東西落語研鑽会

2008年11月17日

【芸】第30回東西落語研鑽会 4

およそ2ヶ月に1回の東西落語研鑽会

第30回記念というところだが、月亭可朝師匠復帰の話題の方が大きかったかも。出演も上方落語4席〜笑福亭がその内3人というのも珍しい〜に、江戸落語1席。

個人的には、まぁそんなことよりも(笑)、( 大阪人にとって月亭可朝なら「(今の時代じゃ)ストーカー扱いされるぐらいやるやろ」ってもんで別に珍しくも無いので(笑) )、鶴瓶の「死神」の3度目を聴く機会、どう進化したか楽しみだった訳で。

大ネタというようなのはあまり無かったけど、どれもこれも笑わせてくれて、まぁハズレの無い会でした。
第30回東西落語研鑽会

会 場 有楽町よみうりホール
 (ビックカメラ 7F)
日 時 2008年11月17日(月)
 午後6時00分開場 6時30分開演
木戸銭  3,800円(全席指定)
 (当日 4,000円)
主 催 六 人 の 会

[第三〇回番組]------------
天     災」 笑福亭銀瓶
干  物  箱」 林家たい平
餅 屋 問 答」 月亭 可朝
<仲入り>
「源太 と 兄貴」 笑福亭仁智
鶴瓶版 「死 神」 笑福亭鶴瓶

     お囃子 林家和女
         千葉しん
----------------------------
[参考]
上方落語メモ【世紀末亭】
落語のあらすじ 千字寄席
---
落語検索エンジン「ご隠居」
東西落語特選
招笑亭
落語の舞台を歩く
落語インデックス

最初の銀瓶さんは鶴瓶さんの弟子ですね。もしかしたら師匠より達者?(笑)というか、味で気持ちを持って行く人の多い笑福亭にしては綺麗な落語って感じかな。

2番手が今日唯一の江戸勢、たい平さん。江戸落語の噺家さんの名前やクスグリを覗かせたりして、まぁ江戸の意地を見せてた感じもします。

最初に2席、素直に面白いのが続いたところで、さて今日の目玉、曲者の月亭可朝さん登場。
livedoor ニュース - 「ストーカーの意味調べた」月亭可朝の復帰高座に大喝采


2008年11月18日13時45分 / 提供:Techinsight Japan

 ストーカー規制法違反で8月に逮捕され、罰金30万円を払って釈放された落語家・月亭可朝が、11月17日の「東西落語研鑚会」(有楽町・よみうりホール)にて復帰の高座を勤めた。
 事件の経緯や、復帰会見の話などをした後、古典落語『餅屋問答』を口演する30分近い高座に、満員の観客はヤンヤの大喝采だった。

 今回で30回となる「東西落語研鑚会」で、可朝の出演は第27回(今年3月)に続いて2度め。出囃子「芸者ワルツ」で登場した可朝のこの日のいでたちは黒紋付。トレードマークのカンカン帽は被らず手に持ち、それをヒラヒラさせて踊りながら高座周辺を一回り……という、いつものサービス精神あふれる登場の仕方。
 客席からは、可朝の復帰高座を楽しみに足を運んだ落語ファンからの期待を込めた「待ってました!」「たっぷり!」などの声が止まらず、妙に熱気を帯びた状態で、その掛け声は可朝が座布団につくまでしばらく飛び続けた。

「ありがとうございます。ホンマにね。ホンマ、ありがとうございます」と、これまたいつもの繰り返しフレーズで徐々にペースをつかんでゆく可朝。
「最近は言葉の意味がわからん。この間、“ストーカー”を調べて、意味がわかった。『狙いをつけてしつこく後を追いかけること』。やったらどうなるかもわかった」
 当事者自らがしゃべるリアリティのある言葉に、場内は待ってましたとばかりに大爆笑。そのあと、被害者の女性とは7年前から付き合いがあったこと、その女性が朝帰りしたのを知って電話で問い詰めるやりとりがストーカー行為になったこと、そして警察から事前に逮捕通告があったこと、等の“経緯報告”。

 さらに、先月25日の復帰会見で新聞に「反省の色なし」と書かれたことに対しては、
「『謹慎中は落語の勉強をしてました』とか『読書してました』とか言わなあかんかった」
「『女は必要?』と聞かれたので『ぎょうさんはいらん、ちょっとは欲しい』と答えた」
と反省をまじえつつ裏話も披露。記者の質問に乗せられて「バイアグラいらずですわ」と答えた部分だけがデカデカと見出しにされたことを、「見出しが倍ぐらい大きかった。『倍アグラ』や」とオチをつけてシャレのめし、客席の笑いを誘った。

 今年芸歴50年、ずっと変わらぬペースの八方破れな芸人人生を過ごしているうち、世間の法律の方が変わってしまって今回の逮捕・罰金となってしまった可朝だが、そんな「芸人らしい芸人」を熱く見守るこの日の客席はとても温かかった。変なヤジが飛ぶこともなく、会場一体となって、高座の可朝の言葉を一言一句聞き逃すまいとするかのような姿勢を感じた。
 可朝もそれを受けてか、ひとしきり報告を終えると最後に「道楽息子が実家に帰ってきた気分ですわ。ありがとうございました」と万感の表情で深々と頭を下げ、ひときわ大きな拍手を浴びた。
 もっともそのあと、本題の落語『餅屋問答』に入る前に、芸人評伝の第一人者・吉川潮氏による月亭可朝伝『ナニワ博打八景 ― 金持たしたらあかん奴』(竹書房、2008年9月発売)の宣伝もちゃっかり盛り込んでいた。さすがにこのあたりは商売に長けたしたたかな関西芸人なのである。

 この日は他にも、トリで笑福亭鶴瓶が『鶴瓶版 死神』を再口演するなどの目玉企画もあったのだが、客席の反響から考えるに、すっかり主役の座は可朝が奪ってしまった、そんな雰囲気の夜だった。

(編集部:尾張家はじめ)
 
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livedoor ニュース - 「ストーカーの意味調べた」月亭可朝の復帰高座に大喝采

う〜ん。。。達者な芸だし、オモロイし、楽しいんだけど、やっぱり「落語」っていうより「漫談」っぽい気がします。
 落語にはセリフの部分と地の部分があって、講談はむしろ地で話を進めるんでしょうが、落語の場合はカミシモ切り替えの会話で進行するもんだと思います(あくまでも原則として、でしょうが)。
 月亭可朝さんの噺の中の登場人物、どの声も大差無く「強い」感じ。個性として「月亭可朝」がどの登場人物にも見えてしまってたように思います。「漫談」としてはアリなんですけど、「落語」となると描き分けがもうチョット有ってもいいんじゃないかな、とか思いました。
 まぁ間にしろネタにしろ話術にしろ、えらい達者な人なので大笑いさせて貰いましたけどね。

仲入り後は仁鶴師匠の弟子の笑福亭仁智さん。子供の頃によくテレビで見たなぁ、なんだけど、久々に見たら ( お互い様なんでしょうが(笑) ) えらいトシ食ってまぁ。当時は今で言うところの「イケメンお笑い芸人」の筆頭でしたけど、今は・・・まさに藤井寺球場に居たんだろうな、という見事な「浪花のオッサン」(笑)。
 ネタも大阪人なら大好きな「チョット情けない極道モン」の新作落語で、まぁ「いかにも」。でもコレもオモロかったぁ。
 東京の人にどう映ってるのかは微妙な気もしますが(笑)、キャラクターとネタが合致してなかなかの逸品。三枝師匠の新作落語もヤクザもんが多く登場しますが、三枝さんは見た目が上品だから少しリアリティからは遠い。仁智さんの場合、結構リアル(笑)で楽しい。

で、大トリが鶴瓶師匠。いよいよ鶴瓶版「死神」の再演。

全体の印象としては、無駄な部分を省いてスッキリとサゲに収束させていく感じに整理されて「進化」したと思います。

まぁ2箇所ぐらい、抜群に大事なポイントで登場人物を逆に言い間違ってしまって「アラアラ・・・」ってのがありましたが(笑)、まぁ鶴瓶ファンには御愛嬌ということで。

最初に鶴瓶版「死神」を最初に聞いたのが2007年9月6日の東西落語研鑽会、2回目が2008年7月21日 、大銀座落語祭グランドフィナーレ、そして今回が3回目。

この鶴瓶版「死神」、最大の特徴は死神が女性となり、元来が「ダメ男の破滅譚」みたいな物語に男女の機微を絡ませたところです。どう考えても難しくなってる。
 男に対して肩入れして「あ〜あ、それじゃダメやんか」となるか、男に対して「ざまぁみろ」と思うか、という選択肢に加えて、女に対して「良かったね」と思うか、「やっぱり残酷だな」と思うか、選択肢が倍増した分、観客の気持ちも散りやすいと思います。それを演者の意図する方向に収束させなければいけない。
 初回はどうやら意図した方向と違ったようですが、2回目以降は成功しているように思えます。

