道中道楽

生きてること自体「道中」。 積極的に、前向きに、「道中を楽しむ」 そんな奴だからこそ、楽しいこともやってくるんじゃないかと思っています。 いやもっと言えば、その『道中』こそが面白い。 だから 「食い道楽」「飲み道楽」「旅道楽」、 そんなもの全て含んで越えて『道中道楽』。 長文駄文ですがお付き合い下さいませ。よろしく。

鶴瓶

【楽】鶴瓶噺2010千秋楽5

毎年やってるという東京でのトークイベント「鶴瓶噺」

3月に番外編を千葉で楽しんだその内容は2009年版。

2010年版の会場は世田谷パブリックシアター、とっても通い慣れた(笑)会場です。上々颱風が毎年やってる場所だからね。

鶴瓶噺00

笑福亭鶴瓶公式サイト「つるべ.net」
『鶴瓶噺2010』
構成作家、高須光聖の日常をお届けします : 鶴瓶噺
鶴瓶噺2010/レッツエンジョイ東京

鶴瓶噺は落語をしないフリートークの会なのは有名なはずなのだけど、最近になって落語をやることの増えた鶴瓶師匠(笑)、「落語会」だと思って来た人が結構居たということで初日からして方針変更、鶴瓶さんの実話を落語に仕立てた「私落語」を毎日1席スタンダップでやっていたそうです。

千秋楽は「おかぁちゃんのクリスマスツリー」でした。聴くのは「落語として」だけ数えても3回目ぐらいだけど、どんどん練られてきて面白く聞きやすくなってます。

で、そもそもの2010年版鶴瓶噺の趣向は「ツルデミー賞」というアカデミーのパロディ、鶴瓶さんの映画・ドラマの出演作とそのエピソードが語られ、上手い下手じゃなくて「笑える」シーンが受賞していました。

トークのテーマ、千葉のとき「人には可愛がられなアカン」でしたが、今回は「縁を大事にすると運も付いてくる」だったかな。

ファンの人、街のオバチャンまで含めて、一つ一つの出会いを「面倒だ」と切ってしまわずに大事にしてるからこその鶴瓶噺、鶴瓶さんの面白さ、キャラクターなのですから、納得のいく処世訓ですな。

有名人は「関わると面倒」ってバリア張ってるような人ばかりの中で鶴瓶さんは貴重でしょう。

うん。

自分も昔から「運・縁・勘」はイイ方と嘯いて生きてきております(笑)。

モノには限度というのは当然あるけど(笑)、「じゃまくさい」ってなことを言ってたら生きてること自体「じゃまくさい」だろうと思う。

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【楽】あなたの街でツルベ噺。in千葉5

落語をやるようになった笑福亭鶴瓶「師匠」の全国ツアーの第2弾「笑福亭鶴瓶 JAPAN TOUR 2009-2010」、落語の方は気に入った客演の会が遠かったりチケットが取れなかったりで諦めたんだけど、トークショーの追加公演が出たので千葉まで。

あなたの街でツルベ噺。 (千葉市民会館大ホール)

鶴瓶噺01

夜の部は敵性「虚人」ファンのヨネスケをゲストにしての落語会だったので千葉公演は行く気にならなかったし(笑)、鶴瓶のフリートークはその落語よりオモロイ(笑)んで御の字です。

鶴瓶のラジオで思春期を過ごした世代だしね。当時の大阪のラジオと言えば「つるべ・あのねのね・アリス」ってトコでした。

当時の鶴瓶ができる落語と言えば(ご本人曰く)「 いらちの愛宕詣り」1本、鶴瓶上岡パペポTVの時代で(これもご本人曰く)7本だったネタも今では42本になったそう。

鶴瓶噺02

2時から始まって4時過ぎまでひたすらに鶴瓶の立ち話(笑)。

全て日常の事実、雑談ですが抱腹絶倒、波長が合うんでしょうけど誰の落語でもこんなに笑ったことはないってレベルです。

途中で映画「おとうと」のハナシから、仲のいい吉幾三さんが、極々プライベートに鶴瓶さんのために作った「姉ぇちゃんへ」の吉さん歌唱・演奏のデモテープが流されました。

「ええ曲でしょう〜!?作ってくれたんはエエけどオレはこんなんよう歌わんし、これが世に出えへんなんてモッタイナイから、こうやってアチコチで流して吉が歌わなアカンようにしたんねん」

って(笑)。たしかに「エエ曲」でした。

さてどうなりますか(笑)。


「鶴瓶噺」自体は長年東京と大阪で継続してるトークショー企画で発売早々に完売する代物ですが、今回のは落語会でせっかく地方を回るのだから、追加公演をやる(つまりこの落語会も早々に完売御礼)ことになったからには何かオモロイことを、という訳で各地で「鶴瓶噺」を披露することになったようです。

鶴瓶噺という企画は2時間ほどのフリートークで〆だけは各年度の決め事のテーマを設けるというもの。
 今回は「レーコちゃん」として大阪ではテレビに出る訳でもないのに有名な奥様の玲子夫人との馴れ初めから今まで。

それこそ高校時代のラジオ「鶴瓶・新野のぬかるみの世界」でも、大学時代に最初は実家からビデオを送って貰ってまで見た「鶴瓶上岡パペポTV」でも何度も聞いたことのあるハナシなんですけど、何度聞いても笑えるのが「つるべ」ならでは。

