自分たちで作った不揃いな蕎麦と
本職の作った美味い蕎麦で満腹になったあと、紹介された宿へ。

 宿は「桧風呂の宿つるや」旅館。
夕食は米沢牛のスキヤキと出羽桜、
もう満腹で満足で死にそうなくらい極楽気分。
なのにさらに、
新宿『龍馬』の身内の方が差し入れて下さった酒を手に、仲間4人で檜風呂。
たかが学生がする贅沢としてこれ以上のことは無いんじゃないかって。
出羽桜大吟醸のみならずいろんなことに酔えました。

 翌朝は河北町へ。
日本で数少なくなってしまった本物の飴細工職人、槙登さんのところへ。
飴細工の体験学習です。
餅米と麦芽から作った本物の飴での細工、
下拵えして棒に付けて貰ってから手元へ。
飴をハサミで切って、色付けて、ウサギとか鳥とか作ったなぁ。
 戦中戦後に飴が無くなった時は針金細工をしてたそうです。
「結局は頭の中のものを形にするだけだから」
アートってイメージのチカラとそれを支える技術ですね。
 今では夏になると東京のコンビニでも見かけますが
冷やしラーメンなるものはここで初めて食べさせて貰いました。
元々は盆地で夏の厳しいこの地域の思いつきだったようです。
ストーブの効いた部屋で冷たいラーメンもまた美味。

 午後にいよいよ出羽桜見学。
今でこそ行程を人に講釈できる程に憶えてますが当時は初めて見るようなもの。
興味津々。蔵の中はいい香り。おっきなタンク。
麹室だけは大吟醸の作業中で見学できなかったけど、
隙間から中で霧吹きしてるのが見えました。
 タンクから流れ出てくる酒を飲ませて貰ったときの快感。
日本酒って素晴らしいものだと体感しましたね。

「お土産に何本か買いたいんですけど」
「ウチでは小売りはできないからこの並びの酒屋で・・・」

 ここで紹介されたことが、さらなる出会いに繋がるなんて、
このときは思っても見ませんでした。


4、「すいません。出羽桜さんに教えて頂いたんですが・・・」
 行った先は出羽桜の並びに有った酒屋さんで『大黒屋』さん。
 実は東北で最大級の卸問屋さんでもあるとは後で判るハナシ。

 土産に何本か買ったんだよね、出羽桜を。各自。
で、夜の9時頃の列車まで時間があるからって
「すいません。この辺りで出羽桜飲める居酒屋とか無いですか?」
「だったらウチで飲んで行きなさい」

 いや、あのですね・・・藁しべ長者か!俺たち(笑)。
ってぐらい次から次へと幸せな出会いが続きます。
 最初に家に上げて下さったのは大黒屋の女将さんだったんだけど、
そのうち大将も帰ってきて、まぁ歓待されること。
「お〜飲み切れるんなら『雪漫々』開けてやるぞ!」
 いや、あの、もう十分に頂いてます。。。
抜群に豪快な大将でした。やさしい女将さんでした。

 本当に死ぬ程に腹一杯に飲み食いさせて頂きました。
そう本当に死んでました、帰りの電車のトイレの中で。。。
(JR東北さんゴメンナサイ)

 その後もお世話になってますが、
新宿の『龍馬』さん、有り難う御座いました。
天童の大黒屋さん、有り難う御座いました。

 そして旅先で一度だけの出会いでしたが
心地よい時間を下さった皆様、本当に有り難う御座いました。
十数年を経て何ですけども、お世話になりました。


5、如何でしょうか?他人の幸せなハナシは読んでて面白くない?
 自慢話してるんじゃないんですよ。伝えたいことはそうじゃないんです。

 今回のハナシは『出羽桜』に辿り着くまでの、
で、そこから戻ってくるまでの『道中』に過ぎないようにも見えます。
 けれど、それは単に目的地までの経路ではなく、
そこに出会いがあり、楽しみがあり、歓びがあり、
それは、
僕が何かと楽しもうと思ってる『道楽者』だからこそだと思ってます。

 よく「引きの強い奴」って言われます。
運と縁と勘はイイ方だって感じてます。
いろんな人のおかげで楽しく生きさせて貰ってるんだと思ってます。

 積極的に、前向きに、
「道中を楽しむ」
そんな奴だからこそ、楽しいこともやってくるんじゃないかと僕は思います。

 いやもっと言えば、その『道中』こそが面白い。
だから「食い道楽」「飲み道楽」「旅道楽」、
そんなもの全て含んで越えて『道中道楽』。
そう考えてタイトルを付けました。

 この1本目は自己紹介も兼ねてます。
そうこんな奴です。長文駄文ですがお付き合い下さいませ。
よろしく。

------------------------------------------
<<追記>>

この龍馬さん、今はまた日暮里に移転しております。

行かなきゃ。

・ぐるなび - 長崎と山形のうまか料理 今昔庵 龍馬 http://r.gnavi.co.jp/gaju600/

・長崎と山形のうまか料理 今昔庵 龍馬 /レッツエンジョイ東京 http://www.enjoytokyo.jp/gourmet/spot/g_gaju600/

(おまけ)
東京龍馬会・第41回史跡探訪

ruminn_master at 2003年02月06日 23:00 【酒】道中道楽(水鳥版)第1回原稿よりコメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加
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