途中で男が「死にかけの病人を助けられる」ということで浮かれていくハナシをかなり大胆に切り捨てていることで、少し繋がりが悪い気もするのですが、大筋としては男の方への感情移入は浅くなりますし、サゲの工夫で女の方へ誘導されている気がします。

最初のサゲは動作のみの「蛇含草」みたいなタイプのでしたが、2回目はセリフで落とすことにして今回もそれを踏襲、ですが、セリフ回しは細やかになって、より「死神」である女の気持ちが判る。

よくよく考えてみれば、この「死神」、元々は怪談話に近い訳で、本筋に戻した気もします。

女の幽霊が惚れた男に取り憑いて殺してしまい、幽霊同士、あの世で添い遂げようとする、これは日本の怪談の本筋、少なくとも大きな流れですね。恨みや嫉妬で取り殺すタイプとはまた別に、純粋に恋い焦がれて「あの世」に引きずり込むようなハナシ。

この鶴瓶版「死神」はそこまでの激しさは無い、というか死神に「悪意は無かった」ことを説明するためにサゲのセリフを付け足したような気もします。

それでもサゲとして少しゾッとする気分も残るんですね、特に男側からすると。

女心の深さというか、暗闇というか。

そういう意味では日本のこの手の幽霊というか日本人のメンタリティって元来がストーカー的なんでしょうから、今日の月亭可朝復帰公演に似合ってたのかも(笑)。

まぁ今日も面白い会でした。30回お目出度う御座います。



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2008年09月09日

【芸】第29回東西落語研鑽会 4

およそ2ヶ月に1回の東西落語研鑽会

夏は拡大版の「大銀座落語祭」となるので連番上は5月以来となる。

今回はこの主催の「全国落語台本コンクール」の受賞作発表も兼ねた会でしたが、少々無理矢理詰め込んだ感もある程に盛り沢山でした。

東西落語研鑽会としては「小米朝」名では最後だからでしょうか、後半は「京の噺」特集という趣向で、それも面白かったです。
第29回東西落語研鑽会

会 場 有楽町よみうりホール
 (ビックカメラ 7F)
日 時 2008年9月9日(火)
 午後6時00分開場 6時30分開演
木戸銭  3,800円(全席指定)
 (当日 4,000円)
主 催 六 人 の 会

[第二十九回番組]------------
舟 弁 慶 」 桂 まん我
かんしゃく」 橘家圓太郎
「出てきて!お父さん」柳家喬太郎
【全国落語台本コンクール表彰式】
<仲入り>
〜〜京の噺特集〜〜
祇 園 祭 」 林家正蔵
池 田 屋 」 春風亭小朝
愛 宕 山 」 桂 小米朝

    お囃子 千葉しん社中
        大川貴子社中
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[参考]
上方落語メモ【世紀末亭】
落語のあらすじ 千字寄席
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落語検索エンジン「ご隠居」
東西落語特選
招笑亭
落語の舞台を歩く
落語インデックス

最初は上方落語から「船弁慶」、といっても船遊び以前で切る奴で、よくあるパターンの短い目。
 まん我さん、演じ分けも上手いし早口言葉みたいなこのネタでテンポ良く口開けの役を果たしてました。

2番目は江戸落語、といっても時代設定が大正時代ぐらいなので新作ってことなんでしょう、「かんしゃく」。圓太郎さんの「かんしゃく持ち」社長はなかなか「いかにも」感が有りますな。被害者(奥様とか)の描写がもっと細かい方が好きだけど。

3番目は今回のコンクールの受賞作。超新作。
 ここ3回、何故か主催の「六人の会」が演じない。3回連続口演となる柳家喬太郎さんもまずは「お決まりのそのグチ」から入ります(笑)。
 今回のコンクール、最優秀賞も優秀賞も無し、で佳作が2本。
公募情報、全国落語台本コンクール


全国落語台本コンクール 7/31〆切
ジャンル 落語台本
枚数 規定なし
概要 落語台本 (形式、時代設定、プロ、アマを問わずオリジナル未発表の作品に限る。二重投稿は不可。1人1作。)
応募規定 A4ワープロ原稿が望ましい。枚数、用紙等は自由。表紙に題名、氏名、住所、年齢、職業、電話等を明記。
応募資格 不問
賞金 大賞:50万円 優秀賞:30万円 佳作:20万円
発表 9月、入賞者に通知
選考委員
主催者 六人の会
応募先 〒110-0003 東京都台東区根岸2−10−12 
ねぎし事務所 全国落語台本コンクール 
http://www.joa.co.jp/

公募情報、全国落語台本コンクール

 演じられなかった方、他方の佳作は大阪弁の上方落語ということで演者となる喬太郎師匠は別な方を選んだとのことですが、その「2/3の嘘」は吉本の漫才師2丁拳銃小堀裕之さんの作。仕事が入ってたとのことで奥さんが子供2人連れて代わりに受け取りに来られました。芸人の嫁ということでなかなか(何故か?)舞台度胸も有る感じ。

 演じられたのはその内の1本、「出てきて!お父さん」、作者の木下真之さんはどうやら落語会の常連さんらしく、柳家喬太郎師匠とも旧知の間柄の様子。
 新作なのでこれからどのように変わるか分からない噺、下手にアラスジを書いてネタバレになっても無粋なので大雑把に言えば、父親が出社拒否の引き籠もりになった子供の担任が家庭訪問してのドタバタ。
 細かいクスグリやらは喬太郎師匠の創作っぽい、そうすると筋書き的には時代風刺ではあるけど理屈っぽいかな、という感じで笑いにくいし伝わりにくい。
 たしかに優秀賞ではなくて佳作どまりかもと。

仲入り後は何故かの説明も無く、「京都の噺」特集。

最初はこぶ平(笑)の「祇園祭」。どうも関西人なので林家正蔵という名前にも林家三平という人気者にも興味が無いせいか、純粋に「芸」として見てしまいますが・・・・たしかに昔より上手くなったとは思うのですけど・・・何というか・・・演じ分けの幅が狭いなぁと。京都弁の間延びした柔らかい「いやらしさ」みたいなのが言葉には出なくて、でも見た目はどっちかというと粋な江戸っ子ってよりはそっちに近く、でも単純に単にエキセントリックな嫌な京都人としか見えなくて、他方で江戸っ子が啖呵切ってまくし立てるところでは格好良さが見えなくて、なんだかイジメられた子供がスネてるみたいにしか見えなくて。。。たぶん見た目で損をしてるんでしょうけどねぇ。
 今回特に後ろに続く2人が達者だったから余計に荒が目立ったと言うことなんでしょうけど、何か工夫が欲しい。
 あと、このネタ、江戸囃子と祇園囃子をクチ真似で演じ分けなければならないんですが、早口言葉みたいな口達者さは有るんだけど音楽に聞こえない。。。下座音楽に愛着とかが無いのかな。好きな人なら身体の底から浮き立つような感じが滲み出る気がするんですけど。
 ただ、表彰式の地のトークは軽妙で出たり入ったりもいいバランスでなかなか面白いのですから、「自分なり」がいい方に出る時が来れば化けるかもしれませんね。少しずつ色が出て来てますし。

次が小朝の「池田屋」
 講談みたいなネタをマクラも無しに始めて、どうなるかと思ったら笑わせるところはチャンと作るし、時代もキャラも自由自在に操ってお見事な一編。春風亭の十八番らしく「いかにも」聞かせてくれました。

大トリは小米朝、もうすぐ米團治襲名ですから、そろそろ「小米朝」名では見納めということですね。米朝一門に限ったことでは有りませんが、今回の「愛宕山」も「枝雀さん」が見えてしまいますね。
 大旦那、舞妓に芸妓に幇間、茶店の婆と演じ分けの多いネタ、幇間2人の演じ分けや茶店の婆の細かいトコロなどは「枝雀さんの方が・・・」とは思ってしまうものの、その分、大旦那の貫禄は有って、掛け合いの面白さから意地の張り合いの滑稽さみたいな方にシフトしてる独自の味が有る気がします。