オモロかった〜

そういえばしばらく落語の方を聴いてません。

今日は「つるべ」でしたが(笑)、今度また「鶴瓶師匠」の一席に伺いたいと思います。

【映】ディアドクター4

鶴瓶師匠の「素」といえば「素」、だけどその「素」を「素材」として活かした監督の手腕、ワキを固める名優達のまなざし一つすら雄弁だけど無駄のない芝居、まとまってイイ作品になってますな。


映画の日改め「映画ファン感謝デー」で映画1000円の日。

で、

ディアドクター

ディアドクターposter

西川美和監督最新作『ディア・ドクター』公式サイト
映画『ディア・ドクター』 - シネマトゥデイ
ディア・ドクター - goo 映画
ディア・ドクター:NIKKEI NET VARIETY JAPAN + PLUS

和製ブルース気味の主題歌やBGMもよく効いてた。

ネタバレも無粋だなという作品なので多くは書けませんが、予告編などで想像の付く範囲の「やっぱり」は「やっぱり」なんだけど(笑)、それを上回るだけの緻密な造りで登場人物一人一人のエッジが立ってキラキラだったりギラギラだったりしてて、、、

瑛太って今の若手俳優の中では深い芝居できるよね。

余貴美子と笹野高史は「おくりびと」でも芝居をキリッと締めてた感じだったけど、本作でも流石。

井川遥ってあんなに達者な女優さんだっけ?見直しました。

刑事役の岩松了と松重豊は見事な憎まれ役だけどドラマにリアリティを与える要でした。

中村勘三郎・・・・存在自体が明るい「陽」の人ですな。表示はなかったけど鶴瓶との友情出演でしょうか、ちょい役だけどイイ味出してた。

香川照之は相変わらずの演技派といいますか深い。

八千草薫さんは流石です。

でも結局は鶴瓶さんの笑顔にヤラレル、っていうか持って行かれる(笑)

鶴瓶さん使うのでもっとコテコテと「村人とのふれあい」を描くのかと思ったら一切の無駄が無くて、無駄がないのに村人に「無条件に好かれてしまう」という普通ならなかなかリアリティの無い役どころを、あのキャラで納得させられてしまいました。

でもって鶴瓶さんって目の奥に怖い光を宿した芝居とかもできるので(だから必殺シリーズで3役も殺し屋やってるぐらいで)、それも生きてました。

でもそれも「好かれてしまう」ことに説得力が有ってこそ。

さぁカンヌで受賞できるでしょうか(笑)。

鶴瓶師匠の笑顔が国際標準かどうかだなww


でもイイ映画です。

【TV】鶴瓶のスジナシ!4

中部地区で10年も前からやってて、TBSのCSだけで東京でも見れたりした鶴瓶の「即興ドラマ&トーク番組」の鶴瓶のスジナシ!がようやく東京の地上波でも放送し始めた。

評判だったし、前にスペシャルか何かで見て面白かったので待望だったのでした。

金曜深夜、3時頃からの1時間だからかなりマニアックな時間帯ですな。

「見たい奴は録画して見るだろう」レベルか(笑)。

自分は鶴瓶ファンなだけですが、まぁマニアックな番組なんだろうねぇ。役者さんとか業界人が一番喜びそうで、でもって「そういう世界」に詳しい顔を「したい人」が褒めちぎりそうで(笑)。

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要は鶴瓶と役者さんのトーク番組なんだけど、その前に数十分、その2人が事前に知らない&選べないセットや設定での即興芝居をさせられる。

そのお互いの探り合いを見て楽しむという前半、その録画を演者2人が見ながら「何考えてたのか」と語り合うトークを楽しむ後半。

ある意味、噺家の鶴瓶師匠の得意な即興落語、三題噺のようでいて、役者さんは役者さんで引き出しを色々持ってるからそれを役者としては素人の鶴瓶にぶつけると。

で、どうなるかと。

まぁ鶴瓶師匠、最近とみに役者付いてて主演映画も今年は大公開だったりしますが、まぁキャラあっての役柄を貰ってるように思いますから。

東京地上波第1回目のゲストはともさかりえ嬢。

美形カテゴリーではないはずの女優さんですが、昔から妙な色気のある役者さんで、今日も困ったら「意味深な笑顔」とか「質問返し」とかの女の武器を使い倒してましたな(笑)。

大竹しのぶ嬢との会は何か受賞したとか。

DVD買おうかな。




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【芸】第30回東西落語研鑽会4

およそ2ヶ月に1回の東西落語研鑽会

第30回記念というところだが、月亭可朝師匠復帰の話題の方が大きかったかも。出演も上方落語4席〜笑福亭がその内3人というのも珍しい〜に、江戸落語1席。

個人的には、まぁそんなことよりも(笑)、( 大阪人にとって月亭可朝なら「(今の時代じゃ)ストーカー扱いされるぐらいやるやろ」ってもんで別に珍しくも無いので(笑) )、鶴瓶の「死神」の3度目を聴く機会、どう進化したか楽しみだった訳で。

大ネタというようなのはあまり無かったけど、どれもこれも笑わせてくれて、まぁハズレの無い会でした。
第30回東西落語研鑽会

会 場 有楽町よみうりホール
 (ビックカメラ 7F)
日 時 2008年11月17日(月)
 午後6時00分開場 6時30分開演
木戸銭  3,800円(全席指定)
 (当日 4,000円)
主 催 六 人 の 会

[第三〇回番組]------------
天     災」 笑福亭銀瓶
干  物  箱」 林家たい平
餅 屋 問 答」 月亭 可朝
<仲入り>
「源太 と 兄貴」 笑福亭仁智
鶴瓶版 「死 神」 笑福亭鶴瓶

