HACHI
2009年07月24日
【映】HACHI 約束の犬
多くの犬猫と育ってきた身としては「泣ける映画」なんだろうな、と予想はして行ってたんだけど、90分ほどの作品の大半は犬が可愛くて笑っちゃってます。
もちろん「泣けます」。動物好きなら確実に。
でなくても人の心があれば(笑)泣けるはず、ってくらい分かりやすい映画のはずです。
大雑把なアラスジぐらいまともな日本人なら誰でも知ってるような物語なのに、結末辺りで「やっぱり」ウルッと来て会場中で啜り泣く音が聞こえるのはハチの表情が良かったからでしょうか。それとも「心の琴線」とかいう奴に普遍的に触れてくるのでしょうか。
ハチ公物語 -待ちつづけた犬- (講談社青い鳥文庫)
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ハチ公物語 新装版
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そして映像が綺麗ですね。
ところどころハチ目線の折にモノクロになるのは、犬を知らない人からすると演出に思えるようですが、犬は一般的に人間で言うところの色盲なので要はリアルなだけ、でもそれも効果的でした。
秋田犬は流行の洋犬と違って目も細くて小さく(寒冷地仕様です)表情に乏しいようにも思えますが、それがかえって凛々しくカッコイイ。
映像詩のような作品です。
悪人どころか嫌な奴すらほとんど登場しない。小市民的な保身主義程度の頑なさはたまに見えるけど、それが飼い主とハチ公の愛情に触れて溶かされていく、そんな美しいお話。
まぎれもない実話なのにファンタジーのよう。
それはある意味で現代人の目からすると「あのハチ公の物語」が現実味を失い、まるで夢物語であるかのように映るという悲しい現実の裏返しなのかも知れませんけど。
HACHI 約束の犬
オフィシャルサイト配布壁紙より
Livedoor枠の試写会にまた参加させて貰えたので新宿明治安田生命ホールまで。
・「HACHI 約束の犬」オフィシャルサイト。2009年8月8日全国ロードショー
・HACHI 約束の犬 - Wikipedia
・映画『HACHI 約束の犬』 - シネマトゥデイ
・Yahoo!映画 - HACHI 約束の犬
・HACHI/約束の犬 : 映画情報 - 映画のことならeiga.com
・HACHI 約束の犬 - goo 映画
・HACHI 約束の犬 - 共通テーマ - ブログパーク
現代に置き換え、アメリカの片田舎に置き換えたハリウッド版のストーリーだけど、むしろこれを今の日本を舞台でやるのは難しいでしょう。
斜に構えることがカッコイイと勘違いしてるようなのが多い現代日本人の中ではあのハチの一途さは浮いてしまう。
そして他方で自分さえよければ、って物見高い野次馬と数字稼ぎのマスコミが殺到して、ってのは「ゴマちゃん」騒動なんかを見ると予想され、結局あのイヌは静かに天寿を全うできない気がします。
だけど「アメリカの片田舎」、本質的に陽気で人の良さそうな市井の人々の中ではそれなりにリアリティがある。
いい映画でした。
ハナシが飛ぶようですが高校生の頃からずっと「理想の女性は?」と聞かれると
無邪気・素直・健気
って答えてました(笑)。で、文字で書くときはその後に
(そんな奴はおらん!ヾ(^^ヘ)。。。(笑))
とね。あくまでも「理想」、そこらに居て貰っては困ります(笑)。
まぁどちらかというと「オンナの」というより「人として」の理想ですが、現代でそんな3要素持ってたら20才まで無事に生きられません(笑)。
(3つの内の1つを「馬鹿」に置き換えると簡単に見つかりそうですが(笑))
無邪気とは陽気さとかプラス思考も大事ですが、ポイントは損得勘定で動いてないってことです。
よく子供の形容詞に使われますが、子供の場合はむしろ「純粋な邪気」ですね。自己中心的で当然ですから。意外なようですがむしろ任侠映画の高倉健の役どころみたいな感じ、無償の自己犠牲みたいなもので、男と女の「泣ける映画」は違うというハナシがありますが、男の涙腺はココらにあります。特攻隊みたいなのに弱い。