今回は表彰式も有るのに6ネタ、それもあまり短いとは言い難いようなのが多く、贅沢に面白い会でした。続きを読む

ruminn_master at 2008年09月09日 21:40 【芸】第29回東西落語研鑽会コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加

2008年07月21日

【楽】大銀座落語祭グランドフィナーレ 4

ほぼ全てのイベントがチケット完売となった後で追加講演のような形で売り出された「大銀座落語祭」の千秋楽、5年続いたこのイベントも今年でひとまず一区切りということで、その千秋楽でもありました。

まぁ素人歌舞伎のアラは割り引くとして(笑)も、場所は「グランドフィナーレ」に相応しく檜舞台の新橋演舞場、最後を飾るどの落語も充実していて、千秋楽に似つかわしい華やかな会だったと思います。

大銀座落語GF01
大銀座落語GF02

お待たせいたしました!「大銀座落語祭2008」今年も開催いたします!
2004年の開始以来、毎年初夏の銀座に笑いの渦を巻き起こしてきた大銀座落語祭。
本年ももちろん開催いたします。
5回目を迎える本年は、これまでの集大成として『落語の明日』をテーマに、できる限りたくさんの、次代を担う若手噺家を皆様にご紹介いたします。本年でファイナルとなる「大銀座落語祭」に是非ご来場ください。

気になる日程は2008年7月17日(木)〜7月21日(月・祝)の5日間。
銀座ブロッサム中央会館(7月18日〜20日)、新橋演舞場(7月21日)、時事通信ホール、博品館劇場、JUJIYA、よみうりホール(7月21日)、銀座小劇場、銀座みゆき館劇場、教文館ウェンライトホール他で開催されます。
日程 2008年7月17日(木)・18日(金)・19日(土)・20日(日)・21日(月・祝) 
主催 大銀座落語祭実行委員会
六人の会
全銀座会/銀座通連合会/西銀座通会
支援 文化庁、中央区

7月17日(木)〜21日(月・祝)大銀座落語祭2008
http://www.ginza.jp/select/event/rakugo/

大銀座落語祭2008グランドフィナーレ

会場:新橋演舞場
銀座6-18-2  03-3541-2600
7月21日(月・祝) 18:00開演(17:30開場)

第1部 『勧進帳』

配役

武蔵防弁慶:林家正蔵
源義経:林家いっ平
亀井六郎:春風亭一之輔
片岡八郎:林家たけ平
駿河次郎:古今亭菊六
常陸坊海尊:入船亭扇遊

番卒一:柳亭小燕枝
番卒ニ:柳家小里ん
番卒三:林家錦平
太刀持:林家小ぶた
富樫左衛門:桂小米朝

第2部 「桂三枝・笑福亭鶴瓶 二人会 」

(出演順)
三遊亭金時
笑福亭鶴瓶
〈仲入り〉
柳家花録
桂三枝

全席指定
料金:
一等席(一階席と二階席の一部の席)7,350円(税込) 
二等席(二階席一部と三階席)5,250円(税込)
Pコード:387-375

http://www.ginza.jp/select/event/rakugo/?page_id=53
http://www.ginza.jp/select/event/rakugo/?p=60
終わりました、大銀座落語祭
春風亭小朝公式サイト
-

daiginzaposter

第1部 歌舞伎十八番「勧進帳」
 (※指導: 坂東三津五郎丈)

笑いも何も一切無し、単に役者が噺家さんだというだけの真面目な歌舞伎の一幕です。

何と言っても本職でない噺家さんが、新橋演舞場の檜舞台で松羽目物の「勧進帳」、それを本物の囃子方、三味線・長唄が五丁五枚、小鼓三調、大鼓一丁、笛一挺に陰囃子と豪華な本寸法の演出でやらせて貰うんだから凄い「道楽」(笑)ですな。

小米朝は以前からの芝居噺の上手い印象の通りに声も通るし踊りも腰が据わってて「あ、こりゃキッチリ習ったこと有るな」と思ったけど、正蔵は慣れない芝居に無理矢理声を張り過ぎたのか声を潰してしまってるし全く腰が据わってない。弁慶なのに見せ場の六方も「それらしく」踏めてない。う〜ん。。。チャンと下積みしてませんな。。。

踊りにしても武術にしても、まぁ日本○○なんて芸事はおしなべて「普通に歩くこと」が一番難しいということを理屈の判った方々は仰います。
 という訳で(笑)、まぁ素人歌舞伎、役者となった噺家さん達の大半は歩き姿が何となく貧乏臭い、単純に言えば「様になってない」のでした。

同行のウチの親も小米朝は感心してたけど、トータルの印象は一言「豪華な学芸会」(笑)。

ま、祝い事ということで。たしかに華やかな気分になれました。

第2部 「桂三枝・笑福亭鶴瓶 二人会 」

看板の二人は上方落語協会の会長(四期目かな?)と副会長、吉本系と松竹系、上方落語の牽引車の揃い踏みというところ。
 共演、先に上がる金時さんは三遊亭金馬師匠の長男、仲入り後に上がる花緑さんは人間国宝、5代目柳家小さんの孫、6代目柳家小さんは叔父、ということでいずれも江戸落語のサラブレッド。

今回の大銀座落語祭のテーマが「落語の明日」ということで、たしかにグランドフィナーレに相応しい顔ぶれかと思います。

三遊亭金時 「紙屑屋

このハナシは演者によって演出も色々、上方落語だと「浮かれの屑より」、その上方落語の方は前回の東西落語研鑽会でしたか染丸師匠がやってましたが、またそれとは違う江戸の味わい、金時さんのもなかなか面白い。長唄・小唄に都々逸と芸の幅が試されるネタですな。

笑福亭鶴瓶 「死神

以前に東西落語研鑽会にかけた鶴瓶版「死神」の再演ですが演出をかなり捻って来ましたね。
 以前のもかなり良かったように思うのですが ( 泰葉さんのブログの2007/09/07 記事でも評価されてますな。この当時はまだ小朝夫人だった訳ですが )、御本人は納得されてなかったそうで、どうやら無駄を省いたのと筋を分かり易く練り直した感じです。

でもなぁ、、、一点引っ掛かるかな。。。

少々のネタバレとなりますが、更なる改良を欲して敢えて、サゲを割らない程度に言うとすれば、何が違うって鍵となる死神が幼馴染みの女だってのが一番の違いなんですが、彼女の子供時代のアダ名が「バケモノ」なんですね。これは2年前に初めて聴いた時には無かった設定でした。

どうやら身体が大きくて力持ちだった女の子、そりゃ子供の頃のアダ名ですから「村一番の美人」であっても「バケモノ」って言われるかも知れません。本名「おあき」の設定は和田アキ子さんイメージでしょうか(笑)。

しかし死神ですから一般名称としてもモノノケ、妖怪、つまり「バケモノ」な訳で、そのイメージに引きずられて感情移入が少し邪魔される感じです。観客も彼女を好きになる程でないと上手く落ちない感じの筋書きなのですが、その「バケモノ」って言葉の持つ強い響きに、その度にギクッとさせられる、その存在を遠ざけたく思えてしまう。

前回の感想で自分は以下のように書いてます。
今回の「鶴瓶版 死神」は、ダメ男だけど女に対する愛情が有り、それは誘惑に揺れる情けなさもあるし、後先の見えない情けなさもあるけれど、終わった後には「あ〜あ」「そんなんじゃダメじゃん・・・」って主人公と一緒になって残念な心持ちになる気がします。


今回はさらにサゲを一捻りしてあり、その点は上手い工夫だと思えただけに、先の「バケモノ」ゆえに遠ざけたくなる気持ちが少々残念でした。

それでも「イイ噺」ですけどね、鶴瓶版「死神」。

〈仲入り〉

柳家 花緑 「不動坊

これも色んな演者で聞いた噺ですが、これが江戸落語のカタチなのか花緑さん独特なのか、単刀直入に「打ち合わせ」シーンに入り、嫁を貰う経緯やそれに浮かれる部分をアッサリとした説明で済ます今回のような演出も山場が分散しなくて正解に思います。元々のサゲらしい「幽霊稼ぎ人」と「遊芸稼ぎ人」の洒落オチは現代じゃ通じませんので、今回も別のサゲが作られてました。