     お囃子 林家和女
         千葉しん
----------------------------
[参考]
上方落語メモ【世紀末亭】
落語のあらすじ 千字寄席
---
落語検索エンジン「ご隠居」
東西落語特選
招笑亭
落語の舞台を歩く
落語インデックス

最初の銀瓶さんは鶴瓶さんの弟子ですね。もしかしたら師匠より達者?(笑)というか、味で気持ちを持って行く人の多い笑福亭にしては綺麗な落語って感じかな。

2番手が今日唯一の江戸勢、たい平さん。江戸落語の噺家さんの名前やクスグリを覗かせたりして、まぁ江戸の意地を見せてた感じもします。

最初に2席、素直に面白いのが続いたところで、さて今日の目玉、曲者の月亭可朝さん登場。
livedoor ニュース - 「ストーカーの意味調べた」月亭可朝の復帰高座に大喝采


2008年11月18日13時45分 / 提供:Techinsight Japan

 ストーカー規制法違反で8月に逮捕され、罰金30万円を払って釈放された落語家・月亭可朝が、11月17日の「東西落語研鑚会」(有楽町・よみうりホール)にて復帰の高座を勤めた。
 事件の経緯や、復帰会見の話などをした後、古典落語『餅屋問答』を口演する30分近い高座に、満員の観客はヤンヤの大喝采だった。

 今回で30回となる「東西落語研鑚会」で、可朝の出演は第27回(今年3月)に続いて2度め。出囃子「芸者ワルツ」で登場した可朝のこの日のいでたちは黒紋付。トレードマークのカンカン帽は被らず手に持ち、それをヒラヒラさせて踊りながら高座周辺を一回り……という、いつものサービス精神あふれる登場の仕方。
 客席からは、可朝の復帰高座を楽しみに足を運んだ落語ファンからの期待を込めた「待ってました!」「たっぷり!」などの声が止まらず、妙に熱気を帯びた状態で、その掛け声は可朝が座布団につくまでしばらく飛び続けた。

「ありがとうございます。ホンマにね。ホンマ、ありがとうございます」と、これまたいつもの繰り返しフレーズで徐々にペースをつかんでゆく可朝。
「最近は言葉の意味がわからん。この間、“ストーカー”を調べて、意味がわかった。『狙いをつけてしつこく後を追いかけること』。やったらどうなるかもわかった」
 当事者自らがしゃべるリアリティのある言葉に、場内は待ってましたとばかりに大爆笑。そのあと、被害者の女性とは7年前から付き合いがあったこと、その女性が朝帰りしたのを知って電話で問い詰めるやりとりがストーカー行為になったこと、そして警察から事前に逮捕通告があったこと、等の“経緯報告”。

 さらに、先月25日の復帰会見で新聞に「反省の色なし」と書かれたことに対しては、
「『謹慎中は落語の勉強をしてました』とか『読書してました』とか言わなあかんかった」
「『女は必要?』と聞かれたので『ぎょうさんはいらん、ちょっとは欲しい』と答えた」
と反省をまじえつつ裏話も披露。記者の質問に乗せられて「バイアグラいらずですわ」と答えた部分だけがデカデカと見出しにされたことを、「見出しが倍ぐらい大きかった。『倍アグラ』や」とオチをつけてシャレのめし、客席の笑いを誘った。

 今年芸歴50年、ずっと変わらぬペースの八方破れな芸人人生を過ごしているうち、世間の法律の方が変わってしまって今回の逮捕・罰金となってしまった可朝だが、そんな「芸人らしい芸人」を熱く見守るこの日の客席はとても温かかった。変なヤジが飛ぶこともなく、会場一体となって、高座の可朝の言葉を一言一句聞き逃すまいとするかのような姿勢を感じた。
 可朝もそれを受けてか、ひとしきり報告を終えると最後に「道楽息子が実家に帰ってきた気分ですわ。ありがとうございました」と万感の表情で深々と頭を下げ、ひときわ大きな拍手を浴びた。
 もっともそのあと、本題の落語『餅屋問答』に入る前に、芸人評伝の第一人者・吉川潮氏による月亭可朝伝『ナニワ博打八景 ― 金持たしたらあかん奴』(竹書房、2008年9月発売)の宣伝もちゃっかり盛り込んでいた。さすがにこのあたりは商売に長けたしたたかな関西芸人なのである。

 この日は他にも、トリで笑福亭鶴瓶が『鶴瓶版 死神』を再口演するなどの目玉企画もあったのだが、客席の反響から考えるに、すっかり主役の座は可朝が奪ってしまった、そんな雰囲気の夜だった。

(編集部:尾張家はじめ)
 
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Techinsight Japan

livedoor ニュース - 「ストーカーの意味調べた」月亭可朝の復帰高座に大喝采

う〜ん。。。達者な芸だし、オモロイし、楽しいんだけど、やっぱり「落語」っていうより「漫談」っぽい気がします。
 落語にはセリフの部分と地の部分があって、講談はむしろ地で話を進めるんでしょうが、落語の場合はカミシモ切り替えの会話で進行するもんだと思います(あくまでも原則として、でしょうが)。
 月亭可朝さんの噺の中の登場人物、どの声も大差無く「強い」感じ。個性として「月亭可朝」がどの登場人物にも見えてしまってたように思います。「漫談」としてはアリなんですけど、「落語」となると描き分けがもうチョット有ってもいいんじゃないかな、とか思いました。
 まぁ間にしろネタにしろ話術にしろ、えらい達者な人なので大笑いさせて貰いましたけどね。

