2006年03月28日

【芸】第17回東西落語研鑽会 3

う〜ん、、、新作ばっかりだと面白くないぞ。。。
第十七回 東西落語研鑽会
 〜柳家花緑、大暴れ!!〜


会 場 有楽町よみうりホール
日 時 平成18年3月28日(火)午後6時30分開演


<番組>
林 家 たい平:紙屑屋
笑福亭 鶴 瓶:オールウェイズ お母ちゃんの笑顔
桂   文 珍:商社殺油地獄
(仲入り)
〜長講〜
柳 家 花 緑:死刑台のカツカレー
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最初の「紙屑屋」だけが古典。
江戸落語の検索サイト御隠居でも出てくるけど、上方落語では五代目 桂 文枝の十八番とも言われる噺。
(ネタをネット検索してるときに面白いHPを見つけました。賛否両論でしょうが)

林 家 たい平さん
結構上手い方で、この後半は自由な落語、微妙な下げの噺でチャンと笑わせてました。

鶴瓶の「オールウェイズ お母ちゃんの笑顔」は
私小説ならぬ「私落語」という最近の鶴瓶オリジナル、創作モノです。
単純に「何度聞いても笑える」ハナシ。
お母さんが亡くなってる今となっては少しホロッとさせる人情話。

ネタとしては古くからの鶴瓶ファンには馴染みの鶴瓶と母の騒動。
タイトルで予想されたババタンゴ、馬券風呂、クリスマスツリーです。
(これだけで判る人は立派な鶴瓶ファン〜ぬかるみorパペポ〜でしょう)

そういうファンの身として思うのは普通に鶴瓶が喋ってる方が面白いんです。
何というか落語となるとカミシモ使い分けてってところで
どこか無理が出てくる。余所余所しくなる。
登場人物が「息をしてない」って気がする隙間がときどき有るんです。
サゲで早口になるのは創作・古典問わず鶴瓶師匠のクセでは有りますが、
いずれそういう壁もぶち破って欲しいと古くからのファンとしては思う訳です。

文珍の「商社殺油地獄」(しょうしゃごろしあぶらのじごく)も創作落語。
といっても
浄瑠璃を習いに行ったりして勉強熱心な文珍師匠ならでは。
産油国に行ってる日本の商社マンが国王の前で日本の狂言をやる羽目
というドタバタですが狂言風の部分が達者だし
下座さんを高座の脇に上げて掛け合いしたりと面白かった。
古典の「能狂言」という元ネタが有るそうです親頁

花緑の「死刑台のカツカレー」は・・・・
う〜ん個人的には好きじゃない。
花緑が上手いから何とか聞けるし部分部分が面白いんだけど
ネタが長講にしてる意味がないように思います。

要は死刑囚の最後の晩餐に「カツカレーを食いたい」というスジ。
でもハナシが複雑で十分に2時間ドラマになりそう。
テレビの2時間ドラマにしたらきっと面白いと思います。

でも、落語としてはヤヤコシ過ぎるんじゃないのかな?

ネタフリでもありクスグリでもあった
ラーメン二郎注文方法
にしても万人が知ってる訳ではなくて
関東で大学生を経験したような層に限られる訳で
客層が幅広くて年齢層も比較的高めの東西落語研鑽会では難しいでしょう。

その難点が結局のところ客の感情移入を阻害してしまった点も有ると思います。

結局の処、長講が長さ故にダレてるような感じ。
アチコチにハナシが遊んでて、
結局サゲの部分で大きく笑えないし泣けない。
落語の楽しさの根っ子だと思われるカタルシスが無いんだよね。。。

ストーリーとして短く纏めにくそうだから
逆にネタフリをもっと丁寧にして
主人公に感情移入させてくれれば何とかなるのかも知れません。

これから育てなきゃいけない創作落語って感じでした。

どれもそれなりに面白かったんだけど・・・
今日は「小さな笑い」がずっと続いた楽しさは有るけど
大きなカタルシスは一つも無かったです。

やっぱり小朝が全体をプロデュースするとか
舞台としてのバランスを取る人が必要な気もします。
---
笑わせて笑わせて桂枝雀
哀しき紙芝居
ぬかるみの世界―ありがとう、新野先生、鶴瓶さん
女と男 聞けば聞くほど…


ruminn_master at 2006年03月28日 21:44 【芸】第17回東西落語研鑽会コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加


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