2009年12月22日
【楽】国立劇場12月歌舞伎公演
やっぱり新歌舞伎の方が物語が軽い気がします。
記事にしてるのもしてないのもあるけど、ここ数年は毎年12月の国立劇場歌舞伎公演は見てる。
今月は歌舞伎座の方も「新歌舞伎」だけど、こっちもでした。


・公演情報 詳細|日本芸術文化振興会|12月歌舞伎公演「頼朝の死」「一休禅師」「修禅寺物語」
1本目の「頼朝の死」は明治・大正・昭和にわたる劇作家真山青果の作。
巷間、落馬事故による死となっているものの謎の多い源頼朝の死を巡る2代将軍頼家、母である北条政子、そして家臣達の間での、愛とか家とかそんなハナシ。
中村吉右衛門の頼家が、時代に合わない馬鹿殿というか現代の目で見ても使えない上司というか(笑)、そんな感じ。
この頼家は3本目で最後が描かれている訳で、今回の演目の一つの柱でしょうか。武家社会を貫く「お家制度」の振り出しはこの頼朝が死んで北条政子が実権を握る辺りなのかも知れません。
「どうしようもない」嘆きで終わる話。
2本目の「一休禅師」(はガラッと変わって坪?逍遙の本による夢か現か幻か、禅問答を柱に据えた不思議な舞踊劇、人間国宝も入った5枚5丁の音曲も立派だけれど、70過ぎで設けた実の娘と共演してる中村富十郎の姿が微笑ましいし、その娘の愛子ちゃんもまだ小学校に上がってもないチビッ子なのになかなかチャンとやってて可愛い。
少々やるせない1本目とコワイ3本目の間を繋ぐ心の休憩所というところでしょうか。
3本目の「修禅寺物語」は昭和の劇作家岡本綺堂の本で、鎌倉幕府2代目将軍の頼家の哀しい最期を背景に、能面を打つ職人とその娘の生き様を描くハナシ。
この能面師の鬼気迫る芸術への執念を中村吉右衛門がコワイまでに演じていました。
殺陣もリアルで結構見事だったけど、話自体は滅びへ向かう頼家を柱とした人間の性(さが)のコワサを感じさせるハナシ。
吉右衛門はいいねぇ、とか思うし歌舞伎は好きで見てるんだけど、何度見ても若い女を演じる女形ってオカマにしか見えない(笑)んでそこだけは違和感で少し醒めます。
もっとも現代の女優さんが歌舞伎の世界の、情念を腹蔵に仕舞い込むような芝居をしたらそれはそれで生臭くて(笑)見てて疲れそうな気もするけどね。
女の情念を描く近松モノなんかは人形浄瑠璃の方が個人的には好きです。
歌舞伎は大衆演劇なんだから本来が時事ネタ有りだし新風大歓迎の新歌舞伎でいっこうに構わないんだけど、やはり昔から何度も何度も小屋に掛けられてきたシナリオと比べると後味が軽いですな。
その中から後世に古典として残るようなモノだけが生き残っていくのは落語でも一緒ですが。
今日の中では個人的には3本目の「修禅寺物語」がイチオシかな。
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記事にしてるのもしてないのもあるけど、ここ数年は毎年12月の国立劇場歌舞伎公演は見てる。
今月は歌舞伎座の方も「新歌舞伎」だけど、こっちもでした。


・公演情報 詳細|日本芸術文化振興会|12月歌舞伎公演「頼朝の死」「一休禅師」「修禅寺物語」
公演情報 詳細|日本芸術文化振興会|12月歌舞伎公演「頼朝の死」「一休禅師」「修禅寺物語」
12月歌舞伎公演「頼朝の死」「一休禅師」「修禅寺物語」
劇場 国立劇場大劇場
ジャンル 歌舞伎
公演名 12月歌舞伎公演「頼朝の死」「一休禅師」「修禅寺物語」
公演期間 2009年12月3日(木) 〜 2009年12月26日(土)
休演日 2009年12月17日(木)
開演時間 11時30分(3時30分終演予定)
※18日(金)は4時開演(8時終演予定)
(10日は貸切)
11日(金)、22日(火)は夜7時開演の「社会人のための歌舞伎入門」(8時45分終演予定)
演目・主な出演者
真山青果=作
真山美保=演出
「頼朝の死」(よりとものし) 一幕二場
織田音也=美術
中嶋正留=美術
第一場 法華堂の門前の場
第二場 将軍家御館の場
坪内逍遥=作
国立劇場文芸課=補綴
「一休禅師」(いっきゅうぜんじ)
長唄囃子連中
藤間勘祖=振付
国立劇場美術係=美術
岡本綺堂=作
天桜=監修
「修禅寺物語」(しゅぜんじものがたり) 一幕三場