桂  三枝 「誕生日」

桂三枝さんはいつも通りに古典ではなく独自の創作落語ですが、この噺は何度か聴いています。そうして考えてみると、古典も創作も大きな違いは無いですね。古典だって演者が歴史の中で工夫を積み重ねて伝承されているものだし、創作落語といえども演ずる度に工夫され、いずれ佳作は後世に残るのでしょうから。

噺自体、よくできたハナシで面白いですが、三枝師匠は間が抜群だと思うのです。マクラとネタの繋ぎ目も極く自然で、スムーズにハナシに惹き込まれて行きますし。

[参考]
上方落語メモ【世紀末亭】
落語のあらすじ 千字寄席
---
落語検索エンジン「ご隠居」
東西落語特選
招笑亭
落語の舞台を歩く

落語の4席はどれも聞き応えあって、さすが千秋楽に相応しい。


全ての演目が終わり、一度幕が下りたところで再び幕が上がり、グランドフィナーレらしく本日の主な出演者に加えて、別会場に居た人も駆けつけての「六人の会」勢揃いなご挨拶。

そのヤリトリも贅沢な演芸という感じでした。

「大銀座落語祭」がひとまず終わるその挨拶。

そして昔テレビ(徹子の部屋?)でしたか小朝さんが「この落語祭を将来は全国各地でやりたい」と言っていたのをまさしく実現する第1弾として、来年の告知。

暗転した会場、ステージ上のスクリーンに大写しになったのは東国原宮崎県知事。

どうやら来年10月の連休を使って宮崎大落語祭だそう。

旅立ちですな。

最後は関東三本締めで「お開き」。

大銀座落語GF03

いつもの東西落語の倍もしたけど、さすが面白いイベントでした。

ruminn_master at 2008年07月21日 21:33 【楽】大銀座落語祭グランドフィナーレコメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加

2008年05月15日

【芸】第28回東西落語研鑽会 4

久々の鶴瓶登場。昨秋の「死神」以来。

およそ2ヶ月に1回の東西落語研鑽会

今回は全体のバランスも良くて、イイ席でした。

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第28回東西落語研鑽会

会 場 有楽町よみうりホール
 (ビックカメラ 7F)
日 時 2008年5月15日(木)
 午後6時00分開場 6時30分開演
木戸銭  3,800円(全席指定)
 (当日 4,000円)
主 催 六 人 の 会
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[第二十八回番組]------------
あみだ 池  林家 市楼
片   棒  柳亭 市馬
風 来 坊  桂  文珍
<仲入り>
回 覧 板  笑福亭鶴瓶
竹の水仙   柳家 花緑

    お囃子 千葉しん社中
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[参考]
上方落語メモ【世紀末亭】
落語のあらすじ 千字寄席
---
落語検索エンジン「ご隠居」
東西落語特選
招笑亭
落語の舞台を歩く


最初のあみだ池、大阪の地名がタイトルで、江戸落語に移されると新聞記事ってネタとなり、それも聴いた記憶がありますが、いずれにしてもテンポの良さが肝心のハナシだと感じます。
 かといって早口にまくしたてるとイマイチ「腑に落ちない」感覚になるし、ダジャレみたいなクスグリ部分で遊び過ぎるとダレます。筋運びは単純ですが上手い人がやると図抜けて面白い。
 もう一息落ち着いてまとめて欲しかったかな。オチ前ぐらいで結構笑わせてくれたから上手い人だとは思います。

次の片棒柳亭 市馬さんは笛や謡をなかなか聴かせてくれて、ホントに芸達者。このハナシ自体結構好きなので単純に面白かった。

中トリは文珍の風来坊、元来は大昔に柳家金語樓が自作自演した「人間アドバルーン」を移したものだそう(パンフに横澤さん〜元フジTVのP〜が一文を寄せてた)。
 時代が新しい噺というのもあり、マクラから本題まで切れ目無くスムーズに笑わせてくれました。この人は緩急が上手いですな。

仲入り明けは鶴瓶の私小説ならぬ私落語で回覧板。「ぬかるみの世界」から「パペポTV」まで昔からの鶴瓶フリークとしては、タイトルを見ただけで何のハナシか丸わかりです(笑)。
 知ってるハナシでも何度聞いても腹抱えて大笑い出来る内容なんですが、自分みたいなフリークで無くても、ある意味タイトルが「サゲを割ってる」ので、「たべにぃ」とか「助けて〜」とか(笑)、タイトル変えた方がいいんじゃないかと思います。

大トリは久々の柳家花緑で竹の水仙。元は上方落語らしい左甚五郎名人伝のひとつです。
 「みなさん笑い疲れてませんか?」って切り込みでしたが、おそらく予想されたんでしょう、笑い疲れに丁度いい落ち着いた噺だし、サムライの上手い花緑さんですから楽しめました。


夏は大銀座落語祭で東西落語、次回は秋だそう。


帰りはいつもの魚や
いつもどおりに豆鯵塩焼桶寿司など。

魚や02豆鯵
魚や03桶寿司

夏牡蠣がもう出てました。

魚や01夏ガキ


ruminn_master at 2008年05月15日 22:39 【芸】第28回東西落語研鑽会コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加

2008年03月10日

【芸】第27回 東西落語研鑽会 4

今回も座席が最前列の真正面。この席だと周囲の雑音とか雑景が気にならなくて噺に集中出来るので面白い。寒空のぴあで早朝に2時間も並んだだけのことはあります。

大ネタこそ無かったけど、どれもハズレ無しで面白かったね。

およそ2ヶ月に1回の東西落語研鑽会

(とうとう今までリンク張ってた「研鑽会」ページが無くなったよ。過去の演目データとかモッタイナイ気もするなぁ。観客だけの思いなんだろうけど。。。自分も全部は記事として掲げてないけど、ほぼ皆勤なんだし、そのうち記録だけはしときましょう)

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第27回東西落語研鑽会

会 場 有楽町よみうりホール
 (ビックカメラ 7F)
日 時 2008年3月10日(月)
 午後6時00分開場 6時30分開演
木戸銭  3,800円(全席指定)
 (当日 4,000円)
主 催 六 人 の 会
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[第二十七回番組]------------
桂 あやめ 「ちりとてちん
春風亭小朝 「代書屋
月亭 可朝 「次の御用日
<仲入り>
林家たい平 「粗忽長屋
桂 三 枝 「赤とんぼ」

    お囃子 太田その社中
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[参考]
上方落語メモ【世紀末亭】
落語のあらすじ 千字寄席
---
落語検索エンジン「ご隠居」
東西落語特選
招笑亭
落語の舞台を歩く

そうそう、毎回貰えるパンフレット、厚手の折紙の1枚物ですが、批評家さんなんかの文章や当日の番組表、次回予告が掲載されてます。
 ところが今回は出演者リストではあったけど演目は非掲載。次回予告も曖昧。なんとなく簡素なパンフになっちゃってます。う〜んこんなところにも離婚騒動が影響してるのでしょうか。

さて

最初のあやめさんの「ちりとてちん」、江戸落語で言うと「酢豆腐」だが、千字寄席によれば由緒は江戸落語とのこと。上方落語に移ると上方落語らしくハメモノを活かした「ちりとてちん」に。
 実はつい先日にNHKの朝ドラとのつながりで深夜に上方落語の5夜連続企画が有って、文枝師匠の「愛宕山」「たちきれ線香」、米朝師匠の「はてなの茶碗」が目玉で全部楽しんだところだったんだけど、その3夜目が「ちりとてちん」、南光(べかこ)さんとこのあやめさんの2席。男版と女版。
 そうあやめさんのは珍しい「芸者バージョン」です。女が男をするのは男が女をするより難しい気がしますが(下手をすると下品になるので)、ワリと腑に落ちた感じで見れました。弾けるところでは何となく枝雀師匠が見えました(笑)。
 サゲはNHKで放送したバージョンからさらに一捻りしてましたね。NHKの方が一般的な負け惜しみバージョンでしたが、今回の高座のはいわば「ブチキレ」バージョンで旦那の口に無理矢理押し込んで感想を言わすという珍しいもの。そこまでのプロセスでキレキャラに描かれてるという訳でもないから少々違和感有るかなぁ。。。

次の小朝さんは、膝隠しと見台を片付けなかったのでアレ?って思ってたら上方落語由来の「代書屋」。米朝さんの師匠のネタらしいけど、自分は春団治さんの枝雀さんので馴染んでるハナシ。江戸落語では談志師匠のが有名ですが、登場人物のバラエティが豊富でかなり違った風情に思います。
 今回のは「一行抹消」とか細かい所作が描写されてるところは上方落語の原型に近いかなと思いました。主人公の名前も「松本」で枝雀さんのと同じだし(留五郎ではないけれど(笑))。
 主催者側な訳ですから時間調整に気を遣って長短自在なネタにしたのかな。次の可朝さんも米朝一門だからそういう気遣いかも知れません。