素直とは人の話を聞くとか健全なコミュニケーション能力があることを前提にして、ポイントは内面的に無理をしていないってことです。
健気(けなげ)とは特定人への優しさや献身を含みますが、大きくは卑屈にならずに他人様に「気を遣える」ってことです。おそらくこれが一番難しくてそして大事に思います。
生きたいように生きてるのに、人に迷惑も掛けず、内面的にも卑屈でも尊大でもない自然体。
そんな風に生きれたらいいなぁ、ってずっと思ってます。
本作の主役、「ハチ」は主人の帰宅を信じて毎日毎日待ち続けます。それはまぎれもなく無邪気。
転居したりしても無理矢理に駅前に戻ってきて待ち続ける行為は「素直」の対極の「頑固」なようにも見えますが、ハチは連れ帰ろうとする人などに吠えるでもなく噛みつくこともない。ただ諾々と従いながら、誰を傷つけるでもなく隙を見てあるいは許されて駅前に佇む訳です。コミュニケーションを尊重しながらも内面に従う道を選ぶ彼はまさしく「素直」。
そしてハチは周囲の優しさにも応えながら主人を思い続けるのですから疑いもなく「健気」。
哀しいほどに理想的な人(?)格者であるがゆえにその結末も哀しいけど、なんだか温かいものが残る。
あのハチの示した人間との関係を人間の言葉でなんと言えばいいのか、自分にとっては「あの3要素」を満たすものでした。
ある人は一途と呼ぶだろうし、ある人は献身と呼び、愛と呼ぶのでしょう。
ただハチにしてみれば「好きな人への全力投球」だけにすぎないのかも知れません。
他方で、泣けない人は「馬鹿な犬だ」とか「だからイヌは馬鹿なんだ」で片付けるのかも知れません。( そういう輩は私に言わせると無邪気さを欠くのでもちろん「ハチ以下」ですが(笑))。
HACHI 約束の犬 公式ストーリーブック
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HACHI 約束の犬 公式小説
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コミック版 HACHI 約束の犬 (KCデラックス)
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今日見たのは字幕版でしたが、本作はフジテレビの協賛でもあり、日本語吹き替え版ではリチャード・ギアの娘役を高島 彩嬢が吹き替えているとのこと。
チョイ役かなと思ったら結構重要な役どころで台詞も多い(といっても本作は人間の出番は限られてますけど(笑))。
吹き替え版も見に行くか・・・どうせDVD買うと思うから(笑)いいか。
それはそれとして・・・
たのむからマスコミが秋田犬の可愛さとか賢さばかりを持ち上げて、動物を商売道具ぐらいにしか考えてない低俗ブリーダーが秋田犬を乱売したりして、でもって飼い切れなくなって、大きくなってから捨てられて、保健所での殺処分が増えたり・・・なんて悲劇の起きないことを切に願います。
「南極物語」でシベリアン・ハスキーが流行った折に、そんな状況でしたから。
シベリアン・ハスキーってオオカミに近いので馬鹿だから飼いにくいってのもあるのですが、そもそも秋田犬も含めて大型犬は広い庭と寝床があってこそだし、エサ代だって馬鹿になりません。
ウチにコリーが2頭居た頃にはトイレを一つ潰して犬小屋に改造したから2畳ぐらいの寝床と内庭は犬の日常生活の場所に提供だし、まぁ1日数百グラムの馬肉とか今考えると凄い費用です。
そして日本犬は気性が荒いから訓練士を付けるとかキッチリ人間とのコミュニケーションを教えないと大変です。その反面で純血種は胃腸が弱いから現代的なジャンクフードばかり食わしてると消化器不全起こして死にます。
ちゃんとそういうネガティブ情報も合わせて流さないと馬鹿な「にわか愛犬家」が増えるばかり。。。
さて人間は犬より利口になっているのでしょうか。