仲入り後は仁鶴師匠の弟子の笑福亭仁智さん。子供の頃によくテレビで見たなぁ、なんだけど、久々に見たら ( お互い様なんでしょうが(笑) ) えらいトシ食ってまぁ。当時は今で言うところの「イケメンお笑い芸人」の筆頭でしたけど、今は・・・まさに藤井寺球場に居たんだろうな、という見事な「浪花のオッサン」(笑)。
 ネタも大阪人なら大好きな「チョット情けない極道モン」の新作落語で、まぁ「いかにも」。でもコレもオモロかったぁ。
 東京の人にどう映ってるのかは微妙な気もしますが(笑)、キャラクターとネタが合致してなかなかの逸品。三枝師匠の新作落語もヤクザもんが多く登場しますが、三枝さんは見た目が上品だから少しリアリティからは遠い。仁智さんの場合、結構リアル(笑)で楽しい。

で、大トリが鶴瓶師匠。いよいよ鶴瓶版「死神」の再演。

全体の印象としては、無駄な部分を省いてスッキリとサゲに収束させていく感じに整理されて「進化」したと思います。

まぁ2箇所ぐらい、抜群に大事なポイントで登場人物を逆に言い間違ってしまって「アラアラ・・・」ってのがありましたが(笑)、まぁ鶴瓶ファンには御愛嬌ということで。

最初に鶴瓶版「死神」を最初に聞いたのが2007年9月6日の東西落語研鑽会、2回目が2008年7月21日 、大銀座落語祭グランドフィナーレ、そして今回が3回目。

この鶴瓶版「死神」、最大の特徴は死神が女性となり、元来が「ダメ男の破滅譚」みたいな物語に男女の機微を絡ませたところです。どう考えても難しくなってる。
 男に対して肩入れして「あ〜あ、それじゃダメやんか」となるか、男に対して「ざまぁみろ」と思うか、という選択肢に加えて、女に対して「良かったね」と思うか、「やっぱり残酷だな」と思うか、選択肢が倍増した分、観客の気持ちも散りやすいと思います。それを演者の意図する方向に収束させなければいけない。
 初回はどうやら意図した方向と違ったようですが、2回目以降は成功しているように思えます。

途中で男が「死にかけの病人を助けられる」ということで浮かれていくハナシをかなり大胆に切り捨てていることで、少し繋がりが悪い気もするのですが、大筋としては男の方への感情移入は浅くなりますし、サゲの工夫で女の方へ誘導されている気がします。

最初のサゲは動作のみの「蛇含草」みたいなタイプのでしたが、2回目はセリフで落とすことにして今回もそれを踏襲、ですが、セリフ回しは細やかになって、より「死神」である女の気持ちが判る。

よくよく考えてみれば、この「死神」、元々は怪談話に近い訳で、本筋に戻した気もします。

女の幽霊が惚れた男に取り憑いて殺してしまい、幽霊同士、あの世で添い遂げようとする、これは日本の怪談の本筋、少なくとも大きな流れですね。恨みや嫉妬で取り殺すタイプとはまた別に、純粋に恋い焦がれて「あの世」に引きずり込むようなハナシ。

この鶴瓶版「死神」はそこまでの激しさは無い、というか死神に「悪意は無かった」ことを説明するためにサゲのセリフを付け足したような気もします。

それでもサゲとして少しゾッとする気分も残るんですね、特に男側からすると。

女心の深さというか、暗闇というか。

そういう意味では日本のこの手の幽霊というか日本人のメンタリティって元来がストーカー的なんでしょうから、今日の月亭可朝復帰公演に似合ってたのかも(笑)。

まぁ今日も面白い会でした。30回お目出度う御座います。

【楽】大銀座落語祭グランドフィナーレ4

ほぼ全てのイベントがチケット完売となった後で追加講演のような形で売り出された「大銀座落語祭」の千秋楽、5年続いたこのイベントも今年でひとまず一区切りということで、その千秋楽でもありました。

まぁ素人歌舞伎のアラは割り引くとして(笑)も、場所は「グランドフィナーレ」に相応しく檜舞台の新橋演舞場、最後を飾るどの落語も充実していて、千秋楽に似つかわしい華やかな会だったと思います。

大銀座落語GF01
大銀座落語GF02

お待たせいたしました!「大銀座落語祭2008」今年も開催いたします!
2004年の開始以来、毎年初夏の銀座に笑いの渦を巻き起こしてきた大銀座落語祭。
本年ももちろん開催いたします。
5回目を迎える本年は、これまでの集大成として『落語の明日』をテーマに、できる限りたくさんの、次代を担う若手噺家を皆様にご紹介いたします。本年でファイナルとなる「大銀座落語祭」に是非ご来場ください。

気になる日程は2008年7月17日(木)〜7月21日(月・祝)の5日間。
銀座ブロッサム中央会館(7月18日〜20日)、新橋演舞場(7月21日)、時事通信ホール、博品館劇場、JUJIYA、よみうりホール(7月21日)、銀座小劇場、銀座みゆき館劇場、教文館ウェンライトホール他で開催されます。
日程 2008年7月17日(木)・18日(金)・19日(土)・20日(日)・21日(月・祝) 
主催 大銀座落語祭実行委員会
六人の会
全銀座会/銀座通連合会/西銀座通会
支援 文化庁、中央区