中トリの可朝さんは、羽織姿だけどカンカン帽、でもギターは無し(笑)、上方落語なのに膝隠しと見台は片付けちゃうし、で、マクラの間中ずっと「漫談で終わるんかな?」って疑ってた(笑)ら古典の「次の御用日」。
 生は勿論テレビも含めて可朝さんの古典落語って自分は初めて聴いたと思いますが、あんましやらないにしては達者だなぁ、と思いました。帰ってからネットで調べたらやっぱりそれなりに実力を評価する声が多いので、なるほどなぁ、でしたね。
 勝手放題のバクチ好きで何とも言えず下品ですが(笑)笑わせるチカラは全身から滲み出るような師匠ですからさすが面白かったです。「次の御用日」の聴かせ処でもある物売りの声とかも味があったし。

仲入り明けはたい平さんの「粗忽長屋」。あんまり馴染みがないんですが、今回唯一の江戸の古典という味わいで良かったですね。サゲも一般的なのよりもう一捻りあってスッキリ落ちたし。

大トリの三枝さんはやっぱりの創作落語、あいかわらずキッチリ笑わせてくれるなぁ、って思います。新作と言うにはずっとやってるネタなんでしょうけど、童謡好きの上司に巻き込まれるサラリーマンの苦難、最後の逆転劇がもっと広がれば「らくだ」みたいな展開ですが、まぁその手前かな?
 古典落語だと観客との予定調和があって「ココで笑う」って待ちかまえてるところに落とす感じですが、耳馴染みのない創作落語というのは聴く方が探る気分ですから独特ですね。三枝さんは「困らせる」「困らせられる」人を描くのが上手いなぁ、って思います。


今回も当たりでした。

ruminn_master at 2008年03月10日 21:15 【芸】第27回 東西落語研鑽会コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加

2008年01月29日

【芸】第26回 東西落語研鑽会 5

座席が最前列の真正面だったってのも少しはあるだろうけど、今日は揃って聞き応え・見応えが有りました。

林家染丸さん(若い頃の染二さんの記憶が懐かしい)の「浮かれの屑より」は噂には聞いてたけどお見事。

自分は母が日舞、祖母が長唄・小唄・常磐津の名取り、子供時分のオモチャが大正琴って(道楽者が保証されたような(笑))育ちなので、「ハメモノ」入りの噺って大好きです。


およそ2ヶ月に1回の東西落語研鑽会

(「研鑽会」ページにリンクはしたものの去年9月の第24回を最後に更新が無い。まぁ小朝さんの「あの件」が去年の11月13日、第25回は11月26日だものね。裏方をしてたのは奥方様だって言うし、当面というか今後はどうなることやらかな?とりあえず小朝さんの新しいHPは動き出してるけど今のトコロあまり内容は無い感じ〜デザインは凝ってるけど(笑)〜で、東西落語に関する告知も見あたらないです。)

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第26回東西落語研鑽会

会 場 有楽町よみうりホール
 (ビックカメラ 7F)
日 時 2008年1月29日(火)
 午後6時00分開場 6時30分開演
木戸銭  3,800円(全席指定)
 (当日 4,000円)
主 催 六 人 の 会
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[第二十六回番組]------------
柳家 三三 「権助提灯
桂 春団治 「鋳掛屋
柳家小三治 「あくび指南
--仲入り--
春風亭昇太 「茶の湯
林家 染丸 「天下一 浮かれの屑より
 (三味線 山澤由江、鳴物 林家染左・林家染雀)
    お囃子 太田その社中
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[参考]
上方落語メモ【世紀末亭】
落語のあらすじ 千字寄席
---
落語検索エンジン「ご隠居」
東西落語特選
招笑亭
落語の舞台を歩く


最初の柳家 三三(さんざ)さんってのは中トリの小三治さんのお弟子さんだとか。で、文化庁芸術祭新人賞受賞ホヤホヤだそうで。たしかに達者ですな。声が良いので聞きやすいし。(今回キャラの使い分けがサゲで見失われた感じだったけど。。。)

次の春団治師匠は淡々と上方落語を古いままに「語る」感じ。何度もこの東西落語に出られてますが毎度マクラすら無いんだけど、語り口調で自然に引き込まれる渋い芸です。今回の「鋳掛屋」はあまり他で聞かないネタだし山場もサゲも無いような噺で、まぁ深いダシの利いた素うどん(笑)みたいな感じでしょうか。

中トリの柳屋小三治さんは淡々と、を通り越して陰々滅々(笑)、と始まったと思ったら噺の中の世界の抑揚は明確で独特の世界ですな、毎度。馬場のファミレスで夜中にお見かけしたりしますが(笑)。それでもこの「あくび指南」は気合いの入った(笑)方だった気がします。
 そうそう、小三治さん、春団治師匠の出た映画「そうかもしれない」(小三治さんも通行人Aだったそうな)をしきりに勧めてましたね。見てみよ。


仲入り明けは六人の会から春風亭昇太さん、大きなネタじゃないけど久々の古典。この人はストーリーがどうのっていうより細かい振幅でずっと笑わせてくれる感じで「笑いに来た」って満足感を貰えます。座布団の上で暴れまくる感じは枝雀さんを思わせてくれますな。

トリは上方落語協会副会長で朝ドラ「ちりとてちん」の落語監修&月に1度は出演(笑)の林家染丸さん。自分には子供の頃(大阪に居た)にテレビで見た三味線弾きの「染二師匠」ってイメージが強い。そういうのもあって踊りや三味線が達者なのは知っていたけど、この噺となると「余人の追随を許さず」って感じじゃなかろうか。
 座敷のチャリ舞「吉兆まわし」、立方(男性)の舞踊「吉野山」(『義経千本桜』より)、女方の舞踊『京鹿子娘道成寺』を一人で踊り分ける(参考:田辺寄席世話人会HP)
 まぁ他の演者にはそれぞれの演出の工夫もあるのでしょうが(現に江戸落語に改題された「紙屑屋」では上方落語のようなハメモノは無かったりする訳だし)、染丸さんのように謡や舞で「見せる」チカラってのは一朝一夕に身に付くモノではないし、高座での噺の中での踊りとして中腰で通すために足腰が強くないとできない、という点で上の世代の大師匠達には難しくなる訳だから、これは結構な演目でした。
 小三治師匠のお弟子さんらしい下座さんが東西落語研鑽会ではいつも控えてらっしゃるんですが、さすがにこの演目は上方から囃子方さんをわざわざ連れてきてました。


今日は「当たり」ばかりのいい席だったです。

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平成紅梅亭 特選落語会 上方落語の神髄 大御所の会
紫綬褒賞授賞記念 三代目桂春団治 其の一
紫綬褒賞授賞記念 三代目桂春団治 其の二
紫綬褒賞授賞記念 三代目桂春団治 其の三
紫綬褒賞授賞記念 三代目桂春団治 其の四
紫綬褒賞授賞記念 三代目桂春団治 其の五
極付十番 三代目 桂春團治 DVD-BOX
そうかもしれない
そうかもしれない―耕治人命終三部作


ruminn_master at 2008年01月29日 21:16 【芸】第26回 東西落語研鑽会コメント(6)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加

2007年09月06日

【芸】第24回東西落語研鑽会 5

う〜む。「鶴瓶版 死神」は後世に残るかも。

およそ2ヶ月に1回の東西落語研鑽会

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第24回東西落語研鑽会

会 場 有楽町よみうりホール
 (ビックカメラ 7F)
日 時 2007年9月6日(木)
 午後6時00分開場 6時30分開演
木戸銭  3,800円(全席指定)
 (当日 4,000円)
主 催 六 人 の 会
  お問合せ 春々堂 筺****(引用に当たり省略)
※未就学児のご入場はご遠慮ください。
※よみうりホールには障害者用のお手洗いはございません。
http://www.rakugokai.com/kensan-kai/touzairakugo.html
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[第二十四回番組]------------

林家 花 丸 「千早ふる

柳亭 市 馬 「味噌蔵

柳家 小満ん 「二階ぞめき

( 仲入り )

