2007年07月16日
【芸】大銀座落語祭2007千秋楽(昼席)
さて今年の大銀座落語祭の最終日、夜席の華は鶴瓶、昼席は米朝師匠が華、一般発売で取り損ねて売り切れてたのでヤフオクで、結構プレミア付きでしたが米朝師匠のだけ何とか取って見に行きました。

米朝さん久々なので「元気かなぁ」ってノリです。

【第1部】小沢昭一・加藤 武 名優二人会
加藤 武:朗読「宮本武蔵」(吉川英治)より「宍戸梅軒」より
さすが名優って感じで、なるほど聴かせる朗読ですな。
小沢昭一:口演「榎物語」(永井荷風)
この「榎物語」は劇団1980の公演で古澤さんがやったので3回程見てるし、そのときに小沢昭一さんのCDも買って聴いてた馴染みの作品。
どうやら小沢昭一さんの持ちネタっていうか十八番らしい。
唸る、語る、小沢昭一の世界「節談説教板敷山/榎物語」
文語調で滔々と語るかと思えば木魚や鉦がリズムを刻んでアホダラ教みたいな崩し方をしたりなど、小沢昭一の幅広い芸能経験が巧く溶け込んでさすがです。
本物が生で聴けてなかなか面白かった。
【第2部】待ってました! 桂 米朝(インタビュアー:小沢昭一)
もしかして落語を少しでもやるかと楽しみにしてたら米朝さんの体調が優れないのか椅子に座っての対談、それもあまり長い時間ではありませんでした。
内容は加藤武さんと小沢昭一さんが早稲田で学生演劇やってた頃の武勇伝なんかや、共に師事していた作家で落語・寄席研究家の正岡 容(まさおか いるる)さんの思い出話など。
ただ、関東の小沢昭一さんと関西の米朝さんでは「間」が違うので、関西の自分が見てると次の拍子で米朝さんが喋り出す、ってタイミングで小沢昭一さんが待ちきれずにハナシを取ってしまって、結構聞いてる方はイライラさせられました。
まぁ米朝さんの体調を考えて「あまり喋らせないでおこう」「早く切り上げよう」となった感じがしました。
【第3部】柳家小三治の会
その煽りを食って早めに高座に上げられてしまった感じの小三治さん。
「ほんとにトシヨリはワガママで・・」みたいなことをブツクサ言いながらの登場。
演目は「天災」。
・落語のあらすじ、千字寄席
・東西落語特選
・落語「天災」の舞台を歩く
・根多データベース
・上方落語メモ「天災」
こういう惚けた味の落語は似合う人ですな。
でもなぁ。。。
今日はそこまでの時間に本格的な落語が皆無だった訳で、最後ぐらいは大きなネタを聴きたかったと思います。
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それぞれがそれなりに面白かったけど、やっぱり米朝さんを「ちょっとだけでも」聴きたかったなぁってのが正直なトコロでした。

さて大銀座落語祭の総括としては・・・
今回の自分は変化球ばかり選んだ感じでして、このイベント「どの高座を見に行ったか」で印象がかなり違うと思いますので、「爆笑」とか「色物」って感じのは以下の記事が羨ましい。
・大銀座落語祭2007ぶった切り-[落語]Allabout(14日の様子)
・大銀座落語祭2007ぶった切り・その2-[落語]Allabout(15日の様子)
でも一つの怪談を数日の間に講談・映画・落語で味わうなんてなかなかできないし、名優の朗読もなかなか足を運ぶ機会は無いので、これはこれでいい経験だったな、と。
不愉快だった経験としてはイベントが立て込んでるのでやむをえない面もあるんだけど、遅刻や途中退出者が多くてねぇ。しかも足音が現代人デカイし。
そんでもって会場の案内係がどこぞのコンサートの警備会社の影響なんだろうかと思うけどみんなスーツ着て革靴履き、それだから遅刻者の案内で出入りする度に「そいつら」の足音が一番耳障りだったんだよね。歌舞伎とか古い芝居のように黒子姿に雪駄履きとか足音のしないような、もっと「実質的に」目立たない工夫をして欲しいと切に願います。これは「改善しようと思えば簡単に出来る」ような気がします。イベント会社に任さなくても前座さんとか一杯居るんだろうし。
そういえば初日初回の怪談のとき、映画館との移動があった折の案内に、小朝さんとこの前座さん(それ以前?)に可愛い女の子が居ました。女性落語家ってまだまだ少ないけど(特に可愛いのとなると(笑))、この時代だからビジュアル的に魅力的な女性落語家もいずれ出てくるのでしょう。
「ブーム」というレベルは一過性にしても、まだまだ「落語」の世界は面白くなりそうだと期待します。