秋田犬 (愛犬の上手な育て方12カ月)
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秋田犬の父 沢田石守衛
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秋田犬物語 (戸川幸夫動物物語)
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ニッポンの犬 (新潮文庫)
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もちろん「泣けます」。動物好きなら確実に。
でなくても人の心があれば(笑)泣けるはず、ってくらい分かりやすい映画のはずです。
大雑把なアラスジぐらいまともな日本人なら誰でも知ってるような物語なのに、結末辺りで「やっぱり」ウルッと来て会場中で啜り泣く音が聞こえるのはハチの表情が良かったからでしょうか。それとも「心の琴線」とかいう奴に普遍的に触れてくるのでしょうか。
ハチ公物語 -待ちつづけた犬- (講談社青い鳥文庫)
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そして映像が綺麗ですね。
ところどころハチ目線の折にモノクロになるのは、犬を知らない人からすると演出に思えるようですが、犬は一般的に人間で言うところの色盲なので要はリアルなだけ、でもそれも効果的でした。
秋田犬は流行の洋犬と違って目も細くて小さく(寒冷地仕様です)表情に乏しいようにも思えますが、それがかえって凛々しくカッコイイ。
映像詩のような作品です。
悪人どころか嫌な奴すらほとんど登場しない。小市民的な保身主義程度の頑なさはたまに見えるけど、それが飼い主とハチ公の愛情に触れて溶かされていく、そんな美しいお話。
まぎれもない実話なのにファンタジーのよう。
それはある意味で現代人の目からすると「あのハチ公の物語」が現実味を失い、まるで夢物語であるかのように映るという悲しい現実の裏返しなのかも知れませんけど。
HACHI 約束の犬
オフィシャルサイト配布壁紙より
Livedoor枠の試写会にまた参加させて貰えたので新宿明治安田生命ホールまで。
・「HACHI 約束の犬」オフィシャルサイト。2009年8月8日全国ロードショー
・HACHI 約束の犬 - Wikipedia
・映画『HACHI 約束の犬』 - シネマトゥデイ
・Yahoo!映画 - HACHI 約束の犬
・HACHI/約束の犬 : 映画情報 - 映画のことならeiga.com
・HACHI 約束の犬 - goo 映画
・HACHI 約束の犬 - 共通テーマ - ブログパーク
現代に置き換え、アメリカの片田舎に置き換えたハリウッド版のストーリーだけど、むしろこれを今の日本を舞台でやるのは難しいでしょう。
斜に構えることがカッコイイと勘違いしてるようなのが多い現代日本人の中ではあのハチの一途さは浮いてしまう。
そして他方で自分さえよければ、って物見高い野次馬と数字稼ぎのマスコミが殺到して、ってのは「ゴマちゃん」騒動なんかを見ると予想され、結局あのイヌは静かに天寿を全うできない気がします。
だけど「アメリカの片田舎」、本質的に陽気で人の良さそうな市井の人々の中ではそれなりにリアリティがある。
いい映画でした。
ハナシが飛ぶようですが高校生の頃からずっと「理想の女性は?」と聞かれると
無邪気・素直・健気
って答えてました(笑)。で、文字で書くときはその後に
(そんな奴はおらん!ヾ(^^ヘ)。。。(笑))
とね。あくまでも「理想」、そこらに居て貰っては困ります(笑)。
まぁどちらかというと「オンナの」というより「人として」の理想ですが、現代でそんな3要素持ってたら20才まで無事に生きられません(笑)。
(3つの内の1つを「馬鹿」に置き換えると簡単に見つかりそうですが(笑))
無邪気とは陽気さとかプラス思考も大事ですが、ポイントは損得勘定で動いてないってことです。