立川 志の輔 「三方一両損

笑福亭 鶴瓶 「鶴瓶版 死神

    お囃子 太田その社中
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[参考]
上方落語メモ【世紀末亭】
落語検索エンジン「ご隠居」
落語のあらすじ 千字寄席
---
東西落語特選
招笑亭
落語の舞台を歩く


一番手の林家花丸さんは上方の林家染丸さんのお弟子さんで上方落語。
 この「千早振る」にも色々有って、江戸落語にも「千早振る」が有りますが、その上方落語版、というか、細かいところが結構自由な感じ。今回のは若々しくてそれなりに面白かった。
 まぁこのハナシ、有名すぎて普通にやっても「落語のお稽古」見せられてるようで面白くないものね(笑)。

二番手の柳亭市馬さんは前にも東西落語で見たな。「味噌蔵」も誰かで見たな。
 なんだけど市馬さん声がイイですな。江戸落語を聞いてる気がする、というか(それは当たり前だけど)演じ分けの幅が達者ですね。このハナシ、中で磯節が出てくるのだけどチャンと聴かせるし。

中トリの柳家小満んさんは更に上を行く達者な感じ。拍手や掛け声も目当ての常連さんが来ていたようだし、何だかファンサイトみたいなのもある。他にWikiはてななど。今日のパンフの解説にも「玄人好み」「落語界一の粋人」なんて書いてある。
 今日のネタの「二階ぞめき」、まるで「見てきたような」郭噺、「ぞめき」とは「騒」と書いて、連れだって郭の店先を冷やかして歩くこと、それが何より楽しみって道楽息子のハナシだけど、いろんな川柳を織り交ぜたり、江戸っ子の啖呵や粋、吉原の風情・作法に至るまで、まるで柳家小満ん師匠が実際にそこに居て体験を語ってるかのような臨場感を味わわされ、落語の持つ観客の空想力に働きかけてバーチャル体験させるパワーを感じました。
 う〜ん。たしかにこれは「芸」ですね。

仲入り明けの立川志の輔さんは毎度毎度面白くて「外れの無い」人だと思ってる。この東西落語の席では創作落語が多いけど今日は古典、講談ネタから来た「三方一両損」。
 元は講談「大岡政談」の一つということですが、それ自体が二次創作でネタ元は京都のハナシらしい
 (テレビの「大岡越前」は講談ではなく落語の方を下地にしたらしい。)
 さらにこのサイトによるとネタ元は井原西鶴ってことになってるが、井原西鶴「本朝桜陰比事」(1689)のネタ元が京都のハナシ、つまり「板倉政要」ということなので、もしかして落語は玄孫引きぐらいか(笑)。
 ネットを渉猟していたら志の輔師匠自身がこのネタについて語ってるページ(毎日新聞連載の一部らしい)も有った。
 江戸っ子、それも気の短い職人衆を描くと志の輔さん似合います(笑)。

今日の大トリは笑福亭 鶴瓶、実質ネタ降ろしだそうな「鶴瓶版 死神」。
 元は三遊亭圓朝の作った怪談話(真景累ヶ淵とか牡丹燈籠の作者だし)らしいから江戸落語新作落語ですね。
 しかしその元ネタとなるとそれだけで本が出てるぐらいヤヤコシイらしいけど、上記リンクの「千字寄席」や「死神の舞台を歩く」に依れば、グリム童話→イタリアのコミック・オペラ「クリスピーノと死神」→圓朝作「死神」だとか。
 その段階では怪談らしい落語だったのを、その後の演者がアレコレやと落とし話らしくサゲや運びを工夫してきたようです。
 それでも死神は「いかにも」「らしい」「男」であり、主人公は金に目が眩んで情けない末路となるダメ男、裏切られた死神は義理か気まぐれで一度は生かした主人公を最後は(直接ではないにせよ)殺してしまう、そういうハナシ。

 ところがこの「鶴瓶版」と銘打った「死神」、かなり大胆な換骨奪胎をしています。それがまた今までに無い「チョットいいハナシ」にしている気がします。
 呪文が「テケレッツのパ」ではない(笑)、ってだけじゃありません。
 あまり書いてしまうとネタバレしてしまうし、まだ改良していくと思うのでここでは大雑把に書きますけど、死神は複数登場し、主人公と絡むのは「若くて美しい女」、主人公はダメ男ではあるけれど、何だか許せる奴。ラストシーンでも何となく同情する気にもさせられる程。そこには鶴瓶さん自身の持つ他人に対する優しい目が有るように思います。
 鶴瓶さんの悪いクセという気がしてるのだけどサゲに向けて早口になっていって情感が逃げてしまう面はありますが、、、それでも大昔の落語をやらなかった「ぬかるみ」の頃からのファンとしては、落語が上手くなってきたなぁ、って思います。

 今までの「死神」は金銭欲・物欲に負けて「やっぱり」「救いようのない」ダメ男のハナシでしたから、終わった後に寂寥感というか殺伐とした気が残ったものでしたが、今回の「鶴瓶版 死神」は、ダメ男だけど女に対する愛情が有り、それは誘惑に揺れる情けなさもあるし、後先の見えない情けなさもあるけれど、終わった後には「あ〜あ」「そんなんじゃダメじゃん・・・」って主人公と一緒になって残念な心持ちになる気がします。
 今までの「死神」では見終わったときの観客の視点は死神側だと思いますが、「鶴瓶版 死神」では主人公の男の側に居た感触が残っています。

 この「鶴瓶版 死神」は後々残るかも知れないと思う。


それにしても今日は江戸落語は江戸の粋を存分に、上方落語も人情や滑稽などいかにも「それらしく」、みんな様ざまに工夫して、それが当たってた感じ。

二十四回最初から継続して通ってますが、今回はかなりいい日でした。



ruminn_master at 2007年09月06日 21:28 【芸】第24回東西落語研鑽会コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加

2007年07月16日

【芸】大銀座落語祭2007千秋楽(昼席) 3

さて今年の大銀座落語祭の最終日、夜席の華は鶴瓶、昼席は米朝師匠が華、一般発売で取り損ねて売り切れてたのでヤフオクで、結構プレミア付きでしたが米朝師匠のだけ何とか取って見に行きました。

大銀座千秋楽01

米朝さん久々なので「元気かなぁ」ってノリです。
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■究極の東西寄席

 会場:銀座ブロッサム中央会館
  銀座2-15-6 03-3542-8585
  有楽町線 新富町駅 1番出口 徒歩1分
  日比谷線/浅草線 東銀座駅 3・5番出口 徒歩8分
■客席、ホワイエ:飲食不可/自動販売機:なし/喫煙:2階席ホワイエ、1階出入口外に灰皿あり
■料金(各ブロック) 全席指定 S席 5,000円/A席 4,500円
■開場はそれぞれのブロックの30分前です

7月16日(月・祝) [Gブロック] 12:00開演

第1部 小沢昭一加藤 武 名優二人会
第2部 待ってました! 桂 米朝(インタビュアー:小沢昭一
第3部 柳家小三治の会

http://www.ginza.jp/select/event/rakugo/01.html
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大銀座千秋楽02

【第1部】小沢昭一加藤 武 名優二人会

加藤 武:朗読「宮本武蔵」(吉川英治)より「宍戸梅軒」より

さすが名優って感じで、なるほど聴かせる朗読ですな。

小沢昭一:口演「榎物語」(永井荷風)

この「榎物語」は劇団1980の公演で古澤さんがやったので3回程見てるし、そのときに小沢昭一さんのCDも買って聴いてた馴染みの作品。
 どうやら小沢昭一さんの持ちネタっていうか十八番らしい。
唸る、語る、小沢昭一の世界「節談説教板敷山/榎物語」

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 市外荏原郡世田ヶ谷町に満行寺という小さな寺がある。その寺に、今から三四代前とやらの住職が寂滅の際に、わしが死んでも五十年たった後でなくては、この文庫はあけてはならない、と遺言したとか言い伝えられた堅固な姫路革の篋があった。
 大正某年の某月がちょうどその五十年になったので、その時の住持は錠前を打ち破して篋をあけて見た。すると中には何やら細字でしたためた文書が一通収められてあって、次のようなことがかいてあったそうである。