国立劇場美術係=美術
第一場 伊豆修禅寺夜叉王住家の場
第二場 桂川のほとり、虎渓橋のたもとの場
第三場 もとの夜叉王住家の場
(出演)
中 村 吉右衛門
市 川 段 四 郎
中 村 芝 雀
中 村 錦 之 助
中 村 松 江
大 谷 桂 三
中 村 種 太 郎
渡 邊 愛 子
中 村 吉 之 丞
澤 村 由 次 郎
市 川 高 麗 蔵
中 村 歌 昇
中 村 歌 六
中 村 魁 春
――――――――
中 村 富 十 郎 ほか
………………………………………………………………
※社会人のための歌舞伎入門
12月11日(金)・22日(火)
「修禅寺物語の世界へ」 朗読 中村歌昇
「修禅寺物語」 一幕三場
(2009/12/4現在)
前売開始日 電話・インターネット予約開始=11月6日(金)10時〜
窓口販売開始=11月7日(土)10時〜6時
等級別料金 特別席 12,000円(学生8,400円)
1等A 9,200円(学生6,400円)
1等B 6,100円(学生4,300円)
2 等 2,500円(学生1,800円)
3 等 1,500円(学生1,100円)
社会人のための歌舞伎入門
1 等 5,000円(学生4,500円)
2 等 2,500円(学生1,800円)
3 等 1,500円(学生1,100円)
お問い合わせ先 国立劇場チケットセンター(10時〜5時)
0570(07)9900
03(3230)3000[PHS・IP電話]
タイムテーブル タイムテーブルのご案内
※旧字等は、一部別の表記に置きかえて表示する場合があります。
公演情報 詳細|日本芸術文化振興会|12月歌舞伎公演「頼朝の死」「一休禅師」「修禅寺物語」
1本目の「頼朝の死」は明治・大正・昭和にわたる劇作家真山青果の作。
巷間、落馬事故による死となっているものの謎の多い源頼朝の死を巡る2代将軍頼家、母である北条政子、そして家臣達の間での、愛とか家とかそんなハナシ。
中村吉右衛門の頼家が、時代に合わない馬鹿殿というか現代の目で見ても使えない上司というか(笑)、そんな感じ。
この頼家は3本目で最後が描かれている訳で、今回の演目の一つの柱でしょうか。武家社会を貫く「お家制度」の振り出しはこの頼朝が死んで北条政子が実権を握る辺りなのかも知れません。
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2本目の「一休禅師」(はガラッと変わって坪?逍遙の本による夢か現か幻か、禅問答を柱に据えた不思議な舞踊劇、人間国宝も入った5枚5丁の音曲も立派だけれど、70過ぎで設けた実の娘と共演してる中村富十郎の姿が微笑ましいし、その娘の愛子ちゃんもまだ小学校に上がってもないチビッ子なのになかなかチャンとやってて可愛い。
少々やるせない1本目とコワイ3本目の間を繋ぐ心の休憩所というところでしょうか。
3本目の「修禅寺物語」は昭和の劇作家岡本綺堂の本で、鎌倉幕府2代目将軍の頼家の哀しい最期を背景に、能面を打つ職人とその娘の生き様を描くハナシ。
この能面師の鬼気迫る芸術への執念を中村吉右衛門がコワイまでに演じていました。
殺陣もリアルで結構見事だったけど、話自体は滅びへ向かう頼家を柱とした人間の性(さが)のコワサを感じさせるハナシ。
吉右衛門はいいねぇ、とか思うし歌舞伎は好きで見てるんだけど、何度見ても若い女を演じる女形ってオカマにしか見えない(笑)んでそこだけは違和感で少し醒めます。
もっとも現代の女優さんが歌舞伎の世界の、情念を腹蔵に仕舞い込むような芝居をしたらそれはそれで生臭くて(笑)見てて疲れそうな気もするけどね。
女の情念を描く近松モノなんかは人形浄瑠璃の方が個人的には好きです。
歌舞伎は大衆演劇なんだから本来が時事ネタ有りだし新風大歓迎の新歌舞伎でいっこうに構わないんだけど、やはり昔から何度も何度も小屋に掛けられてきたシナリオと比べると後味が軽いですな。
その中から後世に古典として残るようなモノだけが生き残っていくのは落語でも一緒ですが。
今日の中では個人的には3本目の「修禅寺物語」がイチオシかな。
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