よく子供の形容詞に使われますが、子供の場合はむしろ「純粋な邪気」ですね。自己中心的で当然ですから。意外なようですがむしろ任侠映画の高倉健の役どころみたいな感じ、無償の自己犠牲みたいなもので、男と女の「泣ける映画」は違うというハナシがありますが、男の涙腺はココらにあります。特攻隊みたいなのに弱い。
素直とは人の話を聞くとか健全なコミュニケーション能力があることを前提にして、ポイントは内面的に無理をしていないってことです。
健気(けなげ)とは特定人への優しさや献身を含みますが、大きくは卑屈にならずに他人様に「気を遣える」ってことです。おそらくこれが一番難しくてそして大事に思います。
生きたいように生きてるのに、人に迷惑も掛けず、内面的にも卑屈でも尊大でもない自然体。
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本作の主役、「ハチ」は主人の帰宅を信じて毎日毎日待ち続けます。それはまぎれもなく無邪気。
転居したりしても無理矢理に駅前に戻ってきて待ち続ける行為は「素直」の対極の「頑固」なようにも見えますが、ハチは連れ帰ろうとする人などに吠えるでもなく噛みつくこともない。ただ諾々と従いながら、誰を傷つけるでもなく隙を見てあるいは許されて駅前に佇む訳です。コミュニケーションを尊重しながらも内面に従う道を選ぶ彼はまさしく「素直」。
そしてハチは周囲の優しさにも応えながら主人を思い続けるのですから疑いもなく「健気」。
哀しいほどに理想的な人(?)格者であるがゆえにその結末も哀しいけど、なんだか温かいものが残る。
あのハチの示した人間との関係を人間の言葉でなんと言えばいいのか、自分にとっては「あの3要素」を満たすものでした。
ある人は一途と呼ぶだろうし、ある人は献身と呼び、愛と呼ぶのでしょう。
ただハチにしてみれば「好きな人への全力投球」だけにすぎないのかも知れません。
他方で、泣けない人は「馬鹿な犬だ」とか「だからイヌは馬鹿なんだ」で片付けるのかも知れません。( そういう輩は私に言わせると無邪気さを欠くのでもちろん「ハチ以下」ですが(笑))。
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今日見たのは字幕版でしたが、本作はフジテレビの協賛でもあり、日本語吹き替え版ではリチャード・ギアの娘役を高島 彩嬢が吹き替えているとのこと。
チョイ役かなと思ったら結構重要な役どころで台詞も多い(といっても本作は人間の出番は限られてますけど(笑))。
吹き替え版も見に行くか・・・どうせDVD買うと思うから(笑)いいか。
それはそれとして・・・
たのむからマスコミが秋田犬の可愛さとか賢さばかりを持ち上げて、動物を商売道具ぐらいにしか考えてない低俗ブリーダーが秋田犬を乱売したりして、でもって飼い切れなくなって、大きくなってから捨てられて、保健所での殺処分が増えたり・・・なんて悲劇の起きないことを切に願います。
「南極物語」でシベリアン・ハスキーが流行った折に、そんな状況でしたから。
シベリアン・ハスキーってオオカミに近いので馬鹿だから飼いにくいってのもあるのですが、そもそも秋田犬も含めて大型犬は広い庭と寝床があってこそだし、エサ代だって馬鹿になりません。
ウチにコリーが2頭居た頃にはトイレを一つ潰して犬小屋に改造したから2畳ぐらいの寝床と内庭は犬の日常生活の場所に提供だし、まぁ1日数百グラムの馬肉とか今考えると凄い費用です。
そして日本犬は気性が荒いから訓練士を付けるとかキッチリ人間とのコミュニケーションを教えないと大変です。その反面で純血種は胃腸が弱いから現代的なジャンクフードばかり食わしてると消化器不全起こして死にます。
ちゃんとそういうネガティブ情報も合わせて流さないと馬鹿な「にわか愛犬家」が増えるばかり。。。
さて人間は犬より利口になっているのでしょうか。
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