 愚僧儀一生涯の行状、懺悔のためその大略をここに認めおき候もの也。
 愚僧儀はもと西国□□藩の御家臣深沢重右衛門と申し候者の次男にてこれあり候。不束ながら行末は儒者とも相成り家名を揚げたき心願にてこれあり候ところ、十五歳の春、父上は殿様御帰国のみぎり御供廻り仰せつけられそのまま御国詰になされ侯により、愚僧は芝山内青樹院と申す学寮の住職雲石殿、年来父上とは眤懇の間柄にてこれあり候まま、右の学寮に寄宿仕り、従前通り江戸御屋敷お抱えの儒者松下先生に就きて朱子学出精罷りあり候ところ、月日たつにつれ自然出家の念願起り来り、十七歳の春剃髪致し、宗学修業専念に心がけ候間、寮主雲石殿も末頼もしき者に思し召され、・・・

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文語調で滔々と語るかと思えば木魚や鉦がリズムを刻んでアホダラ教みたいな崩し方をしたりなど、小沢昭一の幅広い芸能経験が巧く溶け込んでさすがです。

本物が生で聴けてなかなか面白かった。

【第2部】待ってました! 桂 米朝(インタビュアー:小沢昭一

もしかして落語を少しでもやるかと楽しみにしてたら米朝さんの体調が優れないのか椅子に座っての対談、それもあまり長い時間ではありませんでした。
 内容は加藤武さんと小沢昭一さんが早稲田で学生演劇やってた頃の武勇伝なんかや、共に師事していた作家で落語・寄席研究家の正岡 容(まさおか いるる)さんの思い出話など。

ただ、関東の小沢昭一さんと関西の米朝さんでは「間」が違うので、関西の自分が見てると次の拍子で米朝さんが喋り出す、ってタイミングで小沢昭一さんが待ちきれずにハナシを取ってしまって、結構聞いてる方はイライラさせられました。
 まぁ米朝さんの体調を考えて「あまり喋らせないでおこう」「早く切り上げよう」となった感じがしました。

【第3部】柳家小三治の会

その煽りを食って早めに高座に上げられてしまった感じの小三治さん。

「ほんとにトシヨリはワガママで・・」みたいなことをブツクサ言いながらの登場。

演目は「天災」。

落語のあらすじ、千字寄席
東西落語特選
落語「天災」の舞台を歩く
根多データベース
上方落語メモ「天災」

こういう惚けた味の落語は似合う人ですな。

でもなぁ。。。

今日はそこまでの時間に本格的な落語が皆無だった訳で、最後ぐらいは大きなネタを聴きたかったと思います。

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それぞれがそれなりに面白かったけど、やっぱり米朝さんを「ちょっとだけでも」聴きたかったなぁってのが正直なトコロでした。

大銀座千秋楽03



さて大銀座落語祭の総括としては・・・

今回の自分は変化球ばかり選んだ感じでして、このイベント「どの高座を見に行ったか」で印象がかなり違うと思いますので、「爆笑」とか「色物」って感じのは以下の記事が羨ましい。

大銀座落語祭2007ぶった切り-[落語]Allabout(14日の様子)
大銀座落語祭2007ぶった切り・その2-[落語]Allabout(15日の様子)

でも一つの怪談を数日の間に講談・映画・落語で味わうなんてなかなかできないし、名優の朗読もなかなか足を運ぶ機会は無いので、これはこれでいい経験だったな、と。

不愉快だった経験としてはイベントが立て込んでるのでやむをえない面もあるんだけど、遅刻や途中退出者が多くてねぇ。しかも足音が現代人デカイし。
 そんでもって会場の案内係がどこぞのコンサートの警備会社の影響なんだろうかと思うけどみんなスーツ着て革靴履き、それだから遅刻者の案内で出入りする度に「そいつら」の足音が一番耳障りだったんだよね。歌舞伎とか古い芝居のように黒子姿に雪駄履きとか足音のしないような、もっと「実質的に」目立たない工夫をして欲しいと切に願います。これは「改善しようと思えば簡単に出来る」ような気がします。イベント会社に任さなくても前座さんとか一杯居るんだろうし。

そういえば初日初回の怪談のとき、映画館との移動があった折の案内に、小朝さんとこの前座さん(それ以前?)に可愛い女の子が居ました。女性落語家ってまだまだ少ないけど(特に可愛いのとなると(笑))、この時代だからビジュアル的に魅力的な女性落語家もいずれ出てくるのでしょう。

「ブーム」というレベルは一過性にしても、まだまだ「落語」の世界は面白くなりそうだと期待します。

ruminn_master at 2007年07月16日 17:10 【芸】大銀座落語祭2007千秋楽(昼席)コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加

2007年05月30日

【芸】第23回 東西落語研鑽会 4

およそ2ヶ月に1回の東西落語研鑽会

今日のは上方落語が4本で、それを小朝が受けて立つ感じ。

「よ〜笑わしてもろた」ってな感じです。
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[第二十三回 番組]

桂  宗 助 「親子酒」
春風亭 小朝 「浜野矩随」
桂  ざこば 「子は鎹」
<仲入り>
笑福亭 鶴瓶 「長屋の傘」(私落語)
桂  春団治 「祝のし」

 下座 太田その社中
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(謝辞)m(__)m Thanks!
★上方落語ネタ参照上方落語メモ「世紀末亭」
★上方落語解説参照上方落語のネタ
★江戸落語ネタ参照落語検索エンジン「ご隠居」
★江戸落語ネタ及び解説参照落語のあらすじ千字寄席
★江戸落語ネタ背景?参照落語の舞台を歩く


今回は「親子」関係、
それに劣らぬ「師弟」関係、そんなテーマでしょうか。

最初の桂宗助の「親子酒」、
米朝師匠のお弟子さんだそうですが普通に聞きやすい。
この落語会のいいところは有名処を東西並べながら
最初の一人に知名度の低い人が入って何だか新鮮なところ。
寄席に行くと下手な人の方が多いから苦痛だし、
でも名人上手有名人ばっかりでもねぇ、、、
ってなところで、いいバランスだと思います。

小朝の「浜野矩随」、
まず読めない「矩随」は「のりゆき」という人名で
親父が名人という彫り師のハナシ。
親子の情の「いい噺」です。
前に円楽さんで聞いたのかな。

ざこばの「子は鎹」、
これも読めないですね、「かすがい」。
現代人は知らないだろう、ってことで
実物をステージに持って来て見せてはりました(笑)。

ざこば師匠は声は悪いのですが
さすがに話し方でチャンと子供と親父と奥方の落差が有るのでテレビなどの印象よりはずっと受け止めやすい落語家さんだと思います。

鶴瓶の「長屋の傘」、
私小説ならぬ私落語
鶴瓶の実話を元にネタに仕上げたもので
この「長屋の傘」が最初の作品だそう。
これは内弟子時代の松鶴師匠とのエピソード。
松鶴さんの人柄を知ってる層にはかなりのツボです。

そうそう、今回は、いわば持ちネタでしたが
次回は古典落語の大ネタ、
小朝尊師(笑)よりの宿題が出て
(しかも本日の出番直前に(笑))
次回〜秋〜の東西落語では
「死に神」をやるそうです。
秋には鶴瓶さん全国の芝居小屋を「鶴瓶のらくだ」で回るそうで、秋に向かって一層ハゲそうですな(笑)。

大トリは春団治師匠の「祝のし」。
春団治師匠は枕もアッサリと自然に噺に入られて
さすがの年季を感じさせますが、
客として素直に楽しむ意味では
さすがに心地よくて〆に相応しい。


「子は鎹」に出て来たウナギが美味そうで、無性に食べたくなりました。





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2007年01月31日

【芸】第21回 東西落語研鑽会 3

およそ2ヶ月に1回の東西落語研鑽会

今日のは全体に軽かったね。

大ネタも長講も無かったし。

でもまぁ軽いけどそこそこ面白いレベルで揃ってました。

(21回有って未だに大失敗は笑瓶だけだと思う)

[第二十一回番組]------------
桂   かい枝 堪忍袋
春風亭 昇 太 お見立て(*)
笑福亭 鶴 光 袈裟御前
 仲入り 
春風亭 小 朝 七段目(*)
桂   三 枝 誕生日

     下座 太田その社中
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[参考]
上方落語メモ【世紀末亭】
落語検索エンジン「ご隠居」
・*落語のあらすじ 千字寄席


最初の桂   かい枝って文枝さんの弟子なんだね。
次回の東西落語は文枝さんの追善だから
その露払いってところでしょうか。

自分が大阪を離れて長いから
上方落語の勢力図は知らないけど
期待してなかったのだけど結構運びも良くて面白かった。

ネタとしてサゲ自体に工夫が必要には思うけど。
(何で嫁の悪口を聞いた姑が元気になるのか、感情移入させて貰いたい)

次は六人の会から春風亭 昇 太
この人、上手いのも上手いと思うけどマクラが面白いんよね。
最初のかい枝と続けて客を騙して喜んでました(笑)。

仲入り前は笑福亭 鶴 光
ネタは講談みたいな噺なんだけど
細かいクスグリがリズム良くハナシを運んで
鶴光イメージとしては下品すぎることもなく
面白かった。

カタイ話はこんな変容も有るんだよね。

こぶ平(正蔵)も
講談ネタみたいな人情話多いけど
講釈師じゃなくて落語家らしく
ちゃんと笑わせて欲しい。。。

ってのは関西人のセンスかな?