7月17日(木)〜21日(月・祝)大銀座落語祭2008
http://www.ginza.jp/select/event/rakugo/

大銀座落語祭2008グランドフィナーレ

会場:新橋演舞場
銀座6-18-2  03-3541-2600
7月21日(月・祝) 18:00開演(17:30開場)

第1部 『勧進帳』

配役

武蔵防弁慶:林家正蔵
源義経:林家いっ平
亀井六郎:春風亭一之輔
片岡八郎:林家たけ平
駿河次郎:古今亭菊六
常陸坊海尊:入船亭扇遊

番卒一:柳亭小燕枝
番卒ニ:柳家小里ん
番卒三:林家錦平
太刀持:林家小ぶた
富樫左衛門:桂小米朝

第2部 「桂三枝・笑福亭鶴瓶 二人会 」

(出演順)
三遊亭金時
笑福亭鶴瓶
〈仲入り〉
柳家花録
桂三枝

全席指定
料金:
一等席(一階席と二階席の一部の席)7,350円(税込) 
二等席(二階席一部と三階席)5,250円(税込)
Pコード:387-375

http://www.ginza.jp/select/event/rakugo/?page_id=53
http://www.ginza.jp/select/event/rakugo/?p=60
終わりました、大銀座落語祭
春風亭小朝公式サイト
-

daiginzaposter

第1部 歌舞伎十八番「勧進帳」
 (※指導: 坂東三津五郎丈)

笑いも何も一切無し、単に役者が噺家さんだというだけの真面目な歌舞伎の一幕です。

何と言っても本職でない噺家さんが、新橋演舞場の檜舞台で松羽目物の「勧進帳」、それを本物の囃子方、三味線・長唄が五丁五枚、小鼓三調、大鼓一丁、笛一挺に陰囃子と豪華な本寸法の演出でやらせて貰うんだから凄い「道楽」(笑)ですな。

小米朝は以前からの芝居噺の上手い印象の通りに声も通るし踊りも腰が据わってて「あ、こりゃキッチリ習ったこと有るな」と思ったけど、正蔵は慣れない芝居に無理矢理声を張り過ぎたのか声を潰してしまってるし全く腰が据わってない。弁慶なのに見せ場の六方も「それらしく」踏めてない。う〜ん。。。チャンと下積みしてませんな。。。

踊りにしても武術にしても、まぁ日本○○なんて芸事はおしなべて「普通に歩くこと」が一番難しいということを理屈の判った方々は仰います。
 という訳で(笑)、まぁ素人歌舞伎、役者となった噺家さん達の大半は歩き姿が何となく貧乏臭い、単純に言えば「様になってない」のでした。

同行のウチの親も小米朝は感心してたけど、トータルの印象は一言「豪華な学芸会」(笑)。

ま、祝い事ということで。たしかに華やかな気分になれました。

第2部 「桂三枝・笑福亭鶴瓶 二人会 」

看板の二人は上方落語協会の会長(四期目かな?)と副会長、吉本系と松竹系、上方落語の牽引車の揃い踏みというところ。
 共演、先に上がる金時さんは三遊亭金馬師匠の長男、仲入り後に上がる花緑さんは人間国宝、5代目柳家小さんの孫、6代目柳家小さんは叔父、ということでいずれも江戸落語のサラブレッド。

今回の大銀座落語祭のテーマが「落語の明日」ということで、たしかにグランドフィナーレに相応しい顔ぶれかと思います。

三遊亭金時 「紙屑屋

このハナシは演者によって演出も色々、上方落語だと「浮かれの屑より」、その上方落語の方は前回の東西落語研鑽会でしたか染丸師匠がやってましたが、またそれとは違う江戸の味わい、金時さんのもなかなか面白い。長唄・小唄に都々逸と芸の幅が試されるネタですな。

笑福亭鶴瓶 「死神

以前に東西落語研鑽会にかけた鶴瓶版「死神」の再演ですが演出をかなり捻って来ましたね。
 以前のもかなり良かったように思うのですが ( 泰葉さんのブログの2007/09/07 記事でも評価されてますな。この当時はまだ小朝夫人だった訳ですが )、御本人は納得されてなかったそうで、どうやら無駄を省いたのと筋を分かり易く練り直した感じです。

でもなぁ、、、一点引っ掛かるかな。。。

少々のネタバレとなりますが、更なる改良を欲して敢えて、サゲを割らない程度に言うとすれば、何が違うって鍵となる死神が幼馴染みの女だってのが一番の違いなんですが、彼女の子供時代のアダ名が「バケモノ」なんですね。これは2年前に初めて聴いた時には無かった設定でした。

どうやら身体が大きくて力持ちだった女の子、そりゃ子供の頃のアダ名ですから「村一番の美人」であっても「バケモノ」って言われるかも知れません。本名「おあき」の設定は和田アキ子さんイメージでしょうか(笑)。

しかし死神ですから一般名称としてもモノノケ、妖怪、つまり「バケモノ」な訳で、そのイメージに引きずられて感情移入が少し邪魔される感じです。観客も彼女を好きになる程でないと上手く落ちない感じの筋書きなのですが、その「バケモノ」って言葉の持つ強い響きに、その度にギクッとさせられる、その存在を遠ざけたく思えてしまう。

前回の感想で自分は以下のように書いてます。
今回の「鶴瓶版 死神」は、ダメ男だけど女に対する愛情が有り、それは誘惑に揺れる情けなさもあるし、後先の見えない情けなさもあるけれど、終わった後には「あ〜あ」「そんなんじゃダメじゃん・・・」って主人公と一緒になって残念な心持ちになる気がします。