米朝さん久々なので「元気かなぁ」ってノリです。
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■究極の東西寄席
会場:銀座ブロッサム中央会館
銀座2-15-6 03-3542-8585
有楽町線 新富町駅 1番出口 徒歩1分
日比谷線/浅草線 東銀座駅 3・5番出口 徒歩8分
■客席、ホワイエ:飲食不可/自動販売機:なし/喫煙:2階席ホワイエ、1階出入口外に灰皿あり
■料金(各ブロック) 全席指定 S席 5,000円/A席 4,500円
■開場はそれぞれのブロックの30分前です
7月16日(月・祝) [Gブロック] 12:00開演
第1部 小沢昭一・加藤 武 名優二人会
第2部 待ってました! 桂 米朝(インタビュアー:小沢昭一)
第3部 柳家小三治の会
http://www.ginza.jp/select/event/rakugo/01.html
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【第1部】小沢昭一・加藤 武 名優二人会
加藤 武:朗読「宮本武蔵」(吉川英治)より「宍戸梅軒」より
さすが名優って感じで、なるほど聴かせる朗読ですな。
小沢昭一:口演「榎物語」(永井荷風)
この「榎物語」は劇団1980の公演で古澤さんがやったので3回程見てるし、そのときに小沢昭一さんのCDも買って聴いてた馴染みの作品。
どうやら小沢昭一さんの持ちネタっていうか十八番らしい。
唸る、語る、小沢昭一の世界「節談説教板敷山/榎物語」
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市外荏原郡世田ヶ谷町に満行寺という小さな寺がある。その寺に、今から三四代前とやらの住職が寂滅の際に、わしが死んでも五十年たった後でなくては、この文庫はあけてはならない、と遺言したとか言い伝えられた堅固な姫路革の篋があった。
大正某年の某月がちょうどその五十年になったので、その時の住持は錠前を打ち破して篋をあけて見た。すると中には何やら細字でしたためた文書が一通収められてあって、次のようなことがかいてあったそうである。
愚僧儀一生涯の行状、懺悔のためその大略をここに認めおき候もの也。
愚僧儀はもと西国□□藩の御家臣深沢重右衛門と申し候者の次男にてこれあり候。不束ながら行末は儒者とも相成り家名を揚げたき心願にてこれあり候ところ、十五歳の春、父上は殿様御帰国のみぎり御供廻り仰せつけられそのまま御国詰になされ侯により、愚僧は芝山内青樹院と申す学寮の住職雲石殿、年来父上とは眤懇の間柄にてこれあり候まま、右の学寮に寄宿仕り、従前通り江戸御屋敷お抱えの儒者松下先生に就きて朱子学出精罷りあり候ところ、月日たつにつれ自然出家の念願起り来り、十七歳の春剃髪致し、宗学修業専念に心がけ候間、寮主雲石殿も末頼もしき者に思し召され、・・・
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文語調で滔々と語るかと思えば木魚や鉦がリズムを刻んでアホダラ教みたいな崩し方をしたりなど、小沢昭一の幅広い芸能経験が巧く溶け込んでさすがです。
本物が生で聴けてなかなか面白かった。
【第2部】待ってました! 桂 米朝(インタビュアー:小沢昭一)
もしかして落語を少しでもやるかと楽しみにしてたら米朝さんの体調が優れないのか椅子に座っての対談、それもあまり長い時間ではありませんでした。
内容は加藤武さんと小沢昭一さんが早稲田で学生演劇やってた頃の武勇伝なんかや、共に師事していた作家で落語・寄席研究家の正岡 容(まさおか いるる)さんの思い出話など。
ただ、関東の小沢昭一さんと関西の米朝さんでは「間」が違うので、関西の自分が見てると次の拍子で米朝さんが喋り出す、ってタイミングで小沢昭一さんが待ちきれずにハナシを取ってしまって、結構聞いてる方はイライラさせられました。
まぁ米朝さんの体調を考えて「あまり喋らせないでおこう」「早く切り上げよう」となった感じがしました。
【第3部】柳家小三治の会
その煽りを食って早めに高座に上げられてしまった感じの小三治さん。
「ほんとにトシヨリはワガママで・・」みたいなことをブツクサ言いながらの登場。
演目は「天災」。
・落語のあらすじ、千字寄席
・東西落語特選
・落語「天災」の舞台を歩く
・根多データベース
・上方落語メモ「天災」
こういう惚けた味の落語は似合う人ですな。
でもなぁ。。。
今日はそこまでの時間に本格的な落語が皆無だった訳で、最後ぐらいは大きなネタを聴きたかったと思います。
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それぞれがそれなりに面白かったけど、やっぱり米朝さんを「ちょっとだけでも」聴きたかったなぁってのが正直なトコロでした。

さて大銀座落語祭の総括としては・・・
今回の自分は変化球ばかり選んだ感じでして、このイベント「どの高座を見に行ったか」で印象がかなり違うと思いますので、「爆笑」とか「色物」って感じのは以下の記事が羨ましい。
・大銀座落語祭2007ぶった切り-[落語]Allabout(14日の様子)
・大銀座落語祭2007ぶった切り・その2-[落語]Allabout(15日の様子)
でも一つの怪談を数日の間に講談・映画・落語で味わうなんてなかなかできないし、名優の朗読もなかなか足を運ぶ機会は無いので、これはこれでいい経験だったな、と。
不愉快だった経験としてはイベントが立て込んでるのでやむをえない面もあるんだけど、遅刻や途中退出者が多くてねぇ。しかも足音が現代人デカイし。
そんでもって会場の案内係がどこぞのコンサートの警備会社の影響なんだろうかと思うけどみんなスーツ着て革靴履き、それだから遅刻者の案内で出入りする度に「そいつら」の足音が一番耳障りだったんだよね。歌舞伎とか古い芝居のように黒子姿に雪駄履きとか足音のしないような、もっと「実質的に」目立たない工夫をして欲しいと切に願います。これは「改善しようと思えば簡単に出来る」ような気がします。イベント会社に任さなくても前座さんとか一杯居るんだろうし。
そういえば初日初回の怪談のとき、映画館との移動があった折の案内に、小朝さんとこの前座さん(それ以前?)に可愛い女の子が居ました。女性落語家ってまだまだ少ないけど(特に可愛いのとなると(笑))、この時代だからビジュアル的に魅力的な女性落語家もいずれ出てくるのでしょう。
「ブーム」というレベルは一過性にしても、まだまだ「落語」の世界は面白くなりそうだと期待します。