仲入り後が春風亭 小 朝
マクラで
「今日みたいな軽い日もいいでしょう」
ってな言い訳が入りました(笑)。

まぁたまにはいいですけど。。。

ネタは歌舞伎ネタ。
ある程度知ってる人なら笑えるけど
東西落語研鑽会は客層が広いので
客席のウケも中途半端だった気もします。

昔は娯楽が少ないから歌舞伎は共通の教養、
それだからこそパロディみたいなこういうネタが活きたのでしょう。

演者とは関係ないけど
最後のサゲ、
小朝がクチにする一瞬前に
後ろの年寄りが
「あぁだから『七段目』」
って口走りやがって(笑)
もう!!!
年寄りになるとアチコチ締まりが無くなるから(笑)。

トリは紫綬褒章、上方落語協会会長の桂   三 枝
ネタはやっぱり新作落語。
大阪天満にできたばかりの繁盛亭の正月席に掛けてるぐらいだから練ったハナシなのでしょう。

でもなぁ。。。

考えオチでもないのだけど
登場人物が多いワリには
イマイチ描き分けが曖昧で
何だか最後は一拍置いて
「あ、そういうオチね」ってな感じ。

この人はどこまでも新作しかやらない気がしますが、
どうにも新作落語って軽いからねぇ。
でもって
今まで聞いたハナシでしか判断出来ないけど、
関西人の自分にとっても
志の輔の新作の方が笑いやすい。
何でだろう?
イマイチ個人的には面白みが大きくないです。


今日は上方落語から3席、江戸落語が2席。
寄席で慣れているせいなのか
江戸落語の人々の方が
マクラ、導入部の運びがスムーズで面白い気がしました。


上方落語も繁盛亭ができて変わっていくと面白いなぁ。


ruminn_master at 2007年01月31日 21:30 【芸】第21回 東西落語研鑽会コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加

2006年09月14日

【芸】第19回東西落語研鑽会 3

2ヶ月の一度の東西落語研鑽会
前回行き損ねて皆勤賞は逃したが、
コストパフォーマンスのいい落語会なので自分としては一生懸命チケット取って出掛けるイベント。
相変わらずの満員御礼の大人気。
客層も寄席や他の落語会と較べて非常に幅広いと思う。

第19回 東西落語研鑽会
平成18年9月14日(木)午後6時30分開演
 今回のプログラムの目玉はズバリ!正蔵が初演する<双蝶々>です。
これまでの温もりある落語から一変してヒールに挑む正蔵の悪党ぶりに注目です!!
そして、もうひとつのお楽しみは初登場の歌丸師匠。
勢いある若手の芸にかこまれて光を放つ円熟の芸に御期待下さい!!
皆様の御来場を心よりお待ち申し上げます。

会 場:有楽町よみうりホール
    (ビックカメラ 7F)
日 時:2006年9月14日(木)
 午後6時00分開場 6時30分開演
木戸銭:前売 3,500円(全席指定)
    【当日は500円増し】
主 催: 六 人 の 会
お問合せ:ねぎし事務所 筍娃-3873-0760
※未就学児のご入場はご遠慮ください。
※よみうりホールには障害者用のお手洗いはございません。
http://www.rakugokai.com/kensan-kai/touzairakugo.html


<番組>
桂    吉 坊 「商売根問とある解説
春風亭  昇 太 「青  菜千字寄席
桂    歌 丸 「井戸の茶碗千字寄席
 仲入り 
桂    雀三郎 「遊山船とある解説
林 家  正 蔵 「双蝶々背景解説

(謝辞)m(__)m Thanks!
★上方落語ネタ参照上方落語メモ「世紀末亭」
★上方落語解説参照上方落語のネタ
★江戸落語ネタ参照落語検索エンジン「ご隠居」
★江戸落語ネタ及び解説参照落語のあらすじ千字寄席
★江戸落語ネタ背景?参照落語の舞台を歩く


桂 吉坊は若くて元気がいい感じだけど一から十までテンションが高すぎて、まだメリハリがねぇ。。。
公式ファンサイトの紹介「桂吉朝の5番目弟子。桂米朝の孫弟子」を見る限り師匠筋は上品だから前途有望、って言いたいところだけど、当の師匠が死んじゃったから苦労してるだろうね。
ネタの商売根問は最初の「こぼれ梅」とサゲの「河太郎(ガタロ)」だけのショートバージョン。
「こぼれ梅」の行は枝雀さんが他のネタに混ぜたりしてたので馴染み深いです。

春風亭昇太の「青菜」は先週ネタを決めたときが暑かったので、との言い訳付きで涼しくなってしまった席に掛けてます。
これはネタ自体が馴染み有るものだけど、昇太さん勢いがあるからね、気分良くサゲまで運んでくれますな。

桂歌丸師匠の「井戸の茶碗」は上手いなぁやっぱり、って感じ。
声が武家噺に合ってるんですな。
気むずかしさと上品さが声に乗ってます。

桂雀三郎の「遊山船」は師匠の枝雀さんを彷彿とさせる語り口で楽しいんだけど、ネタのサゲ自体が説明口調なので少々勢いにブレーキが掛かったままに終わる感じで惜しい。

さて今回一番「???」だったのが最後の元こぶ平、林家正蔵の「双蝶々」。
人情噺に分類される全編で1時間半の長講ネタの一部をやりました。

人情噺ってのは
「ホロッとさせる」とか
「何だか心が温かくなった」とかだと思います。

この「双蝶々」は
(1)ガキの頃からの悪人が、
(2)奉公先の一人、二人と殺して逃げ、
(3)彷徨い巡って偶然に、乞食同然の両親と出会う、
その最後の遣り取り、再びの別れこそが「人情噺」なハナシです。

その大事な(3)を全てカットしてしまったので伏線になる(1)も全カット。
となると全く人情噺では無くなってます。

しかもこの噺、元が長講なためか(2)にクスグリが無い。
だからほとんど笑うこともできません。

長いからでしょうが
(1)と(2)を「小雀長吉(前・後)」、
(3)を「雪の子別れ」として区切って演じられることも少なくないようで、
林家正蔵さんだけの責任ではないですが
(2)だけって演じ方は客のこと考えてないなぁ、とか思います。

落語のカタルシスは緊張と緩和から出来てると思いますが、
このネタだと(1)から(2)で緊張感をピークに運んで
親子の出会いがどんでん返し、
親子の情の機微に触れて「ホロッと」来る(3)で大きく緩和できるのが魅力の噺。

(2)だけだと「ヒドイ奴が居るなぁ」だけです。

しかもそれがトリなので、そんな気分のままに会場を後にする訳で・・・
他の4席も台無しの気分になりました。
せめて中トリに掛けるのなら「口直し」の後半が有るからいいんだけど。。。

たしかに元こぶ平が林家正蔵になって上手くなったなぁ、上手くなってきたなぁ、とは感じます。
そういう意味では「芸を見せてる」んでしょう。
でも「上手い!」って言わせようとすることは落語なんだろうか?って思います。

百歩譲って(2)だけで勝負できるネタだとしたら、
そこでの見せ場は悪人の悪人らしさ、
ピカレスクロマンというか「悪漢」ぶりでしょう。
しかし元こぶ平、林家正蔵さん、人相が「おぼっちゃま」で声も優しいので不向き。
ハナシのチカラで巻き込んでしまう程のパワーもまだ無いと感じます。

難しいネタをやったものですね。

笑うことも心が温まることも無い、
生い立ちの説明も無い「とある悪人」が罪も無い丁稚小僧を絞め殺したシーンで終わる今回の一席、
落語って何だろう?」ってつくづく考えさせられた次第。

ruminn_master at 2006年09月14日 21:20 【芸】第19回東西落語研鑽会コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加
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