今回はさらにサゲを一捻りしてあり、その点は上手い工夫だと思えただけに、先の「バケモノ」ゆえに遠ざけたくなる気持ちが少々残念でした。

それでも「イイ噺」ですけどね、鶴瓶版「死神」。

〈仲入り〉

柳家 花緑 「不動坊

これも色んな演者で聞いた噺ですが、これが江戸落語のカタチなのか花緑さん独特なのか、単刀直入に「打ち合わせ」シーンに入り、嫁を貰う経緯やそれに浮かれる部分をアッサリとした説明で済ます今回のような演出も山場が分散しなくて正解に思います。元々のサゲらしい「幽霊稼ぎ人」と「遊芸稼ぎ人」の洒落オチは現代じゃ通じませんので、今回も別のサゲが作られてました。

桂  三枝 「誕生日」

桂三枝さんはいつも通りに古典ではなく独自の創作落語ですが、この噺は何度か聴いています。そうして考えてみると、古典も創作も大きな違いは無いですね。古典だって演者が歴史の中で工夫を積み重ねて伝承されているものだし、創作落語といえども演ずる度に工夫され、いずれ佳作は後世に残るのでしょうから。

噺自体、よくできたハナシで面白いですが、三枝師匠は間が抜群だと思うのです。マクラとネタの繋ぎ目も極く自然で、スムーズにハナシに惹き込まれて行きますし。

[参考]
上方落語メモ【世紀末亭】
落語のあらすじ 千字寄席
---
落語検索エンジン「ご隠居」
東西落語特選
招笑亭
落語の舞台を歩く

落語の4席はどれも聞き応えあって、さすが千秋楽に相応しい。


全ての演目が終わり、一度幕が下りたところで再び幕が上がり、グランドフィナーレらしく本日の主な出演者に加えて、別会場に居た人も駆けつけての「六人の会」勢揃いなご挨拶。

そのヤリトリも贅沢な演芸という感じでした。

「大銀座落語祭」がひとまず終わるその挨拶。

そして昔テレビ(徹子の部屋?)でしたか小朝さんが「この落語祭を将来は全国各地でやりたい」と言っていたのをまさしく実現する第1弾として、来年の告知。

暗転した会場、ステージ上のスクリーンに大写しになったのは東国原宮崎県知事。

どうやら来年10月の連休を使って宮崎大落語祭だそう。

旅立ちですな。

最後は関東三本締めで「お開き」。

大銀座落語GF03

いつもの東西落語の倍もしたけど、さすが面白いイベントでした。

【芸】第28回東西落語研鑽会4

久々の鶴瓶登場。昨秋の「死神」以来。

およそ2ヶ月に1回の東西落語研鑽会

今回は全体のバランスも良くて、イイ席でした。

---------------------
第28回東西落語研鑽会

会 場 有楽町よみうりホール
 (ビックカメラ 7F)
日 時 2008年5月15日(木)
 午後6時00分開場 6時30分開演
木戸銭  3,800円(全席指定)
 (当日 4,000円)
主 催 六 人 の 会
------------------------

[第二十八回番組]------------
あみだ 池  林家 市楼
片   棒  柳亭 市馬
風 来 坊  桂  文珍
<仲入り>
回 覧 板  笑福亭鶴瓶
竹の水仙   柳家 花緑

    お囃子 千葉しん社中
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[参考]
上方落語メモ【世紀末亭】
落語のあらすじ 千字寄席
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落語検索エンジン「ご隠居」
東西落語特選
招笑亭
落語の舞台を歩く


最初のあみだ池、大阪の地名がタイトルで、江戸落語に移されると新聞記事ってネタとなり、それも聴いた記憶がありますが、いずれにしてもテンポの良さが肝心のハナシだと感じます。
 かといって早口にまくしたてるとイマイチ「腑に落ちない」感覚になるし、ダジャレみたいなクスグリ部分で遊び過ぎるとダレます。筋運びは単純ですが上手い人がやると図抜けて面白い。
 もう一息落ち着いてまとめて欲しかったかな。オチ前ぐらいで結構笑わせてくれたから上手い人だとは思います。

次の片棒柳亭 市馬さんは笛や謡をなかなか聴かせてくれて、ホントに芸達者。このハナシ自体結構好きなので単純に面白かった。

中トリは文珍の風来坊、元来は大昔に柳家金語樓が自作自演した「人間アドバルーン」を移したものだそう(パンフに横澤さん〜元フジTVのP〜が一文を寄せてた)。
 時代が新しい噺というのもあり、マクラから本題まで切れ目無くスムーズに笑わせてくれました。この人は緩急が上手いですな。

仲入り明けは鶴瓶の私小説ならぬ私落語で回覧板。「ぬかるみの世界」から「パペポTV」まで昔からの鶴瓶フリークとしては、タイトルを見ただけで何のハナシか丸わかりです(笑)。
 知ってるハナシでも何度聞いても腹抱えて大笑い出来る内容なんですが、自分みたいなフリークで無くても、ある意味タイトルが「サゲを割ってる」ので、「たべにぃ」とか「助けて〜」とか(笑)、タイトル変えた方がいいんじゃないかと思います。

大トリは久々の柳家花緑で竹の水仙。元は上方落語らしい左甚五郎名人伝のひとつです。
 「みなさん笑い疲れてませんか?」って切り込みでしたが、おそらく予想されたんでしょう、笑い疲れに丁度いい落ち着いた噺だし、サムライの上手い花緑さんですから楽しめました。


夏は大銀座落語祭で東西落語、次回は秋だそう。


帰りはいつもの魚や
いつもどおりに豆鯵塩焼桶寿司など。

魚や02豆鯵
魚や03桶寿司

夏牡蠣がもう出てました。

魚や01夏ガキ

【芸】第24回東西落語研鑽会5

う〜む。「鶴瓶版 死神」は後世に残るかも。

およそ2ヶ月に1回の東西落語研鑽会

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第24回東西落語研鑽会

会 場 有楽町よみうりホール
 (ビックカメラ 7F)
日 時 2007年9月6日(木)
 午後6時00分開場 6時30分開演
木戸銭  3,800円(全席指定)
 (当日 4,000円)
主 催 六 人 の 会
  お問合せ 春々堂 筺****(引用に当たり省略)
※未就学児のご入場はご遠慮ください。
※よみうりホールには障害者用のお手洗いはございません。
http://www.rakugokai.com/kensan-kai/touzairakugo.html
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[第二十四回番組]------------

林家 花 丸 「千早ふる

柳亭 市 馬 「味噌蔵

柳家 小満ん 「二階ぞめき

( 仲入り )

立川 志の輔 「三方一両損

笑福亭 鶴瓶 「鶴瓶版 死神

    お囃子 太田その社中
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[参考]
上方落語メモ【世紀末亭】
落語検索エンジン「ご隠居」
落語のあらすじ 千字寄席
---
東西落語特選
招笑亭
落語の舞台を歩く


一番手の林家花丸さんは上方の林家染丸さんのお弟子さんで上方落語。
 この「千早振る」にも色々有って、江戸落語にも「千早振る」が有りますが、その上方落語版、というか、細かいところが結構自由な感じ。今回のは若々しくてそれなりに面白かった。
 まぁこのハナシ、有名すぎて普通にやっても「落語のお稽古」見せられてるようで面白くないものね(笑)。

二番手の柳亭市馬さんは前にも東西落語で見たな。「味噌蔵」も誰かで見たな。
 なんだけど市馬さん声がイイですな。江戸落語を聞いてる気がする、というか(それは当たり前だけど)演じ分けの幅が達者ですね。このハナシ、中で磯節が出てくるのだけどチャンと聴かせるし。

中トリの柳家小満んさんは更に上を行く達者な感じ。拍手や掛け声も目当ての常連さんが来ていたようだし、何だかファンサイトみたいなのもある。他にWikiはてななど。今日のパンフの解説にも「玄人好み」「落語界一の粋人」なんて書いてある。
 今日のネタの「二階ぞめき」、まるで「見てきたような」郭噺、「ぞめき」とは「騒」と書いて、連れだって郭の店先を冷やかして歩くこと、それが何より楽しみって道楽息子のハナシだけど、いろんな川柳を織り交ぜたり、江戸っ子の啖呵や粋、吉原の風情・作法に至るまで、まるで柳家小満ん師匠が実際にそこに居て体験を語ってるかのような臨場感を味わわされ、落語の持つ観客の空想力に働きかけてバーチャル体験させるパワーを感じました。
 う〜ん。たしかにこれは「芸」ですね。

仲入り明けの立川志の輔さんは毎度毎度面白くて「外れの無い」人だと思ってる。この東西落語の席では創作落語が多いけど今日は古典、講談ネタから来た「三方一両損」。
 元は講談「大岡政談」の一つということですが、それ自体が二次創作でネタ元は京都のハナシらしい
 (テレビの「大岡越前」は講談ではなく落語の方を下地にしたらしい。)
 さらにこのサイトによるとネタ元は井原西鶴ってことになってるが、井原西鶴「本朝桜陰比事」(1689)のネタ元が京都のハナシ、つまり「板倉政要」ということなので、もしかして落語は玄孫引きぐらいか(笑)。
 ネットを渉猟していたら志の輔師匠自身がこのネタについて語ってるページ(毎日新聞連載の一部らしい)も有った。
 江戸っ子、それも気の短い職人衆を描くと志の輔さん似合います(笑)。

今日の大トリは笑福亭 鶴瓶、実質ネタ降ろしだそうな「鶴瓶版 死神」。
 元は三遊亭圓朝の作った怪談話(真景累ヶ淵とか牡丹燈籠の作者だし)らしいから江戸落語新作落語ですね。
 しかしその元ネタとなるとそれだけで本が出てるぐらいヤヤコシイらしいけど、上記リンクの「千字寄席」や「死神の舞台を歩く」に依れば、グリム童話→イタリアのコミック・オペラ「クリスピーノと死神」→圓朝作「死神」だとか。
 その段階では怪談らしい落語だったのを、その後の演者がアレコレやと落とし話らしくサゲや運びを工夫してきたようです。
 それでも死神は「いかにも」「らしい」「男」であり、主人公は金に目が眩んで情けない末路となるダメ男、裏切られた死神は義理か気まぐれで一度は生かした主人公を最後は(直接ではないにせよ)殺してしまう、そういうハナシ。

 ところがこの「鶴瓶版」と銘打った「死神」、かなり大胆な換骨奪胎をしています。それがまた今までに無い「チョットいいハナシ」にしている気がします。
 呪文が「テケレッツのパ」ではない(笑)、ってだけじゃありません。
 あまり書いてしまうとネタバレしてしまうし、まだ改良していくと思うのでここでは大雑把に書きますけど、死神は複数登場し、主人公と絡むのは「若くて美しい女」、主人公はダメ男ではあるけれど、何だか許せる奴。ラストシーンでも何となく同情する気にもさせられる程。そこには鶴瓶さん自身の持つ他人に対する優しい目が有るように思います。
 鶴瓶さんの悪いクセという気がしてるのだけどサゲに向けて早口になっていって情感が逃げてしまう面はありますが、、、それでも大昔の落語をやらなかった「ぬかるみ」の頃からのファンとしては、落語が上手くなってきたなぁ、って思います。

 今までの「死神」は金銭欲・物欲に負けて「やっぱり」「救いようのない」ダメ男のハナシでしたから、終わった後に寂寥感というか殺伐とした気が残ったものでしたが、今回の「鶴瓶版 死神」は、ダメ男だけど女に対する愛情が有り、それは誘惑に揺れる情けなさもあるし、後先の見えない情けなさもあるけれど、終わった後には「あ〜あ」「そんなんじゃダメじゃん・・・」って主人公と一緒になって残念な心持ちになる気がします。
 今までの「死神」では見終わったときの観客の視点は死神側だと思いますが、「鶴瓶版 死神」では主人公の男の側に居た感触が残っています。

 この「鶴瓶版 死神」は後々残るかも知れないと思う。


それにしても今日は江戸落語は江戸の粋を存分に、上方落語も人情や滑稽などいかにも「それらしく」、みんな様ざまに工夫して、それが当たってた感じ。

二十四回最初から継続して通ってますが、今回はかなりいい日でした。

【芸】第23回 東西落語研鑽会4

およそ2ヶ月に1回の東西落語研鑽会

今日のは上方落語が4本で、それを小朝が受けて立つ感じ。

「よ〜笑わしてもろた」ってな感じです。
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[第二十三回 番組]

桂  宗 助 「親子酒」
春風亭 小朝 「浜野矩随」
桂  ざこば 「子は鎹」
<仲入り>
笑福亭 鶴瓶 「長屋の傘」(私落語)
桂  春団治 「祝のし」

 下座 太田その社中
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(謝辞)m(__)m Thanks!
★上方落語ネタ参照上方落語メモ「世紀末亭」
★上方落語解説参照上方落語のネタ
★江戸落語ネタ参照落語検索エンジン「ご隠居」
★江戸落語ネタ及び解説参照落語のあらすじ千字寄席
★江戸落語ネタ背景?参照落語の舞台を歩く


今回は「親子」関係、
それに劣らぬ「師弟」関係、そんなテーマでしょうか。

最初の桂宗助の「親子酒」、
米朝師匠のお弟子さんだそうですが普通に聞きやすい。
この落語会のいいところは有名処を東西並べながら
最初の一人に知名度の低い人が入って何だか新鮮なところ。
寄席に行くと下手な人の方が多いから苦痛だし、
でも名人上手有名人ばっかりでもねぇ、、、
ってなところで、いいバランスだと思います。

小朝の「浜野矩随」、
まず読めない「矩随」は「のりゆき」という人名で
親父が名人という彫り師のハナシ。
親子の情の「いい噺」です。
前に円楽さんで聞いたのかな。

ざこばの「子は鎹」、
これも読めないですね、「かすがい」。
現代人は知らないだろう、ってことで
実物をステージに持って来て見せてはりました(笑)。

ざこば師匠は声は悪いのですが
さすがに話し方でチャンと子供と親父と奥方の落差が有るのでテレビなどの印象よりはずっと受け止めやすい落語家さんだと思います。

鶴瓶の「長屋の傘」、
私小説ならぬ私落語
鶴瓶の実話を元にネタに仕上げたもので
この「長屋の傘」が最初の作品だそう。
これは内弟子時代の松鶴師匠とのエピソード。
松鶴さんの人柄を知ってる層にはかなりのツボです。

そうそう、今回は、いわば持ちネタでしたが
次回は古典落語の大ネタ、
小朝尊師(笑)よりの宿題が出て
(しかも本日の出番直前に(笑))
次回〜秋〜の東西落語では
「死に神」をやるそうです。
秋には鶴瓶さん全国の芝居小屋を「鶴瓶のらくだ」で回るそうで、秋に向かって一層ハゲそうですな(笑)。

大トリは春団治師匠の「祝のし」。
春団治師匠は枕もアッサリと自然に噺に入られて
さすがの年季を感じさせますが、
客として素直に楽しむ意味では
さすがに心地よくて〆に相応しい。


「子は鎹」に出て来たウナギが美味そうで、無性に食べたくなりました。



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livedoor Profile
道楽者の自己紹介
るみん
大阪出身。納豆とネギが嫌い。
キュウリもダメ。肉食の大食。
お酒は日本酒を中心に幅広く。
音楽は上々颱風を中心に幅広く。
趣味は旅行と料理。
特技は武芸十八般。
大阪、東京、千葉、茨城を経て、現在はまた東京在住。いい歳。
メッセージ
 ここ4年間ほどブログを休んでいました
m(_ _)mが、本日復活です♪

 通算すると、開設して10年が過ぎました。ここは「酒と食べ物」を柱として、自分の体験と思考を並べてあるサイト「道中道楽」メインBlogです。古い料理屋の家に生まれ育ち、日本中を旅してきていますので、作る側の気持ちと客側の気持ちの両方が判るつもりですし、日本各地の特色などを考え、できるだけ「良いところを探す」ことを心掛けています。

 「酒と食べ物」以外では、芸能や芸術のレポや旅行記、商品モニターなど様々。いずれも人の営み、貴賤高低は無いと考えている男の雑文に過ぎませんが、その中の何かが誰かに少しでも意味があるとしたら幸いに思います。

   2015年8